キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(うた)のレビュー・感想・評価
全26件中、1~20件目を表示
この映画が世界中に広がっていくことを切に願う
連日のようにTVでウクライナに刻まれた生々しい傷痕が映し出される今、この映画に触れる意味は極めて大きいと感じる。舞台はウクライナのイバノフランコフスク(当時はポーランド領だった)。そこに建つ一軒の家には、ウクライナ人、ポーランド人、ユダヤ人の家族がそれぞれ暮らしており、文化的な隔たりはあっても、互いを尊重しあい、子供たちも仲睦まじく毎日を送っていた。だが、戦争の足音は日増しに強まり、ソ連やナチスの侵攻によって、次々と家族が引き裂かれていく・・。大人の目線と子供の目線を交錯させながら戦争を描き、確かに胸の痛む場面も多いのだが、それと同じくらい、少女の美しい歌声が切実に響きわたる。「キャロル・オブ・ザ・ベル」という曲は誰もがメロディを耳にしたことがあるはず。私はこれがウクライナ発だとは知らず、こんな歌詞だったのかと強い関心を覚えた。この映画が、そして思いが、世界中へ広がっていくことを切に願う。
戦争は悲しみしか産まない
鑑賞後は体調が悪くなるほど辛かったのが率直な感想。ただリアルに昔から今も変わらず罪もない子供たちが一番犠牲になっている現状を知らなければならないと思った。
日本は島国なので極端に閉鎖されており他国の人種には厳しい、様々な事件も起こった。ヨーロッパほど戦火の中で国境と人種は曖昧になるが分かち合える心は芽生えるのではないか。
とにかく苦しい世界の中に彼女らの歌声が澄み渡り映える抑揚的な演出は素晴らしかった。ソフィアは母としてだけではなく人として正しいことを全うし闘い、そして子供たちの精神に引き継がれたのではないだろうか。
戦争の残酷さ
ウクライナ、ポーランド、ユダヤの3家族が最初はお互いに警戒しながら過ごすが子供は無邪気ですぐ仲良しに。ウクライナ人の妻が歌を教えていたこともあり、そのうちに家族ぐるみで打ち解ける。そんな中で戦争が激しくなる。ポーランド人ユダヤ人が連れ去られる中、ウクライナ人に子供を託すことに。ウクライナの夫婦は生活も苦しい中、自分の子供1人とポーランド人の子供1人、ユダヤ人の子供2人、4人を分け隔てなく育てる。ユダヤ人の子供を必死に匿いながら。観ている側はいつ連れていかれてしまうかとヒヤヒヤしながら。1人はネズミに噛まれたことが原因で死んでしまうが、3人になったところに、憎いドイツ人の子供まで面倒見ることに。でも子供には罪がない。必死で守ろうとするがこの子は気の毒な結果に。
ウクライナ人の夫は結局処刑されてしまい、妻も逮捕。あんなふうに男だけ残されて女は返され、次の日には殺されているなんて酷すぎる。
子供達が収容された施設で、得意な歌を歌うウクライナの子。幸せになる歌をただみんなに歌ってあげたかっただけなのに、ロシア下では許されない。可哀想。
1978年、大人になった3人が空港で再会し、あの歌を口ずさむ場面。なかなか観ていて苦しい映画ではあったが、3人が無事に大人になって会えたことにホッとした。
早く、ウクライナに平和が訪れる事を願うばかりです。
EUが「ノーベル平和賞」を受賞したことを忘れちゃいけない。国境を無くそうとした人類の理念・反省、叡智と偉業を後退させちゃいけないんだ。
戦争の嵐に押し倒されそうになりながら、崇高な母性の愛、父の愛、夫婦の愛が子供たちを守る!
