「私達は本当の意味でこの映画を観られるのか?」関心領域 作務衣もんさんの映画レビュー(感想・評価)
私達は本当の意味でこの映画を観られるのか?
私達は当事者意識を持って今作を観れるだろうか?
個人的にはそれは相当高いハードルだと感じた
大戦終了から約80年。戦争の実体験もなく民族差別もほぼなく、日本人のほとんどは平和な生活を送り続けられている
もちろん大きな目線の話で個人単位では色々な問題や苦悩はある
今作はそんな私達を対象に作られたかのように、卓越したアイデアと演出で語りかけてくる
アウシュビッツ収容所と塀一枚挟んだ所長家族のホームドラマ
彼らはプールつきの美しい庭つき一軒家で、家庭内の色々な問題に悩まされながら暮らしている
特に異動命令が出た際に「せっかく住みやすい家になったのに引っ越したくない!」と夫婦が揉めるシーンは”作中イチの山場”だろう
これらが十分に伝わってなお舞台が外国であることで距離を取っている自分に気がついてしまった
同時にふと考える
私達は敗戦国としての被害者目線の作品にばかり触れてしまっていないだろうか?
作り手も観客も加害者としての歴史に目を背けていてはいけない
当事者意識とはそこまでを含むのでは、と私は感じた
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