「加速する勢いのまま転がり落ちていくようなクライム・スリラー」ソフト/クワイエット moroさんの映画レビュー(感想・評価)
加速する勢いのまま転がり落ちていくようなクライム・スリラー
ワンショット風で、加速する勢いのまま転がり落ちていくようなクライム・スリラーです。
いまも身近などこかで起きているような、日常のなかにある狂気が感じられ、ちょっとしたホラー作品よりもゾッとさせられるものがあります。
胸糞が悪くなるストーリー展開ではありますが、タイトルからして皮肉が効いています。
加害者となる主人公たちは、一貫して不快で愚かに描かれています。
周囲の人々も、彼らを冷めた目で突き放しています。
偏見をもつ主人公たちはコミュニティでも肩身の狭い思いをしているのでしょう、自分たちの思想を「やさしく/ひそやかに」広げていこうと話し合います。
しかし、実際には品がなく粗暴きわまりない行動を起こしていき、じわじわとクライムサイドの沼へはまり込み、抜け出せなくなっていきます。
最後まで彼らを救いようのない人物として描いているのは、むしろ痛快でもあります。
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