「【ナチス収容所から拳一つで生還した男が大いなるトラウマを抱えつつ、深い愛と新たなる希望を描いた作品。今作は、序盤は見ていてキツイシーンが続くが、最後半は胸が熱くなる作品でもある。】」アウシュヴィッツの生還者 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【ナチス収容所から拳一つで生還した男が大いなるトラウマを抱えつつ、深い愛と新たなる希望を描いた作品。今作は、序盤は見ていてキツイシーンが続くが、最後半は胸が熱くなる作品でもある。】
ー ハリー・ウッドと言うポーランド出身の実在のボクサーを主人公に、愛と憎しみと大いなる後悔に苛まれる男と、彼が愛した女性達との関係性を描いた作品。-
■NYでボクサー生活を送るハリー(ベン・フォスター)はアウシュヴィッツでの体験を新聞記者(ピーター・サースガード)に語る。
兄から”絶対に語るな”と言われた内容を。
それは、彼がナチス親衛隊の娯楽の為に何度もリングに上がり、同胞のユダヤ人を倒したこと。倒された方はその場で銃殺されるために相手を殴り倒すしかなかった事など。
彼は、ユダヤ人コミュニティからの批判覚悟で、当時付き合っていた恋人レア(ダール・ズーゾフスキー)がナチスに連れ去られた後の消息を知りたかったのだ。
更には、強力なボクサー、ルチアーノとの試合をしたり・・。
◆感想
・ナチス収容所のモノクロ風景と、NYで暮らすハリーの姿をカラーで映した対比が印象的である。
ー 一見、何の不自由もない生活をしているように見えるハリー。だが、彼は常にナチス収容所での過酷な体験がフラッシュバックの様に蘇り、精気を無くして行くのである。
更に言えば、ベン・フォスターの同一人物には見えない驚異的な減量と増量は凄い。
(最初、別人が演じているのかと思った程である。)-
・レアを探すことに協力的な女性ミリアム(ヴィッキー・クリーブス:ドンドン、ビッグな女優になって行きますね。)と恋に落ち家庭を持つハリーだが、過去のトラウマのせいで、息子アランに厳しくボクシング指導したり、情緒は不安定である。
ー この辺りは、もう少し丁寧に描いて欲しかったなあ・・。-
■ナチス収容所でのボクシングシーンで親友のジョンと戦う事になったハリー。ジョンは”ドイツ兵に殺されるより、お前に殺されたい。”と言うがハリーは手が出せない。
だが、最後は彼の願いを聞き入れるシーンは沁みた。
・そんなある日、新聞記者からレアの居場所を書いたメモが届く。急な家族旅行を計画しある海岸に行くハリー一家。訝るミリアムに、”海岸に居てくれ。アランを連れてドライブに行く”と言い、レアの家へ。
ー そこには優しそうな旦那さんや女の子が居て・・。離れに居るレアの所に歩み寄るハリー。レアは病を患っていたが温かい笑顔で彼を迎え、二人は昔のようにイディッシュ語で色々な話をするのである。ルチアーノの試合の前日に結婚していたことなど。そんな二人を遠くで見守るアラン。レアはアランを見て”ハンサムね。奥さんに似たのかしら。”と言って笑ったり。-
<苛烈な経験をしながら、尊厳を失わず家庭を設け、必死に生きるハリーの姿。そして最後の最後に且つて愛した人と出会う事が出来たハリー。
彼は、浜辺に戻り、愛しているミリアムとデッキチェアーに横たわり、そっと手を繋ぐのである。
良かったな、ハリー。頑張ったな、ハリー。
今作は、序盤は見ていてキツイシーンが続くが、最後半は胸が熱くなる作品である。>
おはようございます!
かなり遠出されて観に行ったんですね!
私も車でしか行動しないのでバス、電車の移動はイヤだな~
にしても本作、公開から日が経ってるにも関わらず私の通ってるミニシアターも観に来てた人結構いましたよ!
爆走運転気をつけて下さいね!
ドライブから急激に来ましたよね。
最近は評価点が厳し目だったのか、あまり無かったかも知れませんが、私的にはNOBUさんの方が評価点高いのもちょこちょこあるイメージです。
ちなみに私が満点つけているヤツとかも…。