「境界型の鉄槌」関心領域 berkeleyさんの映画レビュー(感想・評価)
境界型の鉄槌
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The Zone of Interest
展開が少ない映画だと聞いていたが(とんでもない)、作中では無数の「重要な」ことが起こっている。子供の成長、夜泣きの過酷さ、母は生活ぶりを見に来る、家族の大黒柱は栄転したが、家族は着いて来ずに体良く一人で追い払われている、そして出先において更なる昇進をして暗黒に沈む。
ヘートヴィヒが家を離れたくないのは
姉妹にお揃いの服を仕立てたように
一から時間をかけて設計し作り上げた庭、教育環境、そして周囲との関係性があるから、だけではない。壁の向こうの音は最早聞こえないものではない、むしろ常に耳の中に響き自分の優位性を再認識させてくれる。
無理やりボートに乗せられて泣き出す子供に人間の文化を感じる。しかし文化は、それぞれを大切にするどころか、まるで相手から奪い取るべきものと、宣言をしている。
人間味を残したサーモグラフィー、しかし自分の生活を捨てる気はない。
今となっては、ホロコーストを、「歴史」として扱うことを自然の摂理としている。
今も展示も壁と隔てて、内側を綺麗にしているだろう。
興味は展示としての関心領域に移っているだろう。
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