関心領域のレビュー・感想・評価
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箇条書きで書く (徐々にネタバレっぽくなる、警告有り) ・本物の家...
箇条書きで書く
(徐々にネタバレっぽくなる、警告有り)
・本物の家を使って実在の人物ルドルフ・フェルナンド・ヘス(1901〜1947年)とその家族を隠しカメラ風に撮る。
・所長ルドルフは子供の様な声だが奥さんの声は違う。
・鑑賞中「このまま不穏な背景音の中で奥さんの庭自慢で終わったらどうしようか?」と不安になってた。
・カンヌ国際映画祭でグランプリ、アカデミーで国際長編映画賞と音響賞を受賞。
・アカデミー賞の国際長編映画賞受賞の瞬間ザンドラ・ヒュラーが泣いてたのは「あの場所」での撮影がドイツ人として辛かったのだろうか?
・劇中出てくる「カナダ」とは強制終了所のガス室で死亡したユダヤ人の荷物の格納倉庫の事。
↓ネタバレ
・母親に「地元の人よ」と言ってた使用人に「主人に焼いてもらって灰にして撒く」で実はユダヤ人だと気づいた。
・家に残りたい妻の為に所長がアウシュビッツで引き受けた事と、当時の苦悩が後のルドルフの手記に語られてたのか?
・ものすごい煙で凄まじい匂いがしてたのだろう。気づいて耐えれない人が酒の力でも駄目で逃げ出す。
・果物を渡せないので工夫するシーンが『アトランティス』(2019年 ウクライナ映画)とシンクロした。
・今現在進行中の戦争に関心を持ってもらいたいのは間違いない。
・最近映画館で観た、もっとも眠たくなったオープニングだった。この前の『悪は存在しない』よりも。
音や蒸気機関車の水蒸気からリアルに想像が出来るのは『シンドラーのリスト』、『戦場のピアニスト』等のおかげでもある。
沢山あるホロコースト映画やドラマ、本に携われば携わってる方ほど想い描くシーンが出てくるだろう。当事者のユダヤ人の気持ちは計り知れない。
「愛の反対は無関心」とはまさに正鵠
米アカデミー賞にノミネートされた時から
大注目の作品でした。
よく手入れされた美しい庭を持つドイツ人の邸宅は
アウシュビッツ収容所の隣に位置していた。
時折り、銃声の様な音や悲鳴、怒号が聞こえて来る環境。
それにも増して、一日中、ブオ〜〜と言う様な重低音が
何となく家の中でも聞こえて来ている。
時折、空を覆うアウシュビッツからの煙。
川遊びに興じていてもいつの間にかアウシュビッツから
乳白色の汚泥が流れて来る。
そんな環境で、無垢な子供たちは少しずつ何かが蝕まれて行くのに
この家の女主人は、自分が丹精込めた家や庭から離れるのが嫌で
夫が人事異動でアウシュビッツを離れる話をすると
「あなただけ単身赴任すれば〜〜」などとつれない返事。
なんか現代にも通じるよね〜〜。
隣がアウシュビッツ!全くお構い無し!
そんな事、私の知った事じゃない!
その無関心な状態こそが「関心領域」
重い話と覚悟して観に行ったが
そんなにエゲツナイ描写は無い。
でも、ちょっと想像力を働かせれば〜〜〜
映画館で、逃げられない状況でぜひご覧ください。
で、月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
想像力を総動員して観ると
恐ろしい話だと言うのは良くわかる。
映画の中盤、不機嫌な女主人が召使の女性に八つ当たりする。
例えば時代劇とかで女主人叱られて「今晩は晩飯抜きだよ」
と言われても、命までは取らないのだけど
この「関心領域」の家の中で
よく、その言葉が言えるよね!みたいな〜
この家の隣には何があるのか
確実に解っていて、この女主人はノウノウと暮らしている。
コ〜〜〜〜ワ!!
