映画 窓ぎわのトットちゃんのレビュー・感想・評価
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ベストセラーには理由がある。映像作品としても素晴らしい。
40年前の本のブームの時には、20歳前後たとえ読んだとしてもそこまで響くことはなかったかもしれない。
時が過ぎ親になり、このアニメを観て果たして自分の子育ては間違っていないのか自問したくなる。聞き分けのいい子、みんなと同じことができる子、静かに人の話が聞ける子。。。親や先生に都合がいいだけではよくない。
大切に育てたヒヨコが死んじゃったことも、子供にとっては学びであり、例えば親が先回りして飼わせないことは、学びの機会を摘むことになる。
今の社会では点数がつかない大切なことを教えてくれる作品だと思った。
すごく柔らかいアニメーションがすごくいい。総作画監督の金子志津枝さんはこれからも注目したい。
リアルをアニメーション映画に
丁寧に練られた、少女の世界
久しぶりに、丁寧に心情表現を丁寧に描いていた作品を見れた気がした。
物語の前半に出てきた、徹子が興奮したことで、尋常小学校を辞めさせられるきっかけになったチンドン屋が物語最後で再び出てきたことで、徹子の心情の変化をより際立たせていた。
また、学校での授業のシーンなど音楽を用いて、徹子がリズムの世界に没頭していく様も、とても軽快に描かれている。
また、その描写自体、同級生の泰明ちゃんとの関係性を描く上でも、重要なファクターになっていた。
その泰明ちゃんとから、借りた本を読んで、父親が軍歌を演奏することを躊躇う流れも、またにくい。
泰明ちゃんとの関係が、父親にも響いていくのだから、脚本の構成自体が上手くできているのではと、圧巻だった。
ただ、欲を言えば、ただ、綺麗には心情を描いているが、徹子自身のキャラクターなり、何かもっと心に引っかかる何かが欲しいなとも思った。
その辺は、これからのこの監督の次回作に期待したいと思う。
やはりアニメーションは最強
どれだけ泣いたことか。泣かせる手法と言っては申し訳ないがドラえもんで経験を積んだ八鍬新之介監督は自身で言っている通り「せつなさを大事に」した演出でひよこ・出征兵・友だちの「死」という取り返しのつかない事象を「せつなさ」にそのまま結び付けて泣くしかない状況に追い込む。何といっても主役の大野りりあなが素晴らしい。子どもの声を子どもが演じる良さを最初に実感したのは「海のトリトン」の塩屋翼だが、当時彼は中学2年生であったのに対しりりあなは7歳のリアル小学生で後半は年上を演じていたわけだからそれはもう前代未聞の演技力であろう。動き始める列車の教室、プールの水中ダンス、山本くんとの雨に歌えば・・トットちゃんの妄想がミュージカルになるシーケンスがおそらくは発注したアニメプロダクションごとに画風が変わっておりそれぞれ個性的で楽しく成功している。やはりクライマックスの木登りエピソードが脚立を取りに行ったトットちゃんの脱線を含めて丸ごと丁寧に描写されていて秀逸。服を汚して帰ってきた山本君のお母さんの「困ったわね」という喜びが上手いこと描かれすぎていて憎い。大井町線の横の道を泣きながら走るトットちゃんと山本くんや兵隊とのカットバックも王道にして大胆繊細で見事。最強の映画たるアニメの巨匠がまた一人誕生した。
子供が飢えに苦しむような国の政治は完全に間違っている。
原作既読。多少の脚色はあれほぼ原作通りで内容も展開も知っているはずなのに、後半で思わず泣いてしまった。
前半はどう見てもADHD多動傾向のあるトットちゃんを温かく見守るトモエ学園の学校生活なんだが、後半一気に戦争ムードになってくる。
昭和って戦争前は豊かだったんだな…トットちゃんは当時でもかなり上流階級のうちの子供というのがわかるし、お父さんはオーケストラのコンマスだしお母さんはモダンガール。自宅も当時にしては珍しい完全洋式で朝はパンとコーヒー。休日にはデパートやパーラーにに家族で行く。それが戦争開始とともにどんどん質素に貧しくなってくる。(ところでお父さんがヴァイオリンを弾くシーンはきちんと監修がついているようで100点満点。ウィッシュは見習って欲しい←)
国の掲げる正義は反転するが、おなかが空いている人に食べ物を与えるのは絶対的な正義だ、そう語ったのはアンパンマンの作者であるやなせたかしだが、逆にいえば、子供が飢えに苦しむような国作りは完全に間違っている。
2023年時点、子ども食堂の数は7000カ所を超えているという。それだけ子供達が満足に食べられていないと言うことだ。子供を飢えさせている国の政治家は恥を知れ。
原作を読んだ方、原作に興味を持った方は「窓ぎわのトットちゃん」に続いて「トットちゃんとトットちゃんたち」という、黒柳徹子がユニセフ親善大使でアフリカ諸国を回ったときのエッセイも是非読んで欲しい。窓ぎわのトットちゃんと同じく非常に読みやすいが、飢えや戦争で苦しむ子供達の厳しい現実が描かれている。
これは名作!!!
