劇場公開日 2024年2月23日

「マジックショーのようだった。」落下の解剖学 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0マジックショーのようだった。

2024年2月27日
iPhoneアプリから投稿

ただただ芝居の技術の高さを楽しむ作品。

スタニスラフスキーはもちろん、
ステラ・アドラー方式の、
お互いの関係性の中で、
芝居をビルドアップしていく中でちょっとした仕草、表情を複数重ねて試行錯誤して取捨選択していくような、
訓練を受けた人たちの、
マジックショーのようだった。

状況を客観的に話す芝居、
客観的から主観が入ってくる芝居、
感情的な芝居、
それぞれ相手の芝居によってシフトチェンジ、減速加速、出力高低、すべてコントロールしている。

小説家同士、その内容と現実、
録音部分の構成等、
シナリオでもうまい部分もあるが、それらのセリフのキャッチボールが素晴らしい。

欧米複数国で、
オーディションを行なった事があるが、毎回、技術の引き出しの多さに驚く。

ロゴス(論理)、エトス(倫理)、パトス(情熱)、同じシナリオでも、
それぞれの違う伝え方、
論理だけでは人は動かない、
倫理が無ければ観客は納得しない、
情熱との按分の割合、センス、

そんな技術に関して、芝居の技術に関して、youtubeで話してます。

スヌープ・ドギー・ドッグまで、いい芝居していた。

蛇足軒妖瀬布