もちろん、解っていないとは思っていないが
この女主人が解っていても、その頭の中には
「人の命」のことなど、かけらも入っていない事を
改めて突き付けて来る。
翻って現実を生きる私。
この世界の理不尽な出来事を知るたびに
自分の懐と相談しながらのささやかにリンゴを置くしか
手を差し伸べられない小さな自分。
この手の映画は、世界を気にして目を向ける人は
何も言われなくとも観に行くのだろうけど
全く関心の無い人にとってはまさに「無関領域」の外!
「愛の反対は無関心である。」 これは
マザー・テレサの言葉といわれている。
どんなに良くできた映画であろうとも、
全く関心の無い人にいかに届けるのか?
結局その課題が残ってしまうんだよね〜〜
因みに今、ウクライナを攻めるロシア。
パレスチナを殲滅しようとするイスラエル。
チベットを凌辱し、台湾をロックオンする中国。
ロヒンギャを良しとしないミャンマー。
また、国レベルでは無くとも女性や子供が
搾取や暴力に怯えて生きている地域が
今、どれほどあるのだろうか〜〜。
みんな助かって欲しいと祈るだけでも
地球が0.0001ミリでも動くと信じたい。
そこは「幸福」や「夢」を掴むとこかあ?
そういう大前提でのボタンの掛け違いがあるから「幸せの団欒」が「不気味」で仕方がない。そんな中、妻の母は多少「心」があったのかも。
仕事というか工場にでも行くように出かけていく主人公一家の父親。子どもたちも何かを見ないようにしてるとか我慢してるとかじゃない。それが当たり前になってるんだよね。
本当にこれが収容所の隣でなければ、平凡なファミリーの日常なんだけどなあ。
BGMがほとんどないのは映画としての効果はある。それはエンドロールも含めて。
ラストらへんの清掃の場面。あそこだけ現代なんだよね。それも何かのメタファーになってるのかもだけど、考えるのが少し怖い。父親病気なの?でもそれを考察するのが怖い。
強烈なインパクトを与えた問題作という点では★5であるのは間違いない。収容所内をまったく見せないのに気になって仕方がないというのも制作側の手腕だよね。
誰でも言いそうな感想は言いたくないな。多分そんなちゃちなものではないと思うんで
愛の反対
得体の知れない反響と、ほんの些細な家族の営みの描写が怖い。
時間が飛んで「施設」を清掃する人々を追っているところが印象的。
それら管理していく人しかり、この作品しかり、こうして歴史は
継承されていくのでしょうか。
自分にもどこか身につまされるところがあった。
暗澹たる気持ちしか残らない映画
私の住む街に小学校と動物保護センターが隣同士に並んで建っている場所がある。
その、保護センターでは犬や猫など動物の殺処分も行っている。
大多数の子供(隣の学校に通う小学生)はそのことを知らされていないだろうが、授業を受けている時や友達と遊んでいる時に、子供たちのすぐ近くで、動物たちの命が奪われているという事実がある。
もちろん、動物の命と人の命を同列に論じることは正しくないのだろうし、哲学的な小難しい話になってしまうのだが、その子供たちは(子供たちが事実を知れば、ショックを受けることがわかっている大人たちを含めて)『無知のヴェール』に守られてるから、普通の生活をおくれるんだよね。
ただ、これは自分たちの生活圏内で起こっていることでも、日本から遠く離れたウクライナやイスラエルで起こっていることでも同じこと。
人や動物を不幸から救いだすことより、自分たちの平穏な暮らしを優先してしまうのが人間だからね。
自分の私財や命を投げうってでも人や動物を助けようとする人をヒーロー扱いするのはそういうことだよね。
さて、前置きが長くなってしまったが、映画の話。
第二次世界大戦のさなか、ユダヤ人の大量虐殺が行われているドイツの非日常の中の日常を描いた映画。
アウシュビッツでユダヤ人が大勢殺されているのに、その近くで幸せそうに暮らす家族の様子を描いたお話。
第二次世界大戦から約80年。
こうした事実(アウシュビッツなどでのユダヤ人大量虐殺)を文字でしか知らない人も多いだろうから、映像に起こすことは一定の意味はあるんだろうが、目新しさが皆無のため、ある程度の年齢の人たちには、擦られまくった題材を繰り返しているだけにしか思えないかもしれない。