ウクライナではいまも戦争が続き、
パレスチナでは瓦礫のガザで数千人が亡くなっています。
そのさなかでの映画鑑賞でした。
舞台はそのウクライナ。
ヨーロッパとソ連の中間にあるあの地域は、有史以来の紛争地帯。
交通の要衝であると同時に、あそこは軍隊の行き来する街道エリアだった。
政治と国民統制の“関所”として、この土地は為政者たちは抑えておきたい必要があったのだ。
ユダヤ人と、ウクライナ人と、ポーランド人と。そして終盤にはドイツ人の一家と。
この「4つの家族」が
戦況によっては今度は東から、そして今度は西からと、幾度も繰り返して翻弄され続ける。
情勢が変われば昨日の味方は今日の敵なのだ。
どちら側についても、そして
どちら側につかなかったとしても、
住民は「ガス室」や「パルチザン狩りの銃殺」や「シベリヤの思想矯正施設」や「戦犯処刑場」に送られて、
このアパートの住民たちはそうして行き来する国土収奪と、戦争の前線にヤラれ続けた。
寄せ波と 引き波に、親と子が晒され続けたのだ。
悲運の地・・
それが東欧地域なのだ。
・・・・・・・・・・・・・
観終わって思ったことは、
いきのこっていくためには
単一民族や単一国籍だけの純粋培養ではダメなのだなぁという事。
そこにはたと気がついた。
特殊な状況下での実話ドラマではあったが
《実は、彼らは混ざっていたから、命が繋がれた》のだ。
ドイツ人だけ、ユダヤ人だけ、ウクライナ人だけ、ロシア人だけ、
そして想像してほしい
パレスチナ人だけ、
中国人だけ、
日本人だけでは、私たちは、この世界では生きてはいかれないのだよ と教えてもらえた。
もしもドイツ人だけ、ユダヤ人だけ、ウクライナ人だけ、ロシア人だけがあのアパートの住人だったら?
アパートは、結局誰も生き残ってはいない無人の廃墟になっていたのだ。
混ざっていて、一緒にご飯を食べ、一緒に歌って友人関係になっていたから、
父母の祈りは3人の娘の生還に繋がったのだ。
・・・・・・・・・・・
ウクライナ民話の「てぶくろ」も、僕は懐かしく思い出しました。
凍える冬に森に落ちていた片方の手袋に、ネズミから ウサギから キツネから オオカミから クマまでが、
狭いけれど、みんなでお互いにギューギューに詰め合って、無理かと思われた“シェルター”での越冬を、動物たちが実現するお話。
(福音館書店刊 絵本:ウクライナ民話「てぶくろ」 内田莉莎子訳)
清らかなツバメのさえずり。
鐘の歌。
「みんなが幸せにお金持ちになれますように♪」と願うクリスマスのキャロルが、耳に残ります。
・・・・・・・・・・・・・
上映前に東座の合木こずえ社長が解説をしてくれました
・本作品はウクライナ戦争が始まる前の撮影で、監督のお祖母さんの実体験がストーリーの原作。
・今回の開戦で監督は、「まさかまたこんなことになるとは」と絶句されたと。
・この映画の上映はもう不可能だと思われたのに、戦火のキーウでは映画館は満員だということ。
・しかし、ウクライナの土地ばかりかロシア政府はこの民謡=「ツバメのキャロル」をもロシア発祥だとあさましくも主張していること、
― を解説してくれました。
戦時には、子供の拉致と洗脳・再教育がどこの国でも起こる。
文化の収奪と改変が企てられる。
自国だけが正義であり、自国の戦いだけが聖戦なのだと教え込まれるのですよね。
・・・・・・・・・・・・・
先日 沖縄県の知事さんが
「普天間の基地も辺野古の基地も、もういらない」とアピールしたら、日本政府は再び知事さんを訴えて、沖縄県を被告として裁判にかけましたね。
で、報道以来、SNSの世界では罵詈雑言の嵐です―
そんなに日本が嫌いなら沖縄は日本から出ていけ
嫌日のお前たちは日本人ではない
お前たちは中国人か
元々帰属していた中国のものになれ
侵略されてしまえ
と。
ツバメには、国境など存在しません。
ツバメは東欧からアフリカを往復し、
日本のツバメも日本から大陸へと渡ります。
それなのに、清らかなヤロスラワちゃんの歌声を押し潰してしまいそうな人間たちの不明と強欲が悲しい。
お父さんが震えながら酒場で歌った「リリー・マルレーン」、
そして、世界の平和のために、そして日本の我々のためにも歌ってくれたヤロスラワの汚れなき祈りのキャロルが、
どうかどうか大人たちを恥じ入らせて、その祈りが神さまに聞かれますように。
無垢な彼女の歌声の前に、ごめんなさいの涙が僕は止まりませんでした。
