関心領域のレビュー・感想・評価
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音で訴える戦争の恐怖!アウシュヴィッツ強制収容所 初代所長の話。
人は見掛けの第一印象で決まるって言うけども
人ってパッと見ただけでは判らんよね。そう思ったわ。
今日は「関心領域」の鑑賞です。
まぁ、この映画。開始早々いきなりブラック画面で音だけ鳴ってて、
ちょっとぉ(=_=) スタッフ~ 上映トラブルじゃんwって マジで言いそうに鳴ったんだわさ~。
なんだ このホームム-ビ-的な展開は?
音だけ随分と喧しくって・・・暴走族?喧嘩?抗争? 時折”パン”って鳴ってる。
テッキリ言葉は英語じゃないけど NYの街並の音なのかと 思ってた位。
やがて・・・この豪邸的な家が 誰の家で、そして どこに建てられているかが判ってくる。 ココに住む家族って 誰なのかが判ってくるとき
観ている側は ゾッとするだろう。きっと。
そう この如何にも堅物で真面目そうで 一見優しそう、でも 何処となく心が無くて、気が弱そうで、そして冷酷!!
そう、初代 アウシュヴィッツ強制収容所の所長となる男と その家族である。
邸宅は 驚きの強制収容所の隣に建っているのだ。
そういや 向こう側に監視塔が見えてるな。なんちゅうロケ-ション。
職場まで徒歩1分の物件ってか。
監視体制に不備があっては成らんし、スグに対処指揮も要るだろう。
上官たる者、危機意識から 近くに住むのが適切。 そんな考えなのだろうか。
窓の白いカ-テンの 遠い向こうに壁があって、その壁の向こうに 高いレンガ屋根が見える。 強制収容所なのだな。 オイオイって思うわさ。
それで ずっと聞こえてくる雑音の正体が何かが判明。
リアルな音入れには 流石と思うけど、ゾッとする思いの方が強い。
アカデミ-賞で国際長編映画賞・音響賞を受賞しているのも頷けるね。
(MC)
ルドルフ・ヘス (監視所長)役:クリスティアン・フリーデルさん
ヘートヴィヒ・ヘス(妻)役:ザンドラ・ヒュラーさん
この戦争の最中で、この住まい豪邸に驚く訪問者。
食べ物を収容所の人々が強制労働中に見つけられる様に
あちこちに隠す娘の勇気ある行動に胸を打ちます。
この場面は特に強調した色合いで描かれていて その点がgood。
それに比べ、夫の転勤命令に、この邸宅から絶対引っ越したくない妻。
この ”私は悪くは無いんだもーん”的な意識が見え隠れしてきて腹立たしい思い。
川で人の死骸の一部?が釣り糸にかかり、急いで子供達を船に上げ
帰宅後 必死に全身を洗い清める家族達。
川にガス室で使われているチクロンでも汚染していたのだろうか。
この場面は怖い物を感じるわ。
最後に主が階段部で嘔吐く場面があって、この時 現在の収容所実態を残している保管施設展示場がダブって入ってたと思う。
もうちょっと 色調を変えないと分かりずれ-よと感じた次第。
私的には色々と勉強にな成りましたね。
ご興味ある方は
劇場へ どうぞ!