まぁ、ドイツは戦争に負けて、侵攻して来たソビエト軍などに(一般人も含めて)めちゃくちゃにされるからな。
因果応報というか、結果的に『ホロコーストは自分たちとは関係ない』では済まされなかったんだよね。
個人的にはそこまで描いてワンセットではないかと感じた。
普段は優しいお父さんが平然と捕虜移送の話をするシーンやラストの殺されたユダヤ人たちの履いていただろう、大量の靴には多少、ゾッとさせられるところもあったが、ドイツ人たちが殺したとされているユダヤ人の数はあんなものじゃないからね。
ちょっとリアルには感じられなかったな。
映画自体はとても地味で、ハッキリ言って退屈。
まぁ、題材が題材だけに仕方の無いところはあるにしても、映画はエンターテインメントだからね。
観客はお金を支払って楽しむために映画館に行くもの。
観客を楽しませることを放棄して、自分(監督)の撮りたい内容を一方的に押し付けるのは自己満足映画としか言いようがない。
淡々と事実だけを流して、解釈は観客に丸投げってスタイルもどうかと思う。
難しい題材だけに下手に監督の主観を入れれば、確実に否定的な意見が出るだろうからな。そこから逃げた感もある。
観ていてまったく楽しくないし、暗澹たる気持ちを抱えて映画館を出ることになるだけ。
個人的には誰かにおすすめすることは120%有り得ないほど、何がしたいのかわからない映画だった。
ただ家族の幸せを守りたい一心。
冒頭は素晴らしいと思いました。常に、呻き声や叫び声、銃声、怒号、狂気の旋律の上で、ただ家族の幸せだけを夢見た市井の家族の姿が映し出されます。最後までその方針を貫いて欲しかった。また、主人公の母や、息子は薄々勘づいていく描写もあり、決して無関心を強調している映画ではないとも感じました。後半からは監督が変わったかのように、よくあるシーンが続きます。そして最終的に、真実より勝るものはないわけで、それら遺物を映し出すのは、映画表現として、放棄に近いものを感じ、憤りを覚えました。エンディングロールも、シュニトケを二番煎じしたような楽曲でさらにがっかり。申し訳ありませんが、おすすめ出来ません。
まさか観終わった後に震えがくるとは!
ドキュメンタリーのように淡々と話が進んでいくのですが、なぜか映画にどんどん没頭していくようで、一度も集中力が途切れることはありませんでした。この映画で普通の健康状態の人間なら寝ることはないと思います。
最後の場面で、ルドルフは2回程吐き気をもよおす場面が撮し出されます。ルドルフに何か異変を感じ、只事でないと感じました。
その後に写し出されるアウシュヴィッツ強制収容所のような施設に無数の靴に何かを感じました。
無関心で当たり前のようにホロコーストをしている恐怖とルドルフに起きた異変の恐怖に、なぜか鑑賞後震えがきました。やはり、映画の出来が良いからだと思います。
関心とは何だろう
映像と音がとてもかみ合わず心がざわつきました。
奥さんの理想の生活を手に入れたと話すのが一番怖かった。
はたから見ていると、何の犠牲の上で成り立っている生活なのかが
想像できるだけにとても怖かった。
非常に心に残る作品。
無関心家族。
アウシュヴィッツ収容所施設の塀一枚隣に住む家族の話。
収容所から聞こえる罵声や悲鳴が聞こえるなか、収容所の所長でもあるルドルフ家族の日常を描く。
本作の予告で目にした恐怖、ホラー的な要素は正直感じなかったけど、収容所の隣で何も気にせずに普通に暮らしてる事、慣れてしまってるって事が恐怖!?って事なのかな。
この手の作品、歴史好き、アウシュヴィッツ収容所に詳しい方には刺さるのかもだけど、私には本作の良さは分からなかった。
ラストの転属先の長い暗い廊下で見た「そうじをしてる女性達の光景」は未來が見えた的な?あえて恐怖、ホラーを感じたのは使用されたBGMと何かを唱えてるようなエンドロールだけだった。
あとセピア色に変わって、夜の闇で果物持った彼女は何してたの?
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