劇場公開日 2023年7月28日

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「お笑い白い巨塔」キングダム エクソダス〈脱出〉 Lhowonさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0お笑い白い巨塔

2023年10月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ラース・フォン・トリアーと言えば、彩度の低い映像で痛いことをする、という印象があります。元々、TV番組とて制作されたそうで、『エクソダス』では1時間x5本の構成になってます。1時間置きに導入が繰り返されますが、ここの箇所のみがよく知っているフォン・トリアー監督の映像です。それ以外は古いTV番組のそれです。

デンマークの大学病院を舞台に、スウェーデン出身の財前教授と生え抜きの里見助教授の争いを描いた、コメディーのようです。
おそらく、デンマーク人あるあるやスウェーデン人あるあるが、笑いのツボなのでしょうが、そこはよくわかりません。
また、前2作からの引用があるので、十分に楽しむには5時間x2=10時間の予習が必要です。

24年ぶりの続編ということで、年齢的な問題や、劇中で死んでいるので、登場人物の多くが入れ替わっていますが、ほとんど同じ役どころが設定されており、入れ替わった理由をメタ構造で整合性をつけています。監督すら入院しているようです。

デンマークの人たちは爆笑してみているのでしょうか?私的には笑いどころ探しながら、6時間集中してみてました。この長さの作品は、水俣曼荼羅以来です。幸運にも劇場で3作とも鑑賞できましたが、一種の修行のようです。この修行自体がコメディーであり、『ラース・フォン・トリアーの3つの挑戦』なのかもしれません。配信であれば、1時間目で見るのをやめることは確実です。

最後に、我らがマッツ・ミケルセンに似ている人が出ていると思ったら、兄のラース・ミケルセンでした(また、ラース)。

Lhowon