·
生き続ける歌
第二次世界大戦中、軍事大国に代るがわる占領されるウクライナにて、戦禍に苦しめられる3つの家族と、歌の幸せを信じるその子どもたちの物語。
それぞれ立場の違いから最初はギクシャクな3家族。それを無邪気な子どもたちが繋いでいき、楽しく幸せにやっていけるかと思った所で戦禍の足音が近づいて来…。
ソ連、ナチス、そしてまたソ連…。
いつの時代も軍事大国に蹂躙される国の哀しさときたらやりきれないですね。戦争中は言わずもがな、戦争の終わり=その土地の人々の闘いの終わり…ではないということも改めて感じさせられる。
音楽を生業とするソフィア夫婦の姿が眩しい。
教え子とは言え、言ってみれば他人の子どもたちを我が子同然に守り、命の危機とくれば自らの危険も顧みず。しかしそれでも…。
子どもたちも子どもたちなりに状況や大人の心情を察しており、悲しむソフィアに寄り添う姿にはジンと来ますね。
今更ながらですが、本当にこんな事は二度と起きてほしくない…と思った側から現在の状況ですからね。
でもソフィアの魂は歌われ続けるのだろうと、わずかでも救いがあって良かった。
ウクライナの人々の過酷な運命に胸が痛む
ロシア→ドイツ、そして第二次世界大戦が終わってもまたロシアに占領され、苦難を強いられたウクライナの人々(ポーランド人やユダヤ人も)の運命に胸が痛んだ。
子供たちを親から引き離し、ロシア化させようとするロシアの非道は、昔も今も変わっていないのだと、改めて感じた。
キャロル・オブ・ザ・ベルの歌声と共に、ウクライナ・ポーランド・ユダヤの3つの家族が、戦争に翻弄されながら子供を守り必死に生きた時代のお話です。
ウクライナを舞台とした3つの家族の物語。
そのような予告の内容だったのと、登場する家族が
揃って前を向いた図柄のポスターが気になり鑑賞です。
お話は、第二次世界大戦時より少し前に
遡ったところから始まります。
ウクライナ(当時はポーランド領?)のとある街で暮らす
ユダヤ人家族の元に、2つの家族が下宿してきます。
ポーランド陣の家族とウクライナ人の家族。
ユダヤ人家族も含めて、どの家族にも娘がいました。
年齢が近いため割とすぐ仲よくなる娘たち。
クリスマスイブ。
ウクライナ家族の娘が、ポーランド家族の部屋に行き
クリスマスの夕食へと招待します。
その際に少女が歌ったのが
” キャロル・オブ・ザ・ベル ” でした。
ウクライナの民謡にイギリス人が歌詞を付けて
クリスマスの定番となっていた曲です。
当時のウクライナとポーランド。
領土を巡る問題から、仲が良くはありませんでしたが
ウクライナの歌を自由に歌うことができました。
そんな街にソ連軍が侵攻してきます。ウラー
” お前はウクライナ人か ”
” ロシア語を話せ!” と
他国人を侮蔑し、ロシア語を強要するソ連の兵士たち。
時が移り、ソ連軍は立ち去りました。…で
次にやってきたのはドイツ。
” お前はどこの国だ? ”
” 出生証明書を出せ!” と
他国人を見下し侮蔑するナチスドイツの兵隊たち。。
ポーランド人家族もユダヤの家族も
体制への反抗とみなされ、
またはユダヤ人だからとの理由で集められて
命を落としていきます。うーん…
ポーランド人家族もユダヤ人家族も
親は自分がタイホされる事を察して
娘をユダヤ人家族に託します。
ウクライナ人家族も
父親が民族活動に参加しており家におりません。
母親が娘4人を保護していく事になって…
と、まあ。
3家族の娘たちとウクライナ母との
戦争に翻弄されながら生き延びようと必死に
暮らしていく姿を描いたお話でした。
ロシアのウクライナ侵攻より前の年
に制作された作品のようですが
何ともタイムリーな内容の作品だなぁ と
歴史の重みを感じながら鑑賞しました。
ウクライナの少女が歌う
” キャロル・オブ・ザ・ベル ” の歌声が
耳に残って離れません。
◇あれこれ
侵略者のするコト
自分たちこそが優れた国家だと信じて疑わず
運略した相手を徹底的に蔑む侵略者たち。
ソ連もナチスドイツも、
力による支配を行う者のやることは一緒。
歴史から学ばないのは愚か者のやること。です。
洗濯
自分の服を脱ぎ、娘たちの服も脱がせて
ひたすら洗濯を繰り返す母の姿。
心の動揺を抑えようとするその行動から
哀しみの深さと大きさが伝わってきました。
無心になれるのかもしれません。
◇最後に
