ウィ、シェフ!のレビュー・感想・評価
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オドレイ・ラミーの笑顔がなんとも言えず素敵
予告編を見てなんとなく面白そう、と鑑賞。
結果、大満足。ああ、家に持って帰りたい!
片肘をはって彼女なりのプライドにこだわっていたカティ。
エシャロット剥きテストでは見本を見せず、相手を認めず行為だけで是非を判断した彼女が、ロレンゾの言葉で劇的に変わっていく。
畑のシーンではしっかりと手本をやってみせて、ともに喜び、相手を認める大人のスタンスに変わる。
やってみせ、言ってきかせてさせてみせ…という言葉を思い出した。
最初のチームプレイのメンバー発表シーンは胸が熱くなった。
踊りながら掃除をするシーン、ママドゥの電話のシーン、ロレンゾが優勝杯贈呈リハで怒るシーン…大好きなシーンをあげればキリがない。全部好き。そして泣いた。
一人一人を大切に、夢を尊重しあい、その子そのものを愛すこと。
誰かのために役立てるように、一生懸命学ぶこと。それを仕事と呼ぶこと。
カティは少年たちに料理という仕事を教えていく。
それは本来の料理人としての仕事とは少し違うけれど、今までプロとして努力してきた彼女だからこそ、彼らのためにできることだった。
キャラクターがみんなチャーミングで、勇敢で、そしてハッピーなだけじゃなくて、少ししょっぱくてほろ苦い。
きっとこれから何回も見返したくなる時がくると思う。
大好きな作品に出会えて嬉しい。
骨年齢
樹も樹齢があるように骨にもその年輪が刻まれる それを科学的に証明されれば正体も明かされる その非情な線引きに拠り、可能性の賽は分断される その理不尽ながら整合性の保持という現実をテーマにした作品である ラスト前で、食堂へ通ずる通路に掲げられている肖像写真には現実を突きつけられる苦い戦果が刻まれる
圧倒的に敗戦の"旅団"なのだ 強制退去になった隊員は果して可能性を堅持できているのだろうか? 多分打ち拉がれている事であろう 本当の旅団ならば、敗戦=死であり、その後の人生を慮る事はない 現実はより一層過酷であり、しかしその若さが可能性を炭火の如く、燻してるかもという観客の淡い期待を想起させる 本当に今作は罪作りなプロットかも知れない(苦笑
主人公のクライマックスのアイデアは、意表を突く提示ではあり、それ自体作品としての転がりを大いに愉しませて貰ったが、そもそもあの施設内に滞在する若年移民に対する調理への感心度が明確ではない為、一般的にコック及び配膳、若しくは料理店経営を目指す割合の明示が織込まれていない為、恣意的なストーリーテリングになってしまったのが残念なところである 勿論、"物語"が前提なのだから、あの施設のみ突出しても構わないのだけど・・・
元々、実家は料理店だった しかし、その仕事内容の厳しさ故、内輪にいる自分としては、とてもじゃないけど継ぐなんて事を考えられなかったし、営んでいた家族でさえ、継がそうなど奨めはしなかった とんでも無い酷い洗剤での皿洗いは、あっという間に手指に痒みと荒れをもたらす 舌で味の判別等、興味がなければどれも味は一緒であり、細かい追求などどうでもよい "バカ舌"は神経ではなく、"意志"がそれを判明する手掛かりなのだ それ以上に大事なのは『手先の器用さ』 勿論、不器用でも興味の枯れない探求、そしてなにより"成功体験"を土台とした根拠無き"自信" この大いなる勘違いの自己暗示の末に、コックという職業を勝ち取るのであろう
偶々、暖簾を潜ったコーヒー専門店にて、店主に種類の見分け方を尋ねたが、結局味を覚えるという、努力規定の領域を諭され、完全に諦めた 味なんて覚えられるかってんだ(苦笑
その後、何が美味しい、不味いという概念そのものが一気に吹き飛んだ 自分の人生にとって"味"などなんの彩りをもたらさないという現実を教授できたのである
才能を見出すという意味での、今作のメッセージ、非常に素晴らしい そしてその他の、あのちょくちょく登場する無視する(聴覚障害なのか?)青年は、どうなったのか、そこが抜け落ちていることが惜しい次第である
料理好き、食べるのもっと好き
