関心領域のレビュー・感想・評価
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平和に生きていると
…と言う感じがしました
壁を隔てて地獄と天国のような
天国に住んでいる人たちには
地獄が見えない
隣から銃声の音やわめき声などは
時おりというか毎日聞こえてくるのに
まったく関心を示さない
特に妻のヘスは
夫よりもいまの暮らしが
大切であの家からはどんな事が
あっても離れないだろうなと思った
ほぼこちら側の日常を描いて
あちら側のアウシュビッツ
は銃声の音や人の叫び声
で煙突から白い煙が立ち上がる
以外は収容所中の映像はない
想像するのみ
はたして
その映像を見ている私たちは…
ロシア、ウクライナの戦争にしても
戦争が始まった三年前といまの状況は
戦争が続いているにも関わらず
メディアが取り扱われなくなって
"関心"が薄れてしまう
現状を知らない見ない事もあり
いつしか"対岸の火事"しつつある
関心から抜け落ちていく
映画としてはどうなのか
叫び声といつも通りの生活。
無関心…
家の隣はアウシュビッツ収容所。収容所の中のシーンは一切ないが、銃声や叫び声、泣き声、不穏な音が鳴り響き、死体を焼いたであろう煙が煙突から出ている。柵を隔てたこちら側はプール付き庭の大豪邸。庭には花が咲き誇り、誰もが憧れる幸せがそこにある。まるで天国と地獄。地獄の近くで平然と暮らせるのが恐ろしい。しかし、これは現代のウクライナやパレスチナの惨状をメディアで知りつつも、遠い国の話と無関心な我々に批判することはできないだろうと思える作品だった。
無関心なのは一家だけなのか
アマプラ配信始まったので早速視聴。淡々と過ぎていくので注意を払って観ないと何にも気付かず終わる。音響の良い状態で観ないとこの映画の意義は半減しちゃう。ちゃんと映画館で集中して観るべきだったな。
何気ない日常にチラ見えする狂気に胸糞悪くなる。そういえば劇中にちらっと出てきたアイヒマンも至って普通の官僚的な人間だったような。嬉々として荷物扱いして焼却炉の性能の良さを語ってたけど実際の収容所の焼却炉を作ったのはパン窯を作るメーカーだったっけ。会話に出てきたシーメンスやほかの企業が収容所近くにできたのも労働力目あてだからか。人間とは抗えない強大な力と大義名分があれば非人道的なこともできてしまう生き物なのだろうか。吐き気がするけどこの一家だけが特別に醜悪なわけじゃないように思う。
最後に挟み込まれた現代パートが衝撃だった。今は博物館になっている収容所を淡々と清掃する職員。さらにその博物館を物珍しさで"観光"する私たちは正しい人間なのか。ウクライナやガザ、ミャンマー、その他紛争地域のことをテレビやネットを通して知っているのに無関心でいるなら、壁一枚向こうのことを知ってて無関心だったこの一家と何も変わらないよと言われた気がする。
構図の清潔さ。ごくありふれた日常生活。
全編とても落ち着いた色調で整然と進んでいく。緑と白。描かれているのはある家庭の話。真面目で家族を愛する優しい父親、家庭のことにしか頭がいかない母親。お手伝いさんがいる裕福で円満な生活が淡々と1ショット1ショット調和が取れた規則正しい構図で紡がれていく。ここはアウシュビッツの隣で、父親は収監所の将校。隣の敷地で何十人ものユダヤ人が日々殺されていく。どういう気持ちで観ればいいかとても悩ましいが、言えることは映画の登場人物たちは異常ではなく、私たちと地続きのごく普通の価値観を持つ真っ当な人間だということ。みんな真面目に「ユダヤ人は人間じゃない」と思って真面目な仕事として人を殺してるのだ。
私たちは目撃した
集中力が必要
想像力を発揮するということ
映らないが確かにそこにある何か
音響賞は伊達じゃない
アウシュビッツ強制収容所の所長ルドルフ・ヘス家族の日常を描く物語。
アカデミー賞国際長編映画賞・音響賞を受賞した佳作。
物語は、本当に日常生活を中心に淡々と描きます。豊かな自然、暖かい家族、ヘスの妻が拘る理想の生活・・・ただ、その生活の描きながら合間々々に銃声や悲鳴、怒声が漏れ聞こえてきて、その音との対比が人間の残酷さと不気味さを際立たせます。
映画としての面白みには欠けますが、映画としての完成度の高い作品だと思います。
私的評価は、4にしました。
凄すぎる映画体験
レビューが消されてた!?
無関心妻
1943年、ナチスドイツの将校で収容所所長のルドルフ・ヘス。家政婦を雇い、妻ヘートヴィヒと子供五人とともに豊かで平穏な日々を過ごしていた。収容所と家とは、塀を隔ててあった。
物語は、何も知らないと全く面白みがありません。子供が見ている歯や妻が選んでいる服は、ユダヤ人から奪ったもの。川に流れてくるものや庭園の肥料として撒かれているのは、遺灰だろうか。夜も四六時中煙突から出る煙は、焼却され続ける死体のため。暗視野のシーンがよくわからなかったけど、家政婦がこっそりやった行動とのこと。現場にいるルドルフはストレスで疲弊しているが、今の環境に満足している妻が恐ろしい。妻の母は、逃げだしたのに。ラストの現代に資料として、大量の遺品が展示されていて声が出ました
制作にドイツが参加していないのは、右傾化する懸念への警告なのか。
見終わった後も、耳の奥で鳴り響く音
身の回りや世界で起きていることに対する自分の「関心領域」について、問いかけられる作品なのだが、衝撃的な映像が日々流れてくる中にあるためか、今作で描かれている映像を観ても、それほどまでには心が動かない自分に、軽くショックを受けた。
Wikipediaをみると、主人公のヘスは以下のようなことを語っているようだ。
「世人は冷然として私の中に血に飢えた獣、残虐なサディスト、大量虐殺者を見ようとするだろう。けだし(蓋し=思うに)大衆にとってアウシュヴィッツ司令官はそのような者としてしか想像されないからだ。彼らは決して理解しないだろう。その男もまた、心を持つ一人の人間だったということを。彼もまた悪人ではなかったということを。」
『アウシュヴィッツ収容所:所長ルドルフ・ヘスの告白遺録』179頁
映画は、全くこの通りに、忠実に描かれていたと思う。「悪人ではなかった」かどうかは、見解が分かれるかもしれないが、少なくとも自分の中にも、ヘスと同様のものが存在しているのは間違いない。
見終わった今も、耳の奥で、映画から聴こえてきた様々な音が鳴り続けているような気持ち。
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