アウシュヴィッツの生還者のレビュー・感想・評価
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つきまとう過去と忘れられない人。
アウシュヴィッツから生還したハリー・ハフトの半生の話。(実話)
過去に強制収容所に捕らわれてたハリー、生還したハリーはボクサーとして活躍をしていた...生き別れた女性に会いたい為に自分の過去、収容所のネタを記者に売り、世に広めてもらう、知り合いのツテなどから情報収集...収容所の出来事、忘れられない女性レアを探すハリー・ハフトのストーリー。
思ってた以上に楽しめました。
白黒の作品アイコン、フライヤーの感じがそそらず、スルーしてたんですが観て良かった!
観ての感想は過去にこんな事があったら簡単に忘れられないですよね!
情報収集からのレアの住所を入手、歳月が経ちハリーにも家族が出来、探してた女性レアにも家族がいたけど、お互いに忘れられない存在だったってのが観てて良かったし泣けた。
レアに会うまでは過去の記憶に悩まされてたハリー、レアに再開出来た事で全てがスッキリし、息子、妻との関係もフラットな感じになった様に見え、ラストのビーチでのハリーとミリアムの手を繋いだ後ろ姿のシーンは素敵でした!
戦争は生きても死んでも苦痛・・・
この季節この所、新宿武蔵野館のある意味恒例となった第二次世界大戦モノの上映作品、今年は「アウシュヴィッツの生還者」が上映、見てきました。
全編、重厚な内容でとても良かった・・・・
この手の作品を見て思う事は、悪いのそれぞれの関わってきた人間が悪いのではなく戦争そのものが悪いので、一番悪いには、戦争を起こした発起人だと思う。
ユダヤの人、ドイツの人のそれぞれの立場が描かれていますが、見ていて確かにドイツ兵のやった事は酷い事なんですが、あの時代、戦争の発起人たちの洗脳があるからこそ人道的な考え方ができなかったように気がします。
しかし、今、現在でアジアで戦争が起きれば、日本人は現在のユダヤ人として扱われるでしょうね・・・
本作品、第二次世界大戦でドイツ兵の捕虜となったユダヤ人がボクシングを通して生き残っていく為の選択を迫られそれに苦悩して戦争が終わってもその悪夢に追い詰めながら生きて行き、また同時にたった数ヶ月付き合っては、離れ離れになった恋人への想いが同時に描かれていて、最後は本当にほろっとさせられたな・・・
本作品、重厚の内容の上に淡々とお話を描いているので、お話に山がある訳でもなく谷がある訳でもないんですが、本当に最後に、引き裂かれた元恋人の再会のシーンを見るだけでも本作品の価値があると思います。
本作品、自分に置き換えて見ても、当時として描いてみても本当に考え深い作品でした。
生きるために生き抜く為にどう選択するのか、どう生き抜いていくのか・・・・
戦争とは、地球上のモノを破壊、人を殺すだけではなく、生きていく人にもその後に苦痛を植え付けるモノであり、本作品のお話はその中のひとつ過ぎず・・・・多くの人の人生を奪い苦しめるモノだと痛感しました。
キノフィルムさん本作品の配給をありがとう!
大事な作品
ナチス映画ながら、カナダ・ハンガリー・アメリカ合作。
そのせいかどうかは不明ながら、ナチの将校のセリフにリベラルな歴史評価の結果らしい内容がかなり反映されている気がする。
曰く、ユダヤ人を殺すのは「自分ではない、組織だ」。曰く、脱走したユダヤ人を殺すのは「責務だ」。殺人を遂行しながら、自分が望んで殺人しているのではないと考えるための詭弁。これが最もナチを象徴していると、それが分かった。防衛を謳いながら侵略し、護るといいながら国民を犬死にさせた大日本帝国同様に。
しかしそうやって人間性を捨て去ることが出来たナチがどれ程人非人になれたのかは本当に驚くほど。これが歴史からの学び。これはいじめと同じで、中にいると分からんやつなんだよな…
これ、実話ベースだからショッキングだが、じゃなかったら「いくらなんでもそんなことあるわけない」とか言われかねない案件。事実は事実と、ちゃんと記録しよう。そういう意味でも大事な作品。
アウシュビッツの悲惨さ
基本的にホロコースト関連の映画は観るようにしている。
さらに大好物のボクシングが絡むと観ざるを得なかった。
とにかく、主人公俳優のデニーロ・アプローチは凄い。
そして、実際のボクサーはロッキー・マルシアーノと闘っていたなんて。
そして、モノクロとカラーの使い分けが素晴らしかった。
【ナチス収容所から拳一つで生還した男が大いなるトラウマを抱えつつ、深い愛と新たなる希望を描いた作品。今作は、序盤は見ていてキツイシーンが続くが、最後半は胸が熱くなる作品でもある。】
