「鑑賞者への問いかけ」関心領域 マルマルさんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞者への問いかけ
「関心領域」という言葉のタイトルだけで妙に感情に引っかかっていた。
見たいものだけみる。見たくないものは無視する。自分の都合の良いように生きる。自分だけが痛くも寒くもなければそれで良い。隣で苦しんでもがいている人がいようとも。
サンドラ・ヒュラーの笑い声が不気味で怖かった。そして見事でした。人は状況によって、どこまでも残酷で酷い事を綺麗な顔してできるのですね。
でも子供達はそれを見抜いている。今後の彼等の人生にどのように影響していくのか…
それでも真夜中にりんごを作業場に埋めていた少女の必死な姿があった。危険を犯してまで塀の中の人を救いたいと行動している少女。
さて、あなたはどっちだ。と作品に問われているようで苦しかった。関心と無関心を隔てている高い壁は自分事でどれだけ考えられるか、覚悟の差だと思う。胸が痛い映画でした。
コメントする