「冒頭のアニメと炎を避けるプーの動きが好き。」プー あくまのくまさん 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
冒頭のアニメと炎を避けるプーの動きが好き。
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ヒドい。スプラッターホラーが不謹慎だったりグロかったりしてヒドい、というのではなく、監督に対して、本当にヘタだなお前と観ながらにして心が死んでいくのを感じる。脚本にしてもショック描写にしても驚くほど緩急がなく、ホラーって観ていて何が楽しんだっけか?と、ジャンルそのものへの認識が崩壊していくくらいつまらない。殺される女性キャラの無意味なポロリとか、よく今の時代に堂々とやったなと、一瞬自分は感心してるのかと勘違いしそうになるが、本当に呆れる。
なんだけど、プーたちが凶暴化していく様を紹介する、冒頭の2分ほどのアニメがよくできていて、なぜかセンスもスキルも感じ取ることができる。じゃあ本編はなんだったのか? アニメは別の人が担当してるの? それとも予算とかいろいろあってアニメ以外で本領発揮できなかった?
疑問はいくつも湧くのだが、実写パートでは、女性主人公が松明の火をプーに向けて、追い払おうとするシーンがあり、そこのプーの動きはムチャクチャよかった。炎が近づくたびに「あついがな、やめえや、あぶないやろ」とでもいいたげに、鬱陶しそうに避けるのだ。あそこはもう、本当に振り回される炎と、それをいやがっている気持ちが超リアルだった。
2分間のアニメと、やめえやってなっているプー。その二点は観てほしいし、ゲテモノを観て呆れるのもB級映画の楽しみではあるので、似た嗜好の奇特な人には勧められます。
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