「最高の実写化」はたらく細胞 いぬわんわんさんの映画レビュー(感想・評価)
最高の実写化
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原作既読(無印途中まで/black)、アニメ視聴済(無印途中まで/black)です。
はじめこそ、拭えないコスプレお遊戯感にあーそんな感じね、とちょっと姿勢を崩して見ていました。とはいえ、やはり翔んで埼玉を成功に導いた監督だけあって、描き方のバランスがいいので決してひどく冷めさせることはなく、肩の力を抜いて見ていいんだよ、というニュアンスです。
そんな感じて舐めてかかってたので、後半になっての展開で一気に攫われてしまい、最後にはボロボロ泣かされてしまいました。放射線治療ってそういう仕組みなんですね…かなり勉強になりました。
本作が一部始終のまとまった映画だからできる、主人公たる細胞の死と再生をしっかり描いてくれた点は、連載ものの原作では出来ないものであり、かなり好印象です。あと細かいところですが、原作では笑うとNK細胞が活性化するという描写があり、これは割と学術的には眉唾だと言う情報があってずっと違和感を持っていたのですが、それがうまい具合に人間パートのシーンで消化されていて個人的に感嘆しました。
全体として、実写化の弱みをうまいことカバーしながら映画としての強みを活かし、構成は大胆に作り変えて原作と付かず離さず作られたかなりバランスの良い映画で、実写化として最高の出来だと思います。
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