ー ハリー・ウッドと言うポーランド出身の実在のボクサーを主人公に、愛と憎しみと大いなる後悔に苛まれる男と、彼が愛した女性達との関係性を描いた作品。-
■NYでボクサー生活を送るハリー(ベン・フォスター)はアウシュヴィッツでの体験を新聞記者(ピーター・サースガード)に語る。
兄から”絶対に語るな”と言われた内容を。
それは、彼がナチス親衛隊の娯楽の為に何度もリングに上がり、同胞のユダヤ人を倒したこと。倒された方はその場で銃殺されるために相手を殴り倒すしかなかった事など。
彼は、ユダヤ人コミュニティからの批判覚悟で、当時付き合っていた恋人レア(ダール・ズーゾフスキー)がナチスに連れ去られた後の消息を知りたかったのだ。
更には、強力なボクサー、ルチアーノとの試合をしたり・・。
◆感想
・ナチス収容所のモノクロ風景と、NYで暮らすハリーの姿をカラーで映した対比が印象的である。
ー 一見、何の不自由もない生活をしているように見えるハリー。だが、彼は常にナチス収容所での過酷な体験がフラッシュバックの様に蘇り、精気を無くして行くのである。
更に言えば、ベン・フォスターの同一人物には見えない驚異的な減量と増量は凄い。
(最初、別人が演じているのかと思った程である。)-
・レアを探すことに協力的な女性ミリアム(ヴィッキー・クリーブス:ドンドン、ビッグな女優になって行きますね。)と恋に落ち家庭を持つハリーだが、過去のトラウマのせいで、息子アランに厳しくボクシング指導したり、情緒は不安定である。
ー この辺りは、もう少し丁寧に描いて欲しかったなあ・・。-
■ナチス収容所でのボクシングシーンで親友のジョンと戦う事になったハリー。ジョンは”ドイツ兵に殺されるより、お前に殺されたい。”と言うがハリーは手が出せない。
だが、最後は彼の願いを聞き入れるシーンは沁みた。
・そんなある日、新聞記者からレアの居場所を書いたメモが届く。急な家族旅行を計画しある海岸に行くハリー一家。訝るミリアムに、”海岸に居てくれ。アランを連れてドライブに行く”と言い、レアの家へ。
ー そこには優しそうな旦那さんや女の子が居て・・。離れに居るレアの所に歩み寄るハリー。レアは病を患っていたが温かい笑顔で彼を迎え、二人は昔のようにイディッシュ語で色々な話をするのである。ルチアーノの試合の前日に結婚していたことなど。そんな二人を遠くで見守るアラン。レアはアランを見て”ハンサムね。奥さんに似たのかしら。”と言って笑ったり。-
<苛烈な経験をしながら、尊厳を失わず家庭を設け、必死に生きるハリーの姿。そして最後の最後に且つて愛した人と出会う事が出来たハリー。
彼は、浜辺に戻り、愛しているミリアムとデッキチェアーに横たわり、そっと手を繋ぐのである。
良かったな、ハリー。頑張ったな、ハリー。
今作は、序盤は見ていてキツイシーンが続くが、最後半は胸が熱くなる作品である。>
生き残る為に戦い続けた男
戦争によって人生を翻弄され生き残る為に戦い続けたストーリー。イヤー切ない話です。戦争と言う物が戦争が終わった後もずっと続いてしまう。彼女と再会出来て本当に良かったです。平和な今を大切にしなければと思います。
堅実な演技 堅実な脚本 堅実な演出
さすがに収容所での描写は、様々な作品で接してきた眼からは食傷気味ではありますが、演技、演出、脚本すべてに堅実な造り、且つドラマチックも十分です。ラストの感動もジワジワ迫ってくるタイプで好感持てます。
父から息子に息子から世界に語り継がれる実話
風化させない。忘れない。
アウシュヴィッツも日本の原爆投下も忘れてはいけない歴史。
日本の戦争映画は年々少なくなっているけど、ヒットラーやアウシュヴィッツの作品は毎年たくさん発表され続けている。
私達も忘れないで行き続けたい。
なにも知らなかった。
ナチスや、収容所、という言葉は歴史で習って知っています。『アンネの日記』なども読みました。
でも、言葉を知っているだけだったと痛感しました。
辛い記憶の場面になるたびに、胸が抉られるようでした。よく生きてこられたと思います。
戦争の体験者の話を聞く機会があります。聞く側は、話が終わったら、それで終わりですが、話す側の心の中では、辛い記憶がずっと生き続けているのだろうと思いました。
話を聞いても、「戦争はいけない」のようななまぬるい言葉くらいしか言えない自分が今更ながら情けなく、歯がゆいです。
でもやはり、戦争はいけない。これに尽きる。
ベン・フォスターの熱演が光ります。
多くの人に観てもらいたい傑作。
期待した作品ではなかったです。
