「独特な素朴と独特なユーモアと独特な間」枯れ葉 Yutes79さんの映画レビュー(感想・評価)
独特な素朴と独特なユーモアと独特な間
とにかく余計なものを削ぎ落としたラブストーリー。今時、こんなにシンプルな映画があるなんて。
アキ・カウリスマキ監督作品が見せる素朴の表現と独特のユーモア、そして間。それはもうカウリスマキ節とでも表現するしかないのでしょう。多くを語らない登場人物たちに「なんでこんなに台詞がないの?」と思いますし、その台詞回しは半世紀以上前の映画作品のようです。
ただよくよく考えれば、我々の普段の生活で他の映画のようにベラベラ話す方が珍しいのだとも気付かされ、この作品のような会話こそ、人々の日常を捉えたカウリスマキ監督目線の際たるものと言える気がしてくるから不思議です。
シンプルゆえに美しいようでもあり、一方では物足りなさも感じてしまう、決して「古き良き」を描いているわけではないのですが、それを感じずにはいられない、そんな作品。
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