「落下の解剖学は淡々としたフランス映画だった」落下の解剖学 稲浦悠馬 いなうらゆうまさんの映画レビュー(感想・評価)
落下の解剖学は淡々としたフランス映画だった
謎が謎を呼ぶサスペンスかと思いきやそうではなかった。
感想としては、フランス映画を楽しむ素養はまだまだ自分の中には育っていないようだ。
・物語
ある日、父が死んでいるのを息子が見つけ、妻には殺人の嫌疑がかけられる。
そのため、裁判では段々と複雑な夫婦関係が明らかになって行く。
・ああフランス映画
フランス映画は同じ物事を表現するためにアメリカ映画より2倍か3倍ぐらいの時間をかける。この映画も例に漏れずそうだった。
たとえば裁判の公判でひたすら話し合うシーンに30分ほどかけたりする。
そして映画全体は2時間半ほどもある。
まるで編集という概念がなくなってしまったみたいだ
もちろんフィクションなのだが、それよりはドキュメンタリーの記録に近いテイストだ。
一体なぜなのだろう。
フランスの人はこれを普通に楽しめるのだろうか。やはり文化や趣向の違いが根本にあるのだろうか。
世の中には様々な映画があるが、フランス映画はきっちり「フランス流」を貫いている。
・観客の民度
この映画を見ている間、やたらと周りのマナーが良いことに気づいた。ひどく咳き込む声が聞こえることもなかった。静かな映画なのに。
フランス映画を観るぐらいの映画好きは鑑賞マナーが良いのかもしれない。
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