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この手の作品は自分のツボなんだと思います。
料理を作るのが好きだし、食べるのはもっと好き😍
正直、ありがちなストーリーではあるし
TVショーのひと幕に無理やり感はあったけど(笑)
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腕はいいのに人付き合いがうまくないため
店を辞める事になったシェフカティの殻を破るのは移民の青少年たち。
故郷に残した家族のために学び、稼ぐ事は難しい事だと
思い知らされた彼らに、更なる現実が重くのしかかります。
移民問題が大きな問題となっているフランス🇫🇷
故に彼らが本当に未成年であるかどうかを
骨年齢を調べる徹底ぶりですが、未成年は良くて
成人だったら国外追放とは何故なんだろ🤔
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「この国には全てが揃っていると思っていた」
プロサッカー選手を夢見ていたジブリルの言葉が期待と夢に満ちていた彼の絶望感を言い表しています。
きれい事だけではなく、学べる環境を整えても
退去させられた人数が少なくない事も描かれており
リアリティありますね。
思ったよりも社会派な映画
才能はあるのに周りと拗らせたシェフが、自身の希望とは程遠い職位に就き、問題児だらけの少年移民者に料理を教える。
ちょっとした事件をきっかけに、バラバラだったチームが一丸となり、とある大会に出場し見事勝ち切りハッピーエンド!
「フラ・ガール」みたいw
見ている私たちはそんなカタルシスを得る…
そんなことを勝手にイメージしてました。
しかし、思ったよりも社会派な映画です。
特に、ラストの生中継の料理番組の演出は上手だと思いました。
あの店内にカティの姿はなく、移民少年たちだけでお店を回してるんですよね。
自立した組織として、各々が役割を担い、社会に貢献しているさまを描いていました。
「やったー!優勝だー!」みたいなスカッとするエンディングではありませんでしたが、考えさせられるテーマを置いていったエンディングでした。
腕は一流なのに周囲との協調性に難がある女性シェフ。移民少年たちの保護施設の料理人になってしまう。少年たちとの衝突や交流を重ねていく内に、彼女の心も次第に和らいでいきます。
最初はノーマークだったのですが、イエロー基調の
ポスターを見ている内に気になり始め、作品紹介を
読んでみたら面白そう。という訳で鑑賞です。
一流レストランで働いていたスーシェフのカティ・マリー。
料理に対する自負が強く、シェフの要求を無視して
料理を出したことからクビになってしまう。
次の仕事を探していたところ目についたのが
「夢のある施設の料理人募集」 …?
友人の運転で出向いてみるが、そこにあったのは
レストランに見えない建物。 …?
それもそのはず。そこは移民少年を保護する施設だった。
”募集に書いてあった事と違う”
”話が違う。騙された”
腹を立てて立ち去ろうとするも、友に諭される。
「貴方失業中でしょ?」
「ここで半年も働けば、自分の店も出せるわよ」
うーん…。
悩んだ末に、ここで再出発することに。
任されたのは施設に居る数10名分(!)の食事造り。
孤軍奮闘で、フランス料理を調理。
あくまでも一皿ごとの盛り付け(!)にこだわるカティ。
だが…とにかく手が足りない。
施設長に相談。
入所している少年たちを手伝いに使うことに。
「何人くらい必要?」
「3名位」
ところがフタを開けてみれば、10名も集まってきた。
しかもその10名、料理に関して「ど素人」。
彼らにあるのは 「好奇心」。
足りないのは… 「知識と経験」。
”基本から教えなければ”
こうして、否応も無く料理指導が始まる。
階を重ねていく内、カティにも次第に分かってくる。
# みんな料理に対して素直な感受性を持っていること
# 成人までに無職だと元の国に強制送還されること
実は自分も施設の出身だったカティ。
次第に指導にも熱が入り始める。
そんな中
施設長が職業訓練の一環で「調理師コース」を開設する話を
まとめようとしていた。
その動きを支援しようと、カティと少年達か行動する。
はたして彼らはしようとしているのは何…?
