「不完全燃焼の男たちの腐っていく性(さが)」花腐し Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
不完全燃焼の男たちの腐っていく性(さが)
夢を追っても、それを実現できる才能や根気に欠け、そのうち自分は何しているんだっけと自信も失って、ますます才能を枯渇させていく人は多く、どこかで平凡なところで妥協して生きていく人が、ほとんどではないか。この諦めも着かぬ人は腐っていくが、その腐敗から逃げた平凡な私たちは、実際どこまで腐っていくか、覗いてみたい気もする。それを見せてくれる映画かもしれないが、自分が腐るだけでなく、他の人も道連れにするのが辛い。もちろん、綾野剛、柄本佑というキレキレの男優二人の共演であり、腐った人間といっても画面はキレイなものだが、力演している、女優としてはこれからのさとうほなみが、二人との対照で余計に切なく見える。虚実とり混ぜのエンディングは好き嫌いは分かれようが、一般映画には十分なエロス、酒場の雰囲気も十分に楽しめる。自分の人生の全体が見えてきた中高年にも染みる。
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