劇場公開日 2024年12月13日

「映画「はたらく細胞」は、細胞を擬人化し病気と戦わせるという原作漫画...」はたらく細胞 Syochan17さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0映画「はたらく細胞」は、細胞を擬人化し病気と戦わせるという原作漫画...

2024年12月17日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

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映画「はたらく細胞」は、細胞を擬人化し病気と戦わせるという原作漫画のコンセプトを引き継ぎつつ、実写化という高いハードルを見事に越え、笑いと涙の物語へと昇華させた。監督の力量には驚かされた。
抗がん剤をミサイルに見立て、放射線治療をオーロラが地上に降りてくるような幻想的かつ壮絶な光景で描く演出は、細胞たちの生活の場が次々と破壊されていく様子を通じて、患者の苦痛や戦いの過酷さを如実に表現している。
俳優陣も細胞役を生き生きと演じ、作品への深い理解と存在意義を示している。
この映画は日本映画の底力を感じさせるものの、内容の面白さを外国語化し、吹替を含めて子供でも理解できるようにするには相当な労力が必要だろう。
映画館の大スクリーンで観ることの素晴らしさを改めて実感させてくれた作品である。
また、細胞たちの世界が無残に変わり果てていく描写は、ガザが「正義」によって瓦礫になるまで破壊された姿を思い出させたのは考えすぎだろうか。この壮絶な描写は、単なるエンターテインメントを超えて、現実世界の戦争や破壊の悲劇を想起させる力を持っている。

Syochan17