枯れ葉のレビュー・感想・評価
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まあまあだ
『レニングラード・カウボーイズ』に出オチ以上の面白さを感じられず、『マッチ工場の少女』も暗くて好きでなく、今回もやたらと評判がいいけど、きっと好きでないだろうと思いつつも見てみたら、やっぱり暗くてつらい。コメディセンスが高く評価されている。短いし特に退屈もしなかったけど、高い評価を見るとそこまでか?と思う。
彼女がゾンビ映画を面白がるところは好きだ。廃棄の食べ物を横領してクビになると同僚が同時に辞職するところもいい。貧困層のつらい現実を描いている。ちょっとぐらい飲みながら仕事したっていいではないかと真面目に思う。
パラノイドってブラックサバスの?
それぞれ独りで生きる中年であろう男女の恋愛物語。
ラブストーリーってことで観なくても…と思っていたけれど時間潰しに今更観賞。
スーパーで働く女が賞味期限切れの廃棄するパンを持ち帰ろうとしてクビになり、働き始めた飲食店のオーナーが…という流れに、土建の現場で働く男が仕事中に飲酒してクビになり、飲みに行った店のオーナーが…と繋がって行く。
かなり色々と端折った様な見せ方で2人の中をみせていくし、それでいてそんな姿をみせられても?と、もしや2人共一目惚れだったのかと思わせる結論ありきの様な展開で、シンプルなのは良いけれど、シンプル過ぎてこれと言って感情移入する様なところはなかったかな。
携帯やネットカフェはあるし、ラジオから流れるニュースはウクライナ侵攻だけど、暮らしぶりやインテリアが日本だったら40〜50年ぐらい前の頃の様な感じで、そっちの方が気になった。
よく分かりませんが・・
久々の監督作品という事で、今迄自分が携わってきた“映画”にオマージュを捧げたような感じでしょうか? ビルマーレイが出て来た時はちょっと噴き出しそうでした。あと所々の歌がキーだったと思いました。
くすっと笑える所も多々、「君の名は」か? 意識不明だからちょっといい? どんどん3K化していくヒロイン(これは笑えないか)フィンランドの人はシナモンロール好きなー。
毎日飲みたいお味噌汁みたい
ラジオからウクライナのニュースが聞こえる中、それでも誰かの日常は淡々と続いていくリアルさ。
戦争も、仕事での理不尽なことも、同じ街ですれ違ってばかりで会えない誰かのことも、全部一緒くたに日々は進む。
(比較するの安易な気はするけど、カウリスマキ監督のテイスト、星野源の歌う日常とちょっと近い気がする)
今時スマホもなくガラケー番号のメモ無くして会えない状況、中々珍しいですが、待ち続けていた映画館の前に溜まった煙草の吸い殻がいとおしくって。
ふんだんに出て来る古い映画(ポスター含め)や懐かしい音楽や、これぞ!な感じの無表情で口数が少ない人々と照明の特徴的な当て方、素敵でした。
やっと観られた!うれしい!という気持ちと共に、すごーく地味だけど余計なものを使わずにお出汁を取ったお味噌汁みたいで、エンドロールの"枯れ葉"を聴きながらじわじわーっと心身に染みました。
映画館の暗闇とスクリーンの光は人間を癒し救うんだよな、と。
時代錯誤にアナログな恋模様
季節が巡っても、時が流れてもきっと変わることのないカウリスマキ流スレ違いロマコメ。作中ラジオから聞こえる音で伝えられるロシアによるウクライナ侵攻の情勢。そして、電話番号や電話帳などポケベル時代さながらにアナログですれ違う2人(けど作中見るのは『デッド・ドント・ダイ』)。相変わらず失業者や肉体労働者など貧しい人びとに目を向けるカウリスマキ調にデッドパンする中で収まりの良い画、構図の勉強に。ジェームズ・スチュワート似のアル中が、好きな人のために変わろうとする自分。人との関わりに何気ない幸せ、きっとこうやって誰かと他の誰かが知り合って家族や特別な関係になっていく。機械を極限まで介さずにこの不器用さや時間のかかるさまもまた、人が人である由縁とでもいうかなんとも素敵。今そこにいることが何よりも確かで大事。人生の中でかけがえのないもの、愛しい瞬間を真空パックするように、いついつまでも普遍的。やさしさに包まれて、しっかりと温度(とクセ)を感じる映画の魔法。