静かな恐怖
これは
無関心はいづれ己に返る
*ある画家の数奇な運命
*ヒトラーのための虐殺会議
この2つを観るとすぐ理解できる
アウシュビッツの施設の隣に居を構える家族の幸せな暮らし
同居に呼び寄せた祖母が逃げだす
洗面所で吐き出した灰等恐ろしいシーンがある
淡々と対応するが、突き出した銃はいづれ味方へと向かうのだ
気を付けてほしい
駄作of駄作
不思議な映画だった
製作者の意図としてはある家族が幸せな生活を送る裏で戦争中の暗い影が同時進行しているという感じのストーリー
オープニングから変わっていて、映画館に異常が発生したかと思った
重かった……
あらすじ
栄転したために、かぞくと離れ単身赴任していたルドルフは、ある大きなプロジェクトを任され、その結果家族と再びともに暮らせることとなり、喜びのあまり深夜にもかかわらず妻に電話をするのであった
感想
もう、あらすじ通りのお話。重かった
映画をあまり見ない人が話題になっているからといって、見に行くと痛い目にあうので注意してください。何も起こらないのに重苦しい感じがずっとする映画ですので
人間って恐ろしい
ずっと流れる重低音。
境界線は無い
無関心の悪魔から誕生したもう一つ悪魔と言えば良い
1.女の主人公は自然な姿で傭人に服を選ばせる。それらの服は全部ユダヤ人のラーゲルからもらった服だ。
2.女の主人公は一人で部屋に着てみる値段高い服もユダヤ人のラーゲルからもらって昔買えない服そうだ。中の口紅も奪った。軍官も奪われたお金を数えるシーンがある。つまり、戦争から立場や階級が変わってしまった。
3.ナチスの軍官達はラーゲルの焼却炉の効率的に上がる方法について話し合うシーンで、唯建築の改良のような感じが有り、そういう人の命の無関心は本当に悪魔みたい。会議室のシーンも同じ感じがある。
4.軍官は自分の家族の家が楽園の様に作ったがラーゲルの方は地獄みたいに煙が出る。そしてユダヤ人を殺害するシーンは具体的に描いてないがその悲鳴と軍官の無関心に比べると恐ろしかった。更に、ラーゲルと楽園の中の植物に分けられてその二つ世界がもっと具体的に感じさせた。骨灰を餌として撒くのも恐ろしかった。
5.軍官と自分の子供が遊んでいるシーンでユダヤ人の骨が見つけた。そして逃げて汚い物の様で繰り返して洗っていた。ユダヤ人の殺害はハキハキな状態のだ。傭人に叱れる時も「君の旦那の骨灰を田野に撒く」という様なセリフを言った。つまり、自分の旦那の仕事がわからないはずがない。
6.女の主人公の母からお見合いのシーンで最初は自慢する状態だが、その煙や人の悲鳴で一人で離れた。手紙で何が書いたか撮ってないけど内容は大体わかる。主人公の花も冷然で主人公みたいな無関心だと思う。
7.主人公の子供達がラーゲルの様な毒気がある部屋に囲まれることを真似して、親の無関心も子供達に影響された。
最後のシーンは一番良いと思って軍官は良知を回復する解説もあるが私は彼がもう自分の間違い信仰心に落ち込むと思う。
間違い道に行き続けるのは今のユダヤ人の深刻な問題に過ぎない。イスラエルも被害者から道を思考せずに加害者の様な無意味な戦争することではないでしょうか。
映画は良い映画だが、今の立場から連想すると共感できなくなってしまった。
音とさりげない映像で想像できる大犯罪
説明が少ないので、ある程度基礎知識が必要と聞いていたが、主人公が親衛隊の制服を着ており、豪邸に隣接する壁の向こうからは絶えず銃声や悲鳴が聞こえて煙突からはモクモクと煙が立ち上り、しばらくするとアウシュビッツの単語も出てくるので、ナチス強制収容所所長の家族の映画ということは、まあ誰でも分かると思う。
所長の名前があのルドルフ・ヘスというから、架空の人物かと思ったら、たまたま同名で実在の人物だったとは知らんかった。実際、かなり綿密な調査に基づいて制作されたらしいです。
劇中に出てくる「カナダ」の意味がわからなかったが、ユダヤ人から強奪した物品をドイツ人に配布すべく仕分けしていた部隊名がカナダと呼ばれていたのも見終わってから知った。
引きの映像で家族の暮らしぶりや官僚的な仕事ぶりを淡々と描きつつ、当然のように強奪品を品定めしたり、焼却した遺灰を肥料にしたり、たまにゲっとする描写が放り込まれる。
しかし、直接描写はなくて、不気味な音響とちょっとした映像でほのめかされるので、大音量の映画館で体感してほしいですね。
イメージしてしまう自分が怖い
兵隊なんで、命令だから仕方ない。
しかし、家族はどう思ったか
しかも戦後 主人公は、死刑になったらしいが
あの赤ちゃんや奥さんは?
真面目なドイツ人なんだろね。
ちゃんと拭き拭きしてたのが
笑うわ!
アンダースキンの音楽ぽいのが不気味だ!
