劇場公開日 2024年2月23日

「息子さんの今後が心配になった。」落下の解剖学 やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5息子さんの今後が心配になった。

2024年2月24日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

題名が「落下の解剖学」とか・・・大変意味深長に感じましたので、当初医学的な見地から真実に辿りつくミステリかと思いました。

しかし、検死のシーンなどあったもののそこに言及するのはほんのわずかで、殺人事件の法廷シーンを軸とした家族ドラマ、人間ドラマがメインの構成です。

殺人の容疑がかけられた女性作家が、自身の無実を証明するために、旧知の(元恋人?)の敏腕弁護士と共に法廷で戦いますが、自殺、他殺のライン・・・いずれも決定的な物的証拠はなく状況証拠を積み上げていくしかない状況。また、被害者の第一発見者である息子は事故で視神経に障害があり、かつ彼の証言も現場検証時に矛盾してることなど決定打に欠けます。日本の法廷じゃ物的証拠に乏しいから推定無罪だろうけど、フランス司法はどうなんでしょか?

法廷闘争が進むにつれ検察側は夫婦間のいざこざや女性作家のスキャンダラスな一面をクローズアップし彼女を有罪にしようと画策します。息子さんは母親の隠された事実に直面し、ショックを受け絶望しますが・・・という話。

この映画において観客が求めてるのは真実であって裁判の結果じゃあないのは言うまでもないのです。

しかし真実をあえて「ハッキリさせない」ことで観客の各個人的な検証や憶測を創出させ、作品にある種の余韻を持たすことにはまあ成功してると思います。

ただちょっと気になる点が。息子さん、何か・・・(優れた聴覚記憶で)認知しながらも母親が裁判で不利にならぬ様に「何かしら隠蔽」してませんでしたかね?

彼の今後のメンタル面がとても心配になりました。

まあ、これこそ私の憶測に過ぎないのだけれども(笑)。

やまちょう
ゆ~きちさんのコメント
2024年3月22日

共感ありがとうございました。

他人の夫婦喧嘩もしみじみ嫌なものだなぁと実感できる作品でしたねw

ゆ~きち
2024年2月26日

息子は頭がめちゃくちゃ良くて
賢いので描かれては居ないですがその可能性あると思います!
検察側の弁護士を最後にひろゆきばりに論破するくらいの知能ですから!

お主ナトゥはご存じか2世
かばこさんのコメント
2024年2月25日

こんにちは
共感をありがとうございます。
息子が何かしら隠蔽しているのでは、と私もそう思いました。
母の方は夫と別れればいいだけなので殺人の動機に欠ける、むしろ息子が自身の犯行に対して、という気がしました。

かばこ