ぎこちないから、愛しい
コミュ障気味の中年の男女の労働者のささやかな愛の芽生えなのだが、そのぎこちなさが見ていて自分と重ねたり、応援したくなるような愛おしさがある。カラオケとラジオの下手ウマないしはクドイ歌がミュージカル歌謡のように効いていて、会話の幾つかも微笑を誘う。最後はチャップリンみたいな味もある。
予想よりはあっさりしていましたが
「浮き雲」と「ルアーブル」がわたしの中でのトップ2なので、思いの外、あっさりとした印象でしたが、別に不満があるわけではなく、カウリスマキ監督の一貫した『普通の人たちの生活と愛』(勝手にそう解釈しているだけですが)を久々に観せて頂きました。
例えば、雑誌とかチラシとかスクショみたいたものとかで、劇中のどこかのワンカットを見たとして、監督はあのカウリスマキだ! と認識させる人はこの方しかいないのではないかと思います。唯一無二というのでしょうか、構図とか照明とか美術とか役者の顔とか、まあ絶対にわかりますよね。
普通の人の視線を絶対に外しませんから、映画の中のフィンランドはいつも同じです。娯楽、食べ物です酒、家、トラム、街中、暗さ、服装、映画館。わたしにはとても魅力的に映ります。ちなみに、リッチな゙フィンランドってどんななんですかね?
やっぱり、人間に必要なものは、愛ですね。それは、パートナーです。ひとりで痩せ我慢は辛いです。孤独とは牢獄です。
枯葉の時
それは旬を過ぎた物事をさすかのような
または輝きの成れの果てかの如く
散りゆく命の一歩手前
朽ちゆくだけの乾いた絨毯
どこか哀愁と背中合わせの季語、枯葉。
but
誰しも希望や喜びに溢れた若葉の頃があるように、
ある種の諦観や、固定概念を纏う頃に訪れる枯葉の季節を、等しく喜びと共に迎え入れたい。
枯葉としての目で、耳で鼻で、肌でその季節を感じ、味わい尽くしたい。
どこか鮮色の抜けた佇まいかも知れない、その目が映し出す新たな世界と正面から対峙し、真っさらな心持ちで、その季節を楽しみたい。
辿り着いた先に優劣はなく、地続き且つ新しい現在(いま)の自分が在る。
過ぎたことを悔やむことも、まだ見ぬ未来を憂うことも120%無意味。
どうあれ、
落ち葉となった枯葉は分解され、廻りまわって、新しい葉を作る材料となる。
また土の上に降り積もった落ち葉は直射日光を防ぎ土を乾燥から守る、土の中で暮らす土壌微生物にとって快適な環境を作り出す。
落ち葉の存在は、キノコやカビなどの菌類、ミミズなどの小さな土壌動物が暮らしやすい環境を作り出す。
どう生きても経験は蓄積され、経験は次の命へと繋がっていく。
枯葉の効用と、枯葉の紅葉、等しく尊い。
映像の美しさがズバ抜けてる
映像の美しさがズバ抜けてる。
とくにアンサの部屋、狭いけどセンス抜群の色合いと小物の配置。めちゃくちゃ好きです。自分の部屋、あんな風に装飾したい!※念願の映画部屋を手にしたので装飾欲が😂
ストーリーは…昔のメロドラマっ感じであんまりハマらず😅電話番号書いた紙を風で飛ばされて無くしちゃう、連絡取れないから別れた場所に何日も待ってみる…ベタ展開についていけず!
ほかにも何個か、こりゃー反応に困るな、って展開があった。
自分、恋愛もの苦手か、微妙だなーと思いつつも、最後まで飽きずに観れたのは前述の通り、映像の美しさが圧倒的だったから。
どのシーンを切り取っても素敵な画になる。アンナの部屋の他、カラオケのシーンや小さな映画館周辺も鮮やかだった。
見て良かった。文化の違いも楽しめた。
更衣室のロッカーの色遣いがいいなー、とか
バンドの歌、おもしろいなー、とか、登場人物のややパンクな生き方とかちょいちょい出る鮮やかな色遣いと、人々の表情や天候の乏しさとのコントラストも効いていた。場面ごとに余韻を残したり、ラストは2人で寄り添っていくのも良かったです。
独りが温かい
カラオケバー
マウスでデュトット(英訳スパイスガール)
姉妹デュオの歌が絶妙に心地良い。
アンサとホラッパ
自分のことで精一杯なのに、社会、職場でみんなとつながっているその距離感が良い。
同調ではない、独立した感じ。
ヘルシンキ、フィンランドは世界一幸せの国なのでは?
