「小説や絵本に限りなく近い映画」ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語 まままさんの映画レビュー(感想・評価)
小説や絵本に限りなく近い映画
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これまでのウェスアンダーソン映画の美術や演技にもどこか絵本のような可愛らしさがあったけれど、今回はなんといっても台詞がほぼ小説の読み聞かせのようになっているのが印象的。
映像よりも台詞で語る。
それぞれのキャラクターが小説の一人称(ないし作者)になっている。
面白いと言えば面白いけれど、あまりの台詞量の多さとその淡白さに40分以上続けば疲労感の方が勝る結果になっていたように思う。
ある意味40分の短編だからこその試み。
(20分の別の短編の「白鳥」も鑑賞。同様の試み。というより短編集の一つのような感じ。個人的には「白鳥」の方が好み)
ヘンリーシュガーの内容としては案外よくある話で、男の実存主義じみた話。
市民ケーンの時代から続くテーマ。
透視を身につける過程はわくわくしていたのに、いざ身につけてしまうと虚無感しかない。じゃあそんな時はどうするの?と。
上手く行った先の、自分の思うがままに生きた先の、虚無感。
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