「カウリスマキ・イズ・バック!」枯れ葉 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
カウリスマキ・イズ・バック!
難民3部作(2部作?)をもって引退宣言していたカウリスマキが、お得意の小市民映画を携えて帰ってきた!
ミニマムなセリフに無表情、屋内の色使い、ロックと歌謡曲、そして過去の映画の引用(ジャームッシュ、ゴダール、ブレッソンに、数々の映画ポスター)と、まさしくカウリスマキ節健在で、おもわずニンマリしてしまう。
何より、昨今の風潮に反して、90分弱で人生を描ききる手際が見事。これからも変わらす作品を届けてほしいと切に願うところ。
今作では、旧式ラジオから流れるウクライナ侵攻のニュースも。ロシアと国境を接するフィンランドに住む者として、取り上げないわけにはいかないということか。
いつものように出演者は少ないが、みな好演。なかでも、年上の友人役がいい味を出している。ヒロインの相手役は、ちょっとライアン・ゴズリングに似てて、要注目。
それにしても驚いたのは、ミニシアターとはいえ、観客が溢れんばかりだったこと。しかも平日昼間の回だったこともあり、ほとんどがシニア層。皆さん、何に惹かれてこの作品を観に来たのか、大いに気になった。
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