「NHKG 大河ドラマの人物像や展開とは違って、首の斬られ方、欲しがる人、扱われ方がみせ場」首 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
NHKG 大河ドラマの人物像や展開とは違って、首の斬られ方、欲しがる人、扱われ方がみせ場
冒頭で、横たわる死体の頭を斬られた首の断面から海老蟹が鋏を突き出し、織田信長に反乱を起こした荒木村重の一族や備中高松城主の清水宗治が斬首される場面で、直前まで動いたり話したりしながら、一瞬で首が飛び、血飛沫が上がったり、矢の飛ぶ速さが凄かった。合戦場面も大掛かりである。現在放映中の NHKG 大河ドラマとは、人物像や展開がかなり違った感じである。荒木村重の出番が長く、「役不足」の台詞にも引っ掛かり、明智光秀と織田信長との痴情関係の縺れが描かれたり、織田信長の死を明智光秀だけでなく、羽柴秀吉も徳川家康も望んでいて、羽柴秀吉が明智光秀の動きをつかみながら内緒にしたり、織田信長が徳川家康を暗殺しようとして度々失敗したりする様子が描かれたりしていた。織田信長が意外な人物から首を奪われることになり、しぶとく感じられた曽呂利新左衛門、難波茂助、般若の佐兵衛も結末まで生き延びることは叶わなかった。気高く生きた明智光秀の首は、浅ましく手柄を欲しがり続けた難波茂助の首と並べられ、検分もろくになされず、粗末に始末されてしまい、とても哀れであった。能楽は監修付であり、みごとである。エンドクレジットで、ホーキング青山氏の名前をみつけ、どの役だったか考えてみると、特殊メイクで動きの少ない人物だったことに思い到った。