「どの選択や決断でもそれが私やあなた」ジュリア(s) 和田隆さんの映画レビュー(感想・評価)
どの選択や決断でもそれが私やあなた
“もし”を描いた映画はこれまで数えきれないほど作られてきましたが、この「ジュリア(s)」はその中でも映画的表現が秀逸な一本ではないでしょうか。
今があるからこそ、「あの時こうしていたらどうだったかしら」と振り返る、80歳になった主人公ジュリアの語り口から深い“後悔”は感じられません。もちろん生きていくことは決して楽ではないし、選択や決断を誤って挫折した時は、極端な選択が頭をよぎることもあるでしょう。
しかし、かけがえのない今につながる生き方をしてきたことは、例え今に満足できていない人にとっても、どんな人生でも捉え方によって輝けるはず、どの選択や決断でもそれが私やあなたなんだと、優しく肩を抱いてくれるような作品です。
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