その国でも非正規労働者・最低賃金…いわゆるothers 社会からスルーされた人たちは存在するのだ。
淡々とだけど、なんでやねんって言う物語の進行。
でも、なんだ良かった。
孤立ではない1人ひとり。
枯れ葉のショットがあるのだけれど
一枚いちまい色の違う葉の落ち葉だった。
(アンサはトーベ・ヤンソン演じた人だった。)
温かいです、くすりと笑います。
食べるものに困っている人や、行き場のない犬を放っておけない彼女が、酒に溺れる彼には、自分で立ち直るように突き放す。
ハッピーエンドからの、彼らの幸せな日常が目に浮かぶ。
滋味深いラブストーリー。
うーん・・・
ブルーカラーの男女の出会いを綴る小品。
本来なら個人的には好みのタイプの筈の映画なのですが、残念ながら、目新しさや特筆すべき何かを感じ取ることは出来ませんでした。
昭和30~40年代の日本映画にこういうのがちょいちょいありましたね。
[敢えて]なのか[周回遅れ]なのか・・・よくわかりませんが、いまどき足元に落とした煙草の吸殻でアレを表現する演出やるんですね。
うーん・・・
あと、随所に作為的な展開が目立ちます。特に終盤の展開には興ざめしてしまいました。
あー、そういう映画だったのね。
高い評価を受けている本作ですが、自分の感性の拙さ故か、私の眼には極めて凡庸な一作としか映りませんでした。
歳をとるっていうのも悪くないかも
監督のアキカウリスマキのことは知らなかったが、どこかで知っているような気がして記憶を振り絞ってみると、たしか西加奈子の小説「夜が明ける」に出てきた印象的な架空の外国人のモデルになった人だったと思い出し、もうそれだけで十分な見る理由になると思い鑑賞した。そして作品の初めて見るテンポ、空気感にのめり込ませた。
こんなにつらい生なんて苦しい。と思いながら男女二人と、その周辺の小さな世界を見守るような気持ちで寄り添う。私もこの年になり良いことばかりではない、そう落ちて枯れた葉っぱのような現実もそこにあり、若い頃、調子の良い頃には気付けなかった、深い底に近いところにある小さな幸せをこの二人と共に感じることが出来ている今を喜ばしいと思え、結果私も二人と共に一緒に幸せになれた
淡々と無表情で展開していく登場人物達の描き方もとってもユーモラスだし、なにより物語が進むにつれ、少しづつ表情に変化が出てくる女性がより印象に残っている
そういえば二人の名前はなんていうのだったろうか、、詮索しない。相手のことを知らない居心地の良さのようなものを私はこの映画に教えてもらったのかもしれない
ひどい戦争だ
オープニングの画から「赤」全開だね。
藍、黄、緑と組み合わせてきて綺麗。
構図もすごいんだよね。
いい構図を保ったまま、画を動かすのって難しいと思うんだけど、難なくやっちゃうの。
淡々と台詞のやり取りをしながら、刺さる台詞が入ってくるね。
お洒落というか、ウィットに富んだというか、聞いてて面白いの。
音楽もいいよね。
それらを楽しみながら観ていって、ストーリーはありふれた話なの。
そんなに「すげえ」っていう展開もない。
最初のデートでゾンビ映画選んじゃダメだろとは思ったけど。ジム・ジャームッシュ作品ならいいのかな。
逆に、ベタな展開でいくなら、こう作れっていう勉強にはなるね。
淡々とした流れの中で一言だけ感情がこもる台詞があって、それが「ひどい戦争だ」だね。
この一言を言うためだけに、アキ・カウリスマキはこの作品を作ったんだと思ったよ。
「一言いいたいから映画つくるか」と思って、良い作品を作り上げてしまう技量の高さに唸ったね。
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