劇場公開日 2024年2月23日

「意志というものの混沌」落下の解剖学 flushingmainstさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5意志というものの混沌

2024年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

宣伝文句、キャッチコピー、チラシの短文、タイトル。これらを考えるのは日本側の配給会社なのだろう。これらを見るとどうも本作品が真犯人探しのサスペンスであるかのようで、レビューを書く人もそれと作品とのギャップに戸惑っているようだ。この作品はそんなかつてのアガサクリスティーやヒッチコックのような作品ではないように思う。登場人物自らでさえ心の底に隠し通した「感情」の錯綜する「意志」のサスペンスに見える。答え合わせなどできない混沌としたものを味わってこそ醍醐味なのだろう。さすがはパルムドール作品だ。ことごとく周到に設られた設定や運びは今後の映画の教材としても素晴らしいのでは。

flushingmainst