トム・クルーズとダスティン・ホフマンの「レインマン」のバリー・レビンソン監督作品という事で予告編も見て期待してました。
1949年、ナチスドイツの強制収容所アウシュビッツから生還者のプロボクサーハリー・ハフトの実際の物語を描いています。
前半はユダヤ人収容所と現実のプロボクサーの生活を描いていて飽きないで見れました。
後半は家族との幸せな第二の人生と過去の収容所での後悔、息子に自分の過去を告白する等々感動的なシーンもありましたが前半と比べると地味で長く感じました。予告を見てアウシュビッツ物と期待してましたがハリー・ハフトの人生一代記的なドラマで印象とは違う作品でした。
おススメ度としては普通です。
切り売り
アウシュビッツ収容所から生還し負け続けながらもリングにあがり続けたボクサー、ハリー・ハフトの話。
1949年、生き別れになり生きているかも判らないかつての恋人をさがす為、アメリカでリングにあがるヘルツコの、戦う理由と過去をみせていく。
存じ上げなかったけれど実在の人物をモデルにした話しで、ロッキー・マルシアノとも戦っていたとかかなりびっくり。
ユダヤの獣と獣と叫ばれつつもPTSDを抱え、試合中やそれ意外でもフラッシュバックするアウシュビッツでの壮絶な経験の数々は筆舌に尽くし難いものがあるし、それを知り戦う理由も知り彼を気遣うミリアムとの関係も素晴らしい。
そして14年後…意外性は無いけれど、これはかなり胸アツだった。
現実は非情ではあるが...
事実に基づいてつくられているため、ご都合主義の奇跡は起こらない。不利な試合では下馬評通り一方的に打ち負かされる、生き別れた恋人と再会するのはお互いが家庭を持った後である、PTSD(に加えて恐らくパンチドランカーの症状)により精神的に不安定になるなど、主人公の思い通りにならない展開が続く。しかし、このような展開が続くからこそ、最後の浜辺でのシーンが際立つ。
本作では、世界大戦時のアウシュヴィッツと戦後のアメリカといった時代と場所が異なる2つのシーンが入り混じって描かれている。大戦時のシーンをモノクロで描く表現方法は、主人公の心境を表すと同時に視聴者にシーンの変化を一目で示すことができるといった効果も兼ねた優れた演出だと思う。
ひたすら眠い
昔の背景づくりに白黒なんですが。
きがついたら眠ってしまっていて。ホロコースト時代でのボクシングさせられての男同士の友情での感動の。昔のシンドラーのリストとは比べ物にならない残念さでした。
(オンライン試写会に関しては念のためすべてネタバレ扱い)
今年261本目(合計912本目/今月(2023年7月度)48本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。
もうきのうになりますが、fanvoiceさまのご厚意でオンライン試写会に参加できました。
実在する人物がベースであることもあり、またナチスドイツのことは周知の事実なので、あることないこと描くことはできず、その意味で半ドキュメンタリーものという見方が可能です。
ナチスドイツによる弾圧と、ボクシングに関すること(時代は大きく分けて2つ(3つ)に分けられます)がほどよいマッチで入っていたのも良かったです。この手の映画はどうしても趣旨的に終始暗めな印象になることが否めませんが、ナチスドイツに触れつつ、ボクシングに関しても詳しく描写があり良かったな、というところです。
なお、減点まではしませんが、ドイツパートにおいてなぜか英語で話している方がいます(ただ、日本では字幕で聞き取れればよいだけの話なので、どうでもいいことでしかない)。
正規の公開日にはぜひおすすめ、といったところです。
アラン・スコット・ハフトが 父、ハリー・ハフト[1925-2007...
アラン・スコット・ハフトが
父、ハリー・ハフト[1925-2007] の半生を
綴った実話が映画化
第2次世界大戦中、終戦後、1960年代と
3つの時代を行き来しながら
人間の崇高さと恐ろしさに容赦なく迫る
捕えられている限り
人間としての尊厳も選択肢もない
生きるか死ぬかのみ
一日延びるだけ
愛する人と再び会うことを希望に
闘い続ける
ユダヤの野獣と呼ばれ
ユダヤ人からも背信行為と疎んじられるが
善か悪かでは割り切れない
胸が痛い
ハリー・ハフト役のベン・フォスターは
アウシュヴィッツ時代を演じるにあたり
体重を28kg落とした後
戦後のシーンにはまた元の体重に戻す
「肉体改造の限界に挑戦した」
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