「カウリスマキの帰還‼️」枯れ葉 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
カウリスマキの帰還‼️
お帰りなさい、カウリスマキ監督‼️6年前の引退宣言があったので、もう新作は見れないと思っていたので、メチャクチャ嬉しかった‼️しかも内容はラブ・ストーリー‼️しかもチョット古風でノスタルジック‼️そしてチョットすれ違い気味‼️加えて全編に映画愛が溢れている‼️仕事をクビになった女性アンサと、アル中気味の作業員の男性ホラッパ。二人はカラオケバーで出会い、互いの名前も知らないまま惹かれ合い、再会の約束をするが・・・‼️電話番号のメモを無くしたり、アル中であることを責められ気まずくなったり、酒を断って会う約束をした矢先に事故にあったり‼️ビミョーに心地良いすれ違い具合ですよね‼️主演の二人も大きなリアクションは無いのですが、微妙な表情の変化で互いのことが気になる心情を表現していて、素晴らしかった‼️そして音楽‼️二人が出会うカラオケバーや、ホラッパが同僚と出かける酒場で流れる音楽‼️クラシックからカラオケ、バンド演奏まで実に多彩で、特に酒場での女の子2人組マウステテュトットの演奏シーン‼️「悲しみに生まれ、失望を身にまとう」という楽曲が耳から離れない‼️サントラ欲しい‼️もしくは彼女たちのCDでもいいから‼️そして、アンサのラジオから流れるロシアのウクライナ侵攻のニュース‼️こんな素敵なラブ・ストーリーが展開されてる一方、現代の社会情勢を批判する姿勢も忘れない‼️サスガ‼️最後に映画愛‼️二人がデートで通う映画館で流れるジム・ジャームッシュ監督の「デッド・ドント・ダイ」‼️なんでこの映画が上映されているのか意味不明なんですが‼️あと映画館に貼ってあるポスター‼️多分今作に多大な影響与えているであろうデヴィッド・リーン監督の名作「逢引き」、ジャン・リュック・ゴダール監督の「気狂いピエロ」、ルキノ・ヴィスコンティ監督の「若者のすべて」、ロベール・ブレッソン監督の「ラルジャン」などなど‼️改めてもう一度観直したくなります‼️そしてホラッパがアンサのために酒断ちを決意、持っていたボトルを二本、洗面所の流しに捨てる‼️その次のカットで青空が広がる演出は、まるで小津安二郎監督作みたいでした‼️そしてアンサが飼っている犬の名前はチャップリン‼️もう言うことありません‼️映画ファンの心を鷲掴み‼️退院したホラッパへのアンサのウインクもホント素敵‼️カウリスマキ監督からの我々映画ファンへのウインクであり、我々映画ファンからカウリスマキ監督へのウインクでもあります‼️カウリスマキ監督、次作も期待してますよ‼️