劇場公開日 2023年12月15日

「恋、あるいは渇望」枯れ葉 エロくそチキン2さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5恋、あるいは渇望

2024年1月28日
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鑑賞方法:映画館

労働者階級の厳しい生活の中で生まれた泡沫の恋。

父や兄をアル中で失ったアンサ。地獄を知る彼女はひとりの生活に安堵し、過酷な労働も苦にならんのだろうが、ささやかな潤いを求めるのもまた真なり。

アルコールにより失職を繰り返すホラッパ。完璧なアル中。職もないのに婚姻届を出す夢をみる最低なクソ野郎だった。監督の自虐を投影したのだろうがホラッパに容赦はなかった。

観る自分はアンサに恋をした。
感情をぐるんぐるん振り回された。
一緒に潤いたかった。

驚くべきは恋の瞬発力。

「直ぐに来て」というアンサの甘美な言葉に萌えた。「渇望」という言葉が相応しいか。アル中が簡単に治らないことを一番わかっているのは彼女だもんなぁ。

そう、たとえ束の間でも幸せにまぐわえるならそれで良し。恋の魔法がとけたらとっとと別れれば良い。

ということで自分的にはよく知る世界なので余計なことまで考えてしまった。ロシアのウクライナ侵攻批判、そして熱い映画愛のストレートな表現にまったく嫌味がないのは流石だ。

エロくそチキン2