「幸せはそれぞれ」枯れ葉 かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
幸せはそれぞれ
人物は無機質な感じだが、背景や小物といった周囲はカラフル。
小ネタでくすっと笑わせる。
初デートがゾンビ映画、しかも、ジム・ジャームッシュのあれで、映画館から出てきた訳知り顔の観客のおっさんふたりが、昔の映画を持ち出して格調高く例えちゃって、ゾンビなのに! 「あんなに大量のゾンビがいて警官が勝てるわけ無いじゃん」(うろ覚えですがこんな意味)というアンサの感想に笑った。
映画館のポスターが昔の映画ばかりで、ここは街の名画座だろうか。
テレビもなく、スマホもない。連絡先の交換は、電話番号を手書きのメモの受け渡し。
ファッションからも労働環境からもいつの時代なのか伺えず、唯一分かるのが、ラジオから流れるロシアのウクライナ侵攻のニュース、ゼレンスキー大統領という言葉で、ようやく現代と分かる。
アンサは粉塵が舞う中マスクもせずに働いており、ホラッパの方も似たようなもので労働環境は良くないどころか悪い。ホラッパはその上アル中。ふたりとも短期で転職を繰り返す。いわゆる底辺労働者だが、それでも働いて自力で生活している。友だちもいるしカフェやバーによったり映画を見に行ったりはできる。不満も鬱屈もあるが、そこそこの日常がある。
若くないふたりだが、人生を悟って諦めているわけではなく、人任せでもなく、できる範囲で幸せを探している。
無機質だから人々の内面がわからないけど、よく考えたら人はそんなもので、表情があってもなくても、実は内面はその人本人だけものもで、表したいものだけを外に出す自由が、本人にはあるはず。お互いが相手を分かりたい、分からせたい気持ちが均衡が取れたら結構相性がいいんだと思う。
アンサが引き取った犬が、カラーリングがアンサに似ていて、コーディネートしたみたい。
これもなんかおかしみがある。
チャップリンってなんでかな。ふたりとも昔の映画が好きそうです。
アル中はそう簡単に克服できないようだけど、ふたりの今は、おそらく幸せだと思う。
大して面白いところはないが、味があって好きです。
普段観客が少ない映画館が、席の8割方が埋まっていた。
ここで両隣に人がいるなんて、と面食らいました。
「竹田の子守唄」って、しみじみいい曲ですね。
日本語じゃなくても心にしみしみします。
かばこさん、フォローありがとうございます。レビュー入力その他が不具合立ったのでログアウトしてログインしたところ、二つ目のtalismanが誕生してしまった?ようです。プロフィールの写真を変えましたが同一人物です。お手数おかけします