というお話です。はい。
◇
一匹狼の女シェフと世界各地の移民たち。
フランスは移民大国らしいのですが、それゆえの
様々な問題も少なくないようです。
その移民問題をお話のテーマにし、
現実問題を訴えつつ、未来への希望へも光をあてる。
そのような作品になっていました。
基本的にコメディタッチです。なので
余り深刻な展開にはなりません。
一部の子は料理人見習いとして仕事に就けフランスに残れた
ようなエンディングでしたが、本国に強制送還されてしまった
移民の子の方が多そうな感じでもありました。・_・;
やはり現実は、移民に厳しいのかもしれません。
◇最後に
実在のシェフがモデルになっていると後に知りました。
実在シェフを演じた役者さんの紹介を読んでいたら
「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」
にも出演していたとの事。
確認してみましたが、役名の記載はありませんでした。
何の役だったのかな。気になります。
(もう一度観てみようかな)
それと、タイトルになっている「ウィ・シェフ」
「ウィ」という言葉が優雅な響きで、なんかいいですね。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
最高でした
移民問題も提示してはいるものの、テンポの良さから終始重くなりすぎない脚本と演出がすばらしかった!
カティの過去と難民の少年が重なっていき、頑なだったカティがどんどん少年たちと絆を強め変わっていく姿に思わずうるっと…
クライマックスに向けての料理番組の流れはたたみかけてくるのでかなり声出して笑っちゃいましたが、いけすかない女の番組を利用し少年たちの居場所を作る踏み台にしたかったんだなと見終わって腑に落ちてまたちょっと泣きました。
ギュスギュスが~本当にかわいい~😭
みんなキャラが濃くて良い!
主人公のカティさん、尖ってそうで最初からけっこう優しい人でしたw
そして、子供達も以外と無邪気で素直。移民の子供の施設ということでもっと問題児が出てくるかと思いましたがそうでもなく、ほのぼの系です。
強制送還されてしまうのは悲しいけど、ほろりと泣ける程度かな。
ストーリーもシンプルだし、上映時間も90分ちょいなのでサクッと見れます。
舌鼓を打つ
楽しげなポスターを観て気になったので鑑賞。
移民の子供たちが集まった施設に、前職のシェフを辞めて自分の店を建てるための開業資金を貯めるためにやってきたカティと子供たちの交流、葛藤を描く物語。
全体的にもっとポップな描き方なのかなと思っていましたが、移民問題をしっかりと取り上げますし、陽気な音楽はそこまで鳴らないので思っていたものとは違いましたが、なかなか良い作品でした。
最初は反発していたカティと子供達ですが、最初から懐いてくれる子もいれば、徐々にというか急激に距離を詰めたりして、料理の作法・手順を学んで、それを学習にも活かしていくという流れが素敵でした。
子供達もどんどん笑顔になっていきますし、料理する立ち位置をサッカーのポジションに例えてもらってからはウキウキで楽しそうでした。こういうの観たかったんだよなぁって感じの絵面でした。
移民問題の複雑さもしっかり描かれており、18歳を超えていたら強制送還、移民は冷遇されて職や進学も怪しいという、様々な問題を抱えた彼らにとっては辛い状況だろうなと思いました。
もう少し簡潔に描いてくれれば良かったんですが、途中途中入っては料理を作り…の流れが多かったので、移民の部分はしっかり一つ描き切って欲しかったなというのが本音です。
「THE COOK」という番組にカティが出て、他の料理人と戦ったりしますが、イマイチこの番組のルールやどう勝利するのかの基準が分からなかったので、この番組が展開されていた場面はピンとこないシーンが多かったです。
ディレクターサイドの声や、司会者が慌てまくるシーンも多く映されていましたし、子供たちがなぜか厨房に立っててカティは家で見てるという不思議な構図。中盤まで高まりが良かっただけに、このシーンは失速したなと思いました。子供達の進路が一気に開けていったのは良かったです。
