「穏やかだが、心に響く」石岡タロー ヤリさんの映画レビュー(感想・評価)
穏やかだが、心に響く
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自分がまさに生い育って来た昭和の世界。正しい事が確かに鮮やかに存在し、同時に残酷な現実も突きつけられた時代。
それがこの映画の中にはきちんと描かれていた。
そういう時代だから、大切な命を納得出来なくても諦めるしか無い。
校長先生の後悔についての言葉も痛みと重みを持って理解出来た。
だが、淡々と進む風景の中で、タローの姿だけは真っ直ぐ一途だ。
信じることはなんて幸せなことだろう。
いつか会える。きっと迎えに来てくれる。
疑いなんて微塵も無くて、その気持ちは永遠なのだ。
だからタローはとことん幸せだったと思う。
映画の描き出した世界は、なんて善意に溢れていることか。
保護犬の演技では無い真摯で純粋な瞳に打たれた。
途中まで平板に思えた画面に、じわじわしみ出すその善意の全身全霊さにやられた…。
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