「人恋しくなる季節、孤独を抱えた男と女」枯れ葉 himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
人恋しくなる季節、孤独を抱えた男と女
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セリフでなく、カメラに喋らせる展開
まるで、絵画のようなショット。
まずは、対象物にカメラをあてる。
しばしの沈黙。
その後にセリフが続く。
このパターンで、物語はながれてゆく。
まるで、ゆったりとした川の流れのように。
沈黙のショットは、まるで行間の想像力をかきたてるように。
計算された表現だろうか。
この連続が、どくとくの映像美と展開を生む。
フィンランドという、極東の私達には、縁遠い世界を見せてくれる。
下層階級に生きる、中年男女
男は、肉体労働者。
高等教育は、受けていないようで。
肉体労働に。
アルコール中毒。
酒なしでは、生きて行けない、仕事中だろうと。
それが原因で、失業したりもする。
本人は、酒をあおるのは、うつのせいだと。
多分本当なのだろな。
起用でもなく、社会の底辺でうごめきながら、なんとか日々を過ごしている。
そんな感じが、伝わってくる。
女は、非正規労働者。
スーパーを些細なことで解雇になったり。
その後は、肉体労働で、つつましく生きる。
生きる歓び
この映画のテーマだろうか。
大げさな言い方だけど。
物語は、至ってシンプルで。
二人共、人生の野望とか無縁にみえる。
そんなことより日々の生活を送ることで、手一杯。
もう、夢を追いかけるには、二人共歳を取りすぎたのか。
そのあたりは、よくわからない。
ただ、ひたむきに生きる二人の姿は、けなげだ。
そう、人生は生きるだけでも大変。
そんな言葉が聞こえてきそうな作品。
そんな二人の恋は実るのだろうか。
映画館でお確かめください。
年末の忙しさ、新年をどう迎えようか。
そんな時期にピッタリの作品。
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