観客の関心領域
私見ですが、少し前に見た『悪は存在しない』も同じで、本作もある意味“実験映画”だと思いました。
では、何を実験したのか?という事ですが、本作の時代から80年以上経過した今の時代の人々が、本作に対してどのような反応(関心)を示すのかという事が、作り手にとってはまず第一の関心事であったように思えます。
そしてまた自論ですが、実験映画というのは鑑賞後に観客が、面白い面白くないとか、共感したしないとか、感動したしないとか、それらの感想は作り手にとってはあまり重要ではなく、提供した映像に対して興味(関心)を持てたか持てなかったのかが一番重要な関心事の様な気がします。
本作のタイトルの“関心領域”の意味が最初分らなくて、タイトルと予告を見た限りは物語の主人公(家族)に対しての言葉だと思い込んで見始めたのですが、あの一家が収容所の所長の家族であるのだから一番の当事者であって、当事者対してに関心が有る無しなどの問いかけなど無意味だし、冷静に考えると彼等に使うべき表現である筈がないのです。
そして鑑賞者の色々なレビューを読んでも、彼ら一家の善悪に対する関心だと解釈している人が多くいるのに驚きました。だとしたらこのタイトル自体が観客を完全にミスリードしている様にも思えます。
そして、あの定点(防犯)カメラの様なズームアップもなく彼ら家族を覗き見ている(若しくは神視点)映像は、まさに観客に対しての“関心領域”を測る為の視点なのだと捉えることで私は本作を理解しました。
なので、レビューで単純に本作をつまらないとか退屈だとか意味分らんなどいう発言を、冷静に統計的に関心度を眺めている人がいるのだろうと思います。
本作の場合、既に審判が下された歴史的な出来事であっても、ある側面だけを見せられると事の善悪など忘れてしまい、もっと目の前にある家族の日常の出来事だけに目を奪われてしまい、それぞれの(観客の)個人的関心領域でしかこの作品を捉えられず、収容所との壁と同様に80年という時の壁が本質を見えなくするという事を、観客の反応で確かめられていた様な気がする。
あと細かな疑問は省き、何点か特に意味が分からなかった部分を箇条書きにしておくと
・ヘンゼルとグレーテルの話とその時のネガ映像部分の寓意的な意味
・主人公の母親の失踪の意味
・ラストの主人公の嘔吐の意味
想像力が試される
実在の人物、ルドルフ・フェルディナント・ヘスを描いたお話
描かれるのは裕福で幸福な家庭
広い家、広い庭、使用人も庭師も何人もいる何不自由のない暮らし
一家を支える父は部下たちからも誕生日を祝われるほど慕われ、
家にいる間でも電話で仕事をこなし、上司からも信頼の厚い真面目で勤勉で優秀な男
予期せぬ昇進で転任となり、今いる家を離れたくない妻との少々の口論を経て単身赴任をすることになり……という、まぁ現代にも通じるようなよくある家庭のお話
問題は、その豪邸からたったの壁一枚挟んだだけのお隣こそが、かのアウシュビッツ収容所であり、
ルドルフの立場がそこの所長であるという、
たったそれだけでもあり、それこそが世紀の大問題であるという事
本作中では、アウシュビッツの中での惨状については直接的には全く描かれない
それでも、その隣で幸福な生活を送っている家族の光景に重なって聞こえてくる声、銃声、何かを運んでくる汽車の煙、煙突から登る煙、川に流されてくるもの……
そしてラスト、ちょっと唐突に出てくる現在のアウシュビッツの様子と、そこに収蔵された山のような靴、カバン、義足や補助具、写真たち……
それらが何であるか、それを想像することが出来る観客は途轍もない空恐ろしさに見舞われる
出来ない観客にとっては正直ただただ退屈な一つの家族の起伏のない生活が描かれるだけ……という落差
徹頭徹尾、試されているのは観客が持つ予備知識と想像力。そういう映画です
経験したことの無い映画体験。
無関心の未来
アウシュビッツ収容所の所長ヘスは、あまりにも有名な人物なので、名前ぐらいは知っていたけれど、この映画で本当に恐ろしかったのは、彼の奥さんでした。
家の横で、ユダヤ人が虐待され昼夜問わず焼かれているのに、壁一つ隔てた家を楽園と呼び、子供を育てるのに理想の環境と言う彼女は、もはや異常としか見えませんでした。
でも、それはユダヤ人を人ではなく「何か動く物体」程度にしか認識しておらず、存在そのものを無視しているからだと思いました。
映画の収容所のユダヤ人は一切映りませんが、昼夜問わず響く「音」が、中の状況を雄弁に物語ります。
