ウェルカム トゥ ダリのレビュー・感想・評価
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The Great Masturbator
wikiで検索すると飛んでもない日本語タイトルがでるのだが、ホントに合っているのだろうか?(汗
ダリと言えば、チュッパチャプスの包みのデザイン、そして有名なのは溶けるような構図の時計と、異世界をリアリスティックに表現する独特の絵画や彫刻が有名な奇才芸術家である そんなダリの後半期の人生を、映画『バビロン』のような構成で描くヒューマンドラマである なので、紹介役の人物は実在せず、その人間を通してのダリの虚実皮膜を作劇している 勿論、あれだけの偏執狂でありそして人生そのものがドラマティックに自己演出してあり、それ以上に妻の存在が制作の原動力となっている告白でも分る通り、常人とはかけ離れたライフワークとして演出されている 逆にそれがよくある芸術家のスレレオタイプとしての源流の一つになっているのが寂しい限りだが・・・ そんな夫妻に近づく人間達も有象無象なのだが、でも比較的女性の方が本質を分っている感覚を抱いたのは自分だけだろうか? お尻の魚拓ならぬ"尻拓"を嬉々として協力する姿は、ダリの芸術を一番理解している"天使"達かもしれない そんなまるでパーティの一環としてはしゃいでいる中でのダリの仕事モードは、流石プロフェッショナルで、主人公を窘めるカットには痺れる
リトグラフ、シルクスクリーンの所謂"模造"品のシークエンスは、美術に疎い自分には馴染みはなかったが、常に派手な生活を繰り返す裏の事情をチクリと皮肉った話であろうことはうすうす理解出来、これも"あるある話"であろう
常にサインの筆跡を変えていく繊細さに、主人公ならずども、特異な感性を保つための或る意味弛まぬ努力と、犠牲を覚悟したダリと婦人の潔さ、その裏側の悲壮を主人公にしっかり託したラストシーンでの岬上の指揮者の演技は、孤高を貫いた天才を綺麗に表現した作劇であった
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