劇場公開日 2023年12月15日

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「いろいろな文化に触れられる作品。今週おすすめ。」きっと、それは愛じゃない yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0いろいろな文化に触れられる作品。今週おすすめ。

2023年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年431本目(合計1,081本目/今月(2023年12月度)32本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))

 タイトルや予告からすると恋愛ものかな?という感じで、確かに雰囲気的にはそうですが、展開としては全然違う展開になります。

 日本以上に多くの移住者が暮らすイギリス、ロンドンを舞台に、宗教も違えば考え方も違う人が結婚する(前提)として付き合う中で、色々な考え方がぶつかり合う…という激しいシーンはないですが、日本ではおよそ「仏教かキリスト教か」くらいで、そもそも結婚やお付き合いに宗教を持ち出すことが一般的ではない(してもいいけど、普通はしない)中において、海外のイギリスでは多様性の地域で、この映画ではイスラム教やイスラム教にのっとった結婚の在り方、といったものが描かれます。

 この関係で映画のタイトルがやや「ミスリードなのかな」という気と(このタイトルと予告編ほかを見て、これらの論点は予習できない)、イスラム教の独特のワードが出てくるので(コーラン(クルアーン)どころではなく結構多数のカタカナ語が出る)、かなりその部分がわかりにくい、といったあたりです。ただ、これもまた当然のことですが、舞台はイギリスであるので憲法典などが保証する「信教の自由」は保障しつつも「それが極端に身分行為(婚姻離婚など、民法の一部の分野など)に立ち入らないようにする」という政教分離の考え方が生きとおっている点は日本と同じであり、一部のワードは出ても、「イスラム教が上でキリスト教が下」とか、そういった考え方がそもそも映画内に出てこないし(もちろん、日本でも思想良心の自由はあるので「思うだけ」なら自由だが、口に出した瞬間にアウト)、この点についても映画は「意識的に」避けたのか「実際にそうだから」避けたのか(このように国自体で守っているところとしては日本やイギリス、また国教としてイスラム教をあげつつも政教分離をあげて「かなり世俗化」しているトルコ等のように)「それが当たり前だから」ということで描かれなかったのは良かったところです。

 映画のタイトルは実は「ある意味」「タイトルだまし」な部分も一応あるといえばあるのですが、「異文化を知る」「異文化との共存」という観点から見るのはおすすめです(日本ではイスラム系の方と交流する機会は一部の地域を除いてないものと思います)。

 採点に関しては特に気になる点までないのでフルスコアにしています。

yukispica