「無関心なのは一家だけなのか」関心領域 あきさんの映画レビュー(感想・評価)
無関心なのは一家だけなのか
クリックして本文を読む
アマプラ配信始まったので早速視聴。淡々と過ぎていくので注意を払って観ないと何にも気付かず終わる。音響の良い状態で観ないとこの映画の意義は半減しちゃう。ちゃんと映画館で集中して観るべきだったな。
何気ない日常にチラ見えする狂気に胸糞悪くなる。そういえば劇中にちらっと出てきたアイヒマンも至って普通の官僚的な人間だったような。嬉々として荷物扱いして焼却炉の性能の良さを語ってたけど実際の収容所の焼却炉を作ったのはパン窯を作るメーカーだったっけ。会話に出てきたシーメンスやほかの企業が収容所近くにできたのも労働力目あてだからか。人間とは抗えない強大な力と大義名分があれば非人道的なこともできてしまう生き物なのだろうか。吐き気がするけどこの一家だけが特別に醜悪なわけじゃないように思う。
最後に挟み込まれた現代パートが衝撃だった。今は博物館になっている収容所を淡々と清掃する職員。さらにその博物館を物珍しさで"観光"する私たちは正しい人間なのか。ウクライナやガザ、ミャンマー、その他紛争地域のことをテレビやネットを通して知っているのに無関心でいるなら、壁一枚向こうのことを知ってて無関心だったこの一家と何も変わらないよと言われた気がする。
コメントする