「枯葉の時」枯れ葉 グリーンさんの映画レビュー(感想・評価)
枯葉の時
それは旬を過ぎた物事をさすかのような
または輝きの成れの果てかの如く
散りゆく命の一歩手前
朽ちゆくだけの乾いた絨毯
どこか哀愁と背中合わせの季語、枯葉。
but
誰しも希望や喜びに溢れた若葉の頃があるように、
ある種の諦観や、固定概念を纏う頃に訪れる枯葉の季節を、等しく喜びと共に迎え入れたい。
枯葉としての目で、耳で鼻で、肌でその季節を感じ、味わい尽くしたい。
どこか鮮色の抜けた佇まいかも知れない、その目が映し出す新たな世界と正面から対峙し、真っさらな心持ちで、その季節を楽しみたい。
辿り着いた先に優劣はなく、地続き且つ新しい現在(いま)の自分が在る。
過ぎたことを悔やむことも、まだ見ぬ未来を憂うことも120%無意味。
どうあれ、
落ち葉となった枯葉は分解され、廻りまわって、新しい葉を作る材料となる。
また土の上に降り積もった落ち葉は直射日光を防ぎ土を乾燥から守る、土の中で暮らす土壌微生物にとって快適な環境を作り出す。
落ち葉の存在は、キノコやカビなどの菌類、ミミズなどの小さな土壌動物が暮らしやすい環境を作り出す。
どう生きても経験は蓄積され、経験は次の命へと繋がっていく。
枯葉の効用と、枯葉の紅葉、等しく尊い。
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