「イギリス人監督視点のアフガニスタン戦争」コヴェナント 約束の救出 Tiny-Escobarさんの映画レビュー(感想・評価)
イギリス人監督視点のアフガニスタン戦争
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最初から最後まで、見ごたえのある映画でした。
キンリ―が自分の言葉で語るように、アーメッドとの関係は『恩/約束=呪い』であり、ハリウッドが美化して描かずにやり過ごしそうな部分まで、さらっと抉ってきます。
そして、主役の二人だけでなく、キンリ―の奥さんキャロラインや民間軍事会社のパーカーなど、この映画に出てくるキャラクターには確固たる芯があって魅力的です。みんな、何らかの形で救出作戦を支えてくれます。
しかし、この映画の本体はエンドクレジットではないかと思います。見事に映画体験を頭から消して、現実に巻き戻してくれます。
『米軍のアフガニスタン撤退後、タリバンが実権を握って300人の通訳が殺された』
このナレーションには驚きました。
『これ、あくまで映画だからね』と、監督自身に言われたような気分です。
エンドクレジットの間ずっと頭に残るのは、映画化するにはあまりにも残酷で救いのないストーリーが、死んだ通訳の分だけあるということ。
そっちの方が現実で、アフガニスタン撤退の舵取りをしたどころか、自分が大統領であることすら忘れていそうな老人が仕切っている国の話だということを、嫌でも実感させられます。
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