初めはもしかしたら、彼女や彼女の子どもたちも、その「音」に恐怖していたのかもしれません。
そして、そこに住むためにはその「音」を無視しないと、普通の神経では住むことが出来なかったんだと思います。
慣れや無視することは、しばしば自分を守るために大事なことかもしれませんが、本当にそれで良いのか?と言うことを、問い掛ける映画だと思いました。
この映画では、家族の中で唯一、ヘスだけが収容所内でのことを目で見ているのですが、映画の最後、収容所に戻ると分かった後に、吐き気を催すシーンが印象的でした。
因果報応と言うのが合ってるのかどうか分かりませんが、もしかしたら奥さんがアウシュビッツを気に入らなければ、戦後ヘスの人生も変わっていたかもしれません。
もしかしたら、奥さんの無関心がヘスを戦争犯罪者にしたのかもしれません。
私達は、この時代より、簡単に世界で起こっていることを知れるようになりました。
遠い何処かで起こっている戦争も映像で簡単に見れるし、知ることもできます。
遠い所で起こっていることを関係ないとするのか、関心を持って知ろうとするのか、そして行動に移すかで、未来が変わるのかもしれないということを、映画の最後に思いました。
林檎殺人事件
【ユダヤ系イギリス人のジョナサン・グレイザー監督がアウシュビッツ収容所のホロコーストを”不穏なる音響”で描き、且つ、壁の外側の”裕福な”ドイツ人家族の関心ある事しか見ない心の闇を描いた作品。】
<感想>
・オープニング、不穏な音が響く中暗闇が続くが突然、晴れやかな空の下、子沢山の家族が川べりでピクニックをしている風景が映される。平和な風景である。
・その後、家族の父はナチス親衛隊(SS)の制服を着て家を出て仕事に行く。
ー 家族や、彼の部下たちの会話を聞いていると、その父親がルドルフ・ヘス(クリスティアン・フリーデル)であることが分かって来る。
ご存じのように、アウシュビッツ収容所所長で、戦後絞首刑に処された男である。-
・今作では、アウシュビッツ収容所内は描かれない。収容所と接したルドルフ・ヘスの瀟洒な家の中で暮らす彼の妻ヘートヴィヒ(ザンドラ・ヒュラー:「落下の解剖学」に続き、印象的な演技で愚かしき妻を演じている。)を始めとした家族や家政婦たちの姿が描かれる。
・ヘートヴィヒは自分の理想とする生活を手に入れた満足感で、家政婦から差し出された明らかにユダヤ人の女性のモノと思われる毛皮のコートを身に纏い、満足気である。
更には、同じくドイツ人の女性がユダヤ人の歯磨き粉の中から見つけた指輪を自慢げに見せ、子供はユダヤ人と思われる歯で遊んでいる・・。
ー 家の壁の外からは、パンパンと乾いた銃声や怒声、犬の鳴き声、叫び声が聞こえて来るのに彼女の耳には入らないらしい。そして、壁の向こうに立つ煙突からはもうもうと煙が出ている。関心のある事しか見ないヘートヴィヒや彼女の友人、子供達の姿が恐ろしい。-
・ヘートヴィヒの母がやって来て、娘の住まいを見て驚き賞賛するが、彼女は夜でも響く焼却炉の腹に沁みる不気味な音と、業火の如く炎を上げる煙突を見て夜中に姿を消すのである。
ー そして、ヘートヴィヒは母が残した手紙を読んだ後、怒りながらポーランド人と思われる家政婦たちに怒鳴り散らすのである。-
■劇中、2度、少女がユダヤ人たちの労働場と思われる所で、土に林檎を埋めたりする姿が暗視カメラで映される。
非常に印象的なシーンである。
・ヘートヴィヒはルドルフから転属を告げられるが、彼女は”漸く理想の生活を手に入れた”と言う考えの元、共について行く事を拒む。それを容認するルドルフ。
・子供達と川遊びに来たルドルフだが、川の中で煙突から出た灰と共に運ばれたと思われる骨を見つけ、慌てて子供達を川の中から出し舟に乗せるシーンも、冒頭のシーンとの対比が印象的である。
<再後半、ルドルフは転属先で精力的に会議を進行させるが、その後建物の階段を降りていく際に2度、吐瀉する。彼の心に何か小波が起きたのだろうか、終戦間際になっての自身の行く末を考えたのか、良心の呵責が初めて身体の反応として出たのか・・。
そして、突然、画はアウシュビッツ=ビルケナイ博物館と思われる通路の両側にガラスを隔てて山のように積まれた無数のボロボロの靴が映し出されるのである。
今作は、ユダヤ系イギリス人のジョナサン・グレイザー監督が、関心のある事しか見ないルドルフ・ヘス及び妻ヘートヴィヒを始めとした全体主義に侵された人々の心の闇を描いた作品なのである。>
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