クリスマスに歌われるというタイトルの曲。
音楽配信のサブスクで聴いてみたのですが
とても綺麗な曲でした。
自分の国の歌をどの国でも自由に歌える世の中で
ありますように。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
ヒーローもヒロインもなく…
ただただ市井の人々が戦時下でひたすら生きようとする姿はつらい…。ヒーローもヒロインもなく奇跡的な突破口はなく時代にもあらがえない。これが戦争。表現は淡々としているが見るべき作品かも。
今だからこそ
第二次世界大戦前夜の1939年、当時のポーランド領その後ソ連領となった現在のウクライナの町での物語。
ユダヤ人の大家のもとに越してきたポーランド人・ウクライナ人の家族が時代の流れに翻弄されてゆくが、三家族の娘たち最終的にはドイツ人将校の息子も含め肩を寄せ合いなんとか生きてゆこうとする。
この街もそもそも以前のポーランド・ソビエト戦争の結果としてポーランド領になっていたらしく(ソビエト領となったウクライナは『赤い闇』でも描かれたスターリンによる過酷な搾取と弾圧の対象となった)、ソ連が来たりナチが来たりする度彼らのうちの誰かが連れ去られたり殺されたりとウクライナが歴史上どう扱われてきたがよく分かる。
ただその歴史的な複雑さのためにそれが誰にどのような結果をもたらすことになるのかが分かりづらく、観客はただ彼らが無事であるようにと祈るような気持ちでただ見つめるしかない。
過酷な運命と結果として芽生えた絆は、美しい映像や音楽とともに本当に胸を打つ。またしてもロシアがウクライナを脅かしている今だからこそ観るべき作品。
美しい歌声の裏に平和への祈り
皆が幸せになれますようにと、祈りの歌声。
占拠国が変わる事で、正義が反転してしまう現実。
歴史は戦勝国により塗り潰し塗り替えられる時代は、今も続いている野を体感しつつ、考えさせられた。
極限状態において、どんな行動が出来るか、試されている。
この作品が生まれない世界になって欲しい
ロシアのウクライナ侵略前に製作された映画が、国内でこのタイミングで公開された。
教科書的に歴史を辿りながらも、ウクライナ、ポーランド、ロシアの三家族とその子供達が生き延びる様を描いている。
悲しい歴史と、美しい歌。どうしてこんな普通に生きたい人々が犠牲にならなければいけないのか、救いがなくて悲しくて胸が苦しくなる。ウクライナという国は、これだけ迫害された歴史を持っていることが切に伝わってきた。
もうほんとね、戦争なんて何も生まないな…。
第二の本作が未来に生まれませんように。
ウクライナに早く平和な日々が訪れて欲しいです🙏
第二次世界大戦前夜から戦後にかけて、ポーランド統治下の現ウクライナの街に住むユダヤ人・ウクライナ人・ポーランド人の3家族の、優しい唄に包まれ、民族の垣根を越えた、美しくそしてとても悲しい物語💙
街はドイツに占領され、戦後ソ連に飲み込まれ、夫々の親は処刑され、強制収容所に連行され…😭
そんな親達が命がけで守った、3人の娘が平和な現代で再会する❣️
う〜ん素晴らしい映画でしたっ💜
それにしても、そのウクライナが今、ロシアに侵略されてるなんて😱早く平和な日が戻って欲しいです🇺🇦
ポーランドとウクライナもギクシャクしていたとは❗
舞台はポーランド領(今はウクライナ領)のとある街。ユダヤ人家族が大家のアパートに、ウクライナ人とポーランド人の家族(最後はドイツ人の家族まで)が店子で越してくる。最初は民族間の歴史などもあって大人はギクシャクするが、子供たちは直ぐに仲良くなる。戦争のシーンはそれほど明らかに描かれないが、街角に掲げられる国旗がソ連→ナチスドイツ→ソ連と変わることで戦争に翻弄されていることがわかる。その度に大人は消されていくが子供たちに罪はないと子供を守り続けるウクライナのお母ちゃん。これがいかにもウクライナの大地を象徴しているようなたくましい音楽の先生。映画を貫いているのは、歌うと良いことが起こるとウクライナの娘が信じている「キャロルオブザベル」という歌。民族は違えど一緒に苦労を乗り越えた仲間を結び続ける歌だ。で、登場する家族がドイツ人を除いてそれほど不自由せずに会話できていたのだけど、何語だったのだろう?ドイツ語やロシア語ではなかった。
一定の理解がないと理解がハマる映画なので注意。
今年228本目(合計879本目/今月(2023年7月度)14本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
1日に4本見た中で、すべて違う映画館というのも珍しい気がします。
いわゆる世界大戦の間の、ウクライナ・ポーランド、ユダヤ人どうしの関係、および、その戦争に積極的に関与したソ連、ドイツ等が絡んでくる映画です。お話自体は架空のものですが、参照されているソ連・ドイツ等は当然史実通りですし、映画内で示されている、3民族どうしの対立等も史実通りであるので、「ドキュメンタリー映画、史実ものではないが、それに準じる」扱いを受けるのかな、というところです。
ユダヤ人の迫害に関しては多くの方が知っていると思いますが、ウクライナとポーランドも実は仲が良くなく(ウクライナ・ポーランド戦争)、それは映画内でも示されます。ただ、それは(世界大戦といった規模とは比べ物にならない、ある程度の)民族間対立といったものから生じたものであり、そこに忍び寄るソ連(現ロシア)、ナチスドイツに対抗するために団結していく姿等が論点になってきます。
映画内では特定の語はそれほど出てこず、歴史に関して深い知識は求められませんが、この3民族は程度の差はあってもお互いに嫌いあっていたし、それは領土問題であったり宗教問題であったり(映画内でもカトリックかどうか(換言すれば、言及はないが、プロテスタントかどうか、ということ?)といった宗教論的なお話も出ます)するところ、それらの説明がかなり少ないので、パンフレット購入必須かな…という気がします。
一方で、やはり史実通りに取れば、この時期(日本では、7~9月頃)に多く、ナチスドイツものの映画は放映されますが、ある程度ナチスドイツに関しては知っている方も多く、一般論的な見方ができますが、ソ連のそれ(侵略)に関してはそれほど高校世界史までも含めても扱わず(当然、ポウクライナ・ポーランド戦争等も出てこない)、ここで、リアル世界を見渡すと、確かにロシア(旧ソ連)に対する嫌悪感というのがあるのは程度の差はあっても事実ですが、いかんせんこのソ連の「当時の」扱いについては高校世界史でもそれほど学習せず、ソ連パートの部分は理解が困難です(ただ、ソ連にせよロシアにせよ、結局は侵略目的だっし、映画内でも描かれるように、原始的、あるいはソ連式の共産党がどうこう、といった、ソ連(ロシア)、中国等で見られるいわゆる「共産党もの」である点は理解が可能です)。
※ 日本共産党はその影響を多少は受けつつも、人権侵害を是としているものではない、という当然の理解にも注意は必要。
これらの説明が大半ないので、まぁドイツパート、ユダヤ人迫害の部分は十分理解ができても、ソ連に関してはやや発展知識だし、ましてウクライナ・ポーランド戦争にいたっては知っている方は少ないのではなかろうか、と思えます(私も知らなかったので、いろいろ大阪市立科学館のネットサービスで調べてやっとわかったくらい)。
これらまで考えると、やや(リアル世界の情勢なども勘案して)チョイスされたのだろうという点は理解可能ですが、やや説明不足にすぎる点もあり、難しいところです(事前にいろいろ調べたり、「大人のための世界史」といったたぐいの復習本を読んでいるだけでも違います)。
採点に関しては以下を考慮したものです。
--------------------------------------------
(減点0.3/一部の字幕・描写がどうしてもわかりにくい)
ウクライナ・ポーランド戦争に関してはそれほど一般常識とは言えないし、カトリックうんうんは、結局「カトリック」という語が出ることの裏返しとしてプロテスタント教義との信仰対立等があったのだろうと思いますが、この説明が何もないので、相当知識があるかある程度推測してみる必要が生じます。
幸いにもシネマートでは見る前の時間つぶしとして映画の概要を紹介する壁紙ポスター等が張られていたので何とかなりましたが、それは映画館のサービスであり、すべての映画館がそうであるとは限りません。
ただ、日本で高校世界史で扱う範囲では(通常)ないという理由のみで日本公開版だけ差し替えたり説明を入れることも著作権の関係からできず、減点幅はこの程度です。
--------------------------------------------
全26件中、1~20件目を表示