黒柳徹子の自伝ね。ふ〜ん…と思っていたが、非常にクオリティが高い良質なアニメーション作品で、自伝というより昭和時代の一少女の成長物語としてみた方がいいと思う。ジブリ作品が好きでこんな映画は他では見れないと思っていたが、負けず劣らず面白かった。
主人公はいわゆる多動症?の女の子で、集団行動に馴染めず、トモエ学園に転校してくるが、ここの校長がまた並外れてぶっ飛んだ人で、こんなの今やったらコンプライアンス的に絶対アウトというようなことでも子供達の成長のために次々やってしまう。先が読めず次どうなるかワクワクするストーリー、素晴らしい音楽、どこを切り取っても素敵なカットと魅力的なキャラクター。主人公が妄想の世界に入る時にパステル調の絵に切り替わるところもとても美しい。話の見せ方もうまく、あれ、何で木に登ってるだけなのに、胸が熱くなって涙が出てくるんだろう、、とか思っていた。暗い戦争の影も色濃く世界に影響を与えており、とても印象的な作品。
トットちゃんが可愛い
黒柳徹子さんのエッセイのエピソードを時系列で並べられている為、ストーリーと言える物は深くはなく小学生の日常が描かれている。
自分が小学生の頃を思い出してしまいました。
SPY×FAMILYは上演回数が7.8回毎日やってますが、この作品こそもっとやるべきだろう。
子供たちの日常が戦争が進むに連れて変貌して行く様は観ていて辛いものがある。
この作品は今を生きる大人達こそ観るべきです。
子供や女性の生きづらい世の中にしてはいけないことを痛感させられます。トットちゃんがとても可愛いから尚更に。
是非続編を作って欲しい。最初は髪飾りを付け、ワンピースを着て学校に通ってた徹子さんが最後には自宅を取り壊されモンペ姿で疎開していきますが。。。
いや…いい映画だとは思うんだけど…
SNS見てると大絶賛なのですが、そんなにすごいかな?この映画。
ストーリーはまあ…原作を良い感じにアレンジしたんじゃない?ってくらいの感想。
誇張と説明くどいような気がして私にはあわなかったです。
あ、背景はすごく良かった。
あと、私はどうしてもあの不自然な唇や頬の色が気になってしまってダメだった。
ああいう表現にした意図もインタビューで見たけど、トットちゃんにはそう見えたんだよっていう意見も見たけど、やっぱり違和感がありすぎて気になって仕方なかったです。
40年ぶりの再会
小学生時代に同じような感じな経験あり
その時に先生に渡されたのは
窓際のトットちゃん、岩崎ちひろの絵が子供心にとっても印象に残る話でした。
電車の教室、でんぶんのお弁当と当時印象に残ったエピソードがたくさん散りばめていました。
絵がやさしく、それぞれのキャラのやわらかな動き、
表現力が素晴らしい
後半、ずーっと涙が止まらなく
何かにきっかけで泣いてるのではなく、トットちゃんの目線を通して見る世界に心に刺さる感じで、こーいう感じで泣いた映画は初めてでした。
あいみょんのエンディング中は涙がとまらなかったな。あの本がなぜベストセラーになったのか、40年過ぎてようやくわかった
ありがとう😭
トモエ学園という存在
トットちゃんや泰明ちゃんのような事情を抱えた子どもたちにとって、トモエ学園の存在は本当に大きかっただろうなと思いました。
子どもたちを優しく見守り、好奇心や自由を大切にする教育は当時は今以上に斬新だったと想像します。
トットちゃんと泰明ちゃんのエピソードはどれも心温まるものばかりでした。
特に泰明ちゃんがトットちゃんに挑んで、手加減されて「ずるいです!」と怒るシーンは印象的です。
戦争や小児麻痺など今と時代背景が違う部分がありますが、トットちゃんのような好奇心や優しさは大事にしないといけないなと感じました。
”父の葛藤”
「トットちゃんの父が軍の音楽家になるか否かを葛藤するシーン」が特に印象に残っている。
満足に食べるものが得られない家族のため、自分の音楽が戦争に利用されるのを良しとするのか。自分の音楽が利用されるのを許さず、自分の音楽に対する”思い”(誇り・プライド)を優先するのか。
家族の為、自分の音楽に対する”思い”を捨てて軍に協力するというのが、合理的な選択であるように思う。鑑賞中には、自分の”思い”を優先し、家族に我慢を強いるという選択をした父に、「それでよいのか?」という感想を抱いた。
しかし今、振り返って考えると、どちらがよかったのかがわからなくなった。
家族の為を思って、自分の音楽に対する”思い”(誇り・プライド)を犠牲にするというのは、”父として”よいことのように思われる。
ただ、その重要な”思い”を捨ててしまえば、父自身の精神はどうなるのだろうか。
自分にとって本当に大事な、根幹の部分を曲げてしまったら、父の人間としての何かが狂ってしまうのではないだろうか。
他者のために自分を犠牲にするのは確かに美しいように思う。
家族のために父が自分の”思い”を押し留めるという方が、どこか正しいような気がしてしまう。
しかし、本当にそれは”よい”ことなのだろうか。自分にはわからなくなった。
徹子さんの原点
おてんばで、いつも服を破いてばかりのトットちゃん。お母さんやお父さんの愛情を受けて育ってきたのを感じられた。
外国の侵略から日本を守らせる教育環境の中で、トモエ学園のトットちゃんは個性を大事にされて、先生に守られながら自立していったのかなぁ。
子ども達が日本の未来を支える人材になってほしいと願われる一方、一人一人の子供の個性が軽んじられてしまうのは、不登校の生徒さんが多い今の社会でも同じこと。
このジレンマの中で、トモエ学園のような、社会が子どもを受け入れる環境を今の日本にも増やしていくには、どうしたらいいか。
私はADHD傾向があり、トットちゃんの行動の一つ一つにシンパシーを感じている。
同じような人が行きづらさを抱えないように、自身の経験を語っていき、多くの人を支えること。その行動が、上記の環境を増やすための足掛かりになると信じている。
今回の映画で、多くのヒントを得られたと思う。
トットちゃんかわいい
素晴らしい映画
生き生きとしたこどもたち、そして大人たち。
こんなに可愛くて魅力的なこどもを無理に枠にはめたりつまらないレッテル(発達障害って呼び方変えようよ)貼っちゃいけないってつくづく思いました。教育は難しい。社会に適応させるためという大義名分があるのかも知れないけど、でも結局嫌なんだよね、教師自身が。自分の常識から外れちゃうこども(人間)がいるのは見たくない。これって先生に限った話じゃなくてそういう人って多いんだよな。だから苛めはなくならない。
戦前から戦中へ、戦争へと向かう時代、現代から見れば最悪の暗い時代に、このような開かれた学園が存在し、そして内面的に豊かな教育(電車の搬入を見たがるこども達に学校へのお泊まりを許可しちゃう、財布を落としたこどもの肥溜め漁りを止めることなく、しかも後始末までするよう指示するなんて、これってすごい)が存在したんだなと感動した。トットちゃんだけでなく、お父さんもお母さんも先生も他のこどもたちも、いいとか悪いとか、そんな個人的価値判断なんて超越したところで、みんな生き生きとしていて、こういうのっていいなあって…気がついたら泣けてました。
泣いたー感動したー大人もおすすめー
やすあきちゃんの生きた証
自らのハンデから、家でも学園でも本を読む事が生活の中心であったやすあきちゃん
校長先生やトットちゃん友人たちとの交流の過程で、観ながら思わず声を上げて応援したくなる木登り、二人三脚などの場面
腕相撲でわざと?トットちゃんが負けた時のものすごく怒った顔、
そして水の中で手足の不自由を感じる事なく思いっきり身体を動かす姿の描写、
どんなにハンデがあっても周りとの関わりの中で成長していく、彼の秘めたエネルギーがとても伝わり感動し泣きました。
そして土で汚れた彼の洋服を微笑んで見つめるお母さんの嬉しそうな顔、受け止めきれないであろう葬儀での悲しみ
この映画を観て彼の成長から死がとても丁寧に描かれていたところに一番ひかれました。
そしてやすあきちゃんの短い生涯の中に、凝縮された生きた証を無意識のうちに与えた窓ぎわの席を選んだトットちゃん「ほんとにいい子・優しい子」でした。
もう一度すべての画面にゆっくり触れてみたいと思う、とても印象に残る映画を観る事ができて幸せでした。
原作者の黒柳徹子さん、この映画の制作に携わった関係者の方皆さん本当にありがとうございました。
私の身近に生まれた7ヶ月の子にも「すごいエネルギーで優しく」成長してほしいと思いました。
黒柳さんが40年以上許可しなかった原作をアニメ化する覚悟が見えた!
超超有名な「窓ぎわのトットちゃん」のアニメ映画化作品。
私はモロの世代なのに、読んでない!(苦笑)
第二次世界大戦が始まる数年前、
普通の小学校に入学したトットちゃんは
好奇心が旺盛で、
この世界の色んなことが気になって
ジッとしていられない性格。
戦争前夜の日本の学校において、
「帝國臣民」に相応しくないトットちゃんは
厄介者として小学校を退学になってしまう。
で、トットちゃんは子供の自由な発想や
行動を尊重する小学校、
「トモエ学園」に通うようになる。
そこにはトットちゃんと同じように
自由に自分の好奇心を満たす子供たちや
「帝國臣民」に相応しくないと言う
レッテルを貼られた体の弱い子供たちも
のびのび暮らしていた。
トットちゃんが繰り広げる
イマジネーションの豊かな世界が
存分に描かれ、ほっこりした後に、
やがて、戦争と言う愚かな行為によって
その世界はどんどん息苦しくなってゆく。
後半の山場、トットちゃんの疾走のシーン!
その背景の情景が観るものの胸を締め付ける!
やがて弟が生まれお姉ちゃんになったトットちゃん。
戦争の足音に翻弄されながら
それでも成長して行く姿は止まらない。
逞しい!!
けしてお見逃しなく!!
で、
月に8回ほど映画館で映画を観る
中途半端な映画好きとしては
出版当時から黒柳徹子さんが何かのインタビュー等の折に
この本の内容を色々説明されていたので
トモエ学園の素晴らしい日々については
少しは知っていましたが、
その後に戦争が激しくなって、
どんどん自由が無くなって行く様子が
これほど丁寧に描かれているとは思わなかった。
小学生のトットちゃんが理解できない深い事情は
言葉では説明されないのだけど
仲良しの男性駅員さんが突然女性駅員さんに変わっていたり
トモエ学園の講堂のそばにあった見事な藤棚が
いつの間にかへちまの蔓棚に変わり、
校庭には野菜畑が広がる。
洋風の屋根飾りが二宮金次郎に変わっていたり
近所の子供の遊びが戦争ごっこに変わっていたり
自宅で飼われていた立派な大型犬がいなくなっていたり
一瞬の場面場面で差し込まれるそのワンショットワンショットが
だんだんに観ているこちらの胸を抉るものになってゆく。
鑑賞した多くの方が指摘している通り
昭和のこの時代に子供の絵本によく使われたタッチの
キャラクターデザインが、
現代の感覚では好みが分かれるところで、
女性はともかく、男の子の顔つきや
大人の男性なのに妙にテラテラした唇とかは
若干慣れないけれどもそこを我慢しても、
不穏な世界情勢や、
日本の防衛費が増大されようとしている今
絶対に観ておくべき映画だと思います。
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