「タイトル酷すぎ」ナチスに仕掛けたチェスゲーム カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
タイトル酷すぎ
ナチスの謀略を機転を効かせ幹部とチェスの対決に勝つことで未然に防いだ英雄の爽快なストーリーかと思ったら、オーストリアの元貴族でお金持ちの財産管理をしている公証人がそのリストの内容を喋らせようとゲシュタポに軟禁され精神的な拷問を受け、精神が崩壊したという話でした。
現実と妄想、過去と現在が交差し非常にわかりにくい作りになっており、映像だからできるのであろうが、原作ではどのように表現しているのだろうか。
チェスの本をくすね、チェスにのめり込むことが拠り所となったことで何もない部屋での軟禁生活が一時的に苦ではなくなったが、本を取り上げられた事により返って精神的なダメージが大きくなってしまう。
主演のオリバー・マスッチは「帰ってきたヒットラー」にも主演しており皮肉な出演となったが、本作は画面にはずっとこの人が映っている映画なので、軟禁前と後のやつれ具合いなど役へのアプローチには相当こだわっているようで、それだけでも観る価値がある映画だと思った。
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