「定型化された話でもいいものを作る」テノール! 人生はハーモニー kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
定型化された話でもいいものを作る
才能ある人が発掘されるって話は物語にしやすい。しかもそれが意外なところであればなおさら。そういう意味では寿司のデリバリーをしている青年がオペラと出会うって設定はなかなかいい。しかもラッパー。
移民系の居住地区同士で対立してたり、その地域の代表がフリースタイルラップでバトってたり、兄貴が違法格闘技で稼いでいたりと、なんとなく現代のフランス社会を映し出している感じがする。そんな貧困層のアントワーヌがオペラの才能を見出されるってことは一種の夢物語のはずだが、そのことを黙ってしまう環境もなんとなくわかる。
基本的な話の流れは従来の発掘ものと驚くほど変わりはない。まぁ、そうなるでしょうねとしか思わなかった。でも、それなりにいい話だったし、感動できるシーンもある。なかなかよかった。フランス映画って、こういう定型化された話を毎回うまーく作ってくるよな。
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