カティ自身も施設で育っており、そこからシェフへの道を歩き出したので、子供達の境遇にとても寄り添いますし、子供達の育成に協力して子供達のための調理学校まで作り上げる(施設の責任者の手伝いもありつつ)と、ある種自分の店を持つ夢を叶えて終わる感じは、唐突かつ急ぎ過ぎな感じもしましたが、大団円なのでスッキリした終わり方でした。
もっと料理が美味しそうだったらなぁとは思いましたが、100分未満の尺でサクッと観れるので満足度は高めの一本です。
鑑賞日 5/11
鑑賞時間 12:40〜14:25
座席 E-12
洗い場はキーパー
カティも子供たちもそれぞれ事情があるだけで、コミュニケーションを取れば歩み寄れる。
変遷はやや性急だが、気持ちのいいキャラクターばかりです。
レシピが変わっていなかったところを見るに、元の店のシェフも悪い人ではないのかも。
サッカーに例えて指示を出すカティ、調理や食材に関わることわざを学ぶギュスギュス。
そういった、相手を理解し寄り添おうとする描写が非常にお見事。
明るくなっていくみんなの表情に、ノリノリの挿入歌で自然と笑顔になれます。
子供たちはもちろん、ロレンゾ、サビーヌ、ファトゥも魅力的で、もっと見たい。
夢を語るジブリルの瞳が印象的だっただけに、アッサリ送還の流れは哀しかった。
最後は賞金で店を出し、みんなを雇うのかと思ったら。。確かにそれだと数人しか救えないですもんね。
ご都合主義かつ番組構成が分かりづらかったが、結局送還されたメンバーも多く、苦味もあり。
指導者であり母のようにもなったカティは、人を笑顔に、幸せにする料理の原点に立ち返る。
子供たちを実際の移民から選んだところからも、この作品が軽いだけのコメディでないことは分かる。
しかし、重くならず爽やかに見せるバランスが絶妙な秀作でした。
【有名レストランのスー・シェフが移民の少年達に料理指南をした訳。移民問題の厳しい現実を描きながらも、ラストの捻りの効いたフランス版”料理の鉄人”シーンには留飲が下がった社会派コメディ映画である。】。
■料理人のカティ(オドレイ・ラミー)は、一流レストランのスー・シェフとして働いているが、料理の味付けでシェフと衝突し、自ら店を辞める。
そして、新たな”店”に行くと、そこは移民の少年達が暮らす支援施設だった。
施設長(フランソワ・クルゼ:足が未だ悪いようだが、驚異的な回復力である!ホント、スイマセン・・。)に”キッチンが汚い、お金が無い!”と言っても予算は限られていると言われてしまう。が、施設長から”彼らを使えば良いじゃないか”と言われ・・。
◆感想
・最初はバラバラだった施設職員、移民の少年達が厳しいカティの元で料理の修行をするうちに団結していく姿に魅入られる。
ー カティが”私の指示への答えは”ウィ、シェフ!ね!”と言って最初はブー垂れていた少年たちが段々嬉しそうに、”ウィ、シェフ!”というシーンは可笑しいが何だか沁みてしまうのである。-
■劇中で語られているように、カティ自身が親のいない施設育ちであった事。自らの名前も分からず後から付けた事が分かるシーンから、今作はググっと面白くなる。
■一方、仏蘭西では未成年の移民は18歳までに手に職を付けるか、学校に行かないと国外追放されてしまう厳しき現実も今作では、キッチリと描かれているのである。
言葉の壁、厳しい骨密度まで測る年齢制限、職業訓練校の狭き門・・。
<それに対して、自分の指示に一生懸命応えようとする少年たちの事を案じてカティが打った奥の手が正に拍手喝采である。
フランス版”料理の鉄人”に出場し決勝戦まで残り、迎えた夜。
カティが決めた店の扉が開かない。焦るアナウンサー。戸をこじ開けようと唸るドリル。
そして、漸く店に入ると壁いっぱいに張られた移民たち少年の写真や、料理専門の職業訓練校を作って!というコメント。
更に奥に行くと、満面の笑顔の移民たち少年の故郷の御馳走が沢山!
オジサンは、こういう展開に物凄く弱いんだぞ!涙が溢れたじゃないか!
今作は、ユーモアを交えたタッチで大きな社会問題になっている移民問題に一石を投じた社会派コメディなのである。>
(先行オンライン試写会はネタバレがなくてもネタバレ扱い)
今年136本目(合計787本目/今月(2023年4月度)31本目)。
少し遅くなりましたが…。
fanvoiceさまのご厚意で見ることができました。
国は違えど、最近、ヨーロッパの各国への難民を