「竹田の子守唄と『デッド・ドント・ダイ』」枯れ葉 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
竹田の子守唄と『デッド・ドント・ダイ』
全編通してラジオからはロシアのウクライナ侵攻のニュースが流れている。2017年に引退宣言をしたアキ・カウリスマキ監督だったが、コロナやウクライナのことで映画を作らずにいられなくなったのだろうか、そんな気がしてならない。労働者三部作の延長ということから、これからも作り続けてほしいものだ。
日本の曲はカウリスマキ作品にはよく使われているけど、今回の「竹田の子守歌」にはどんな意味があるのだろうか。ネットで調べてみると意味深です。ギリギリの生活をしているアンサとホラッパの境遇を思わずにはいられません。ラストには映画『夜の門』の挿入歌としてもジャズ・スタンダードとしても有名な「枯葉」が流れてくるし、哀愁漂う二人の雰囲気にはピッタリでした。
また、映画館での映画はジム・ジャームッシュの『デッド・ドント・ダイ』。カウリスマキとジャームッシュが同時に楽しめることや、二人に親交があるんだろうなぁと想像させてくれる。『デッド・ドント・ダイ』みたいなゾンビ映画を観た後で、二人の男が語ってるのが、「名画だ。ブレッソンの『田舎司祭の日記』を思い起こさせる」「いやゴダールの『はなればなれに』だ」というやりとりが笑える。アンサは「こんなに笑ったのは初めて」と語り、ここからアンサとホラッパの親交が始まるのだが、すれ違いが続く・・・
カラオケバーが登場したり、古いラジオがあったりと、時代がよく分からないところがカウリスマキらしさだろうか。2人とも携帯を持ってるんだから、その場で電話番号登録しろよ!とも言いたくなるが、やはり不器用な主人公なので突っ込めない。ま、とにかく昼間から酒を飲むのはやめましょうね。
ホラッパは明らかにアルコール依存症でしたね。
問題山積みでも、とりあえず今、今が大事という二人に思えました。
先行きはろくでもない予想しかないので、先のことなんか考えない、ある意味がけっぷちの二人なんですが、悲壮感がないです。
二人とも刹那を生きることで自分の心を守っているような気がしました。
共感ありがとうございます。
就業中の飲酒はかなり深刻な閉塞感を覚えました。
一転、フィンランドで飲食店を開業するにはシナモンロール必須か?かもめ食堂でも出してたし。サンリオが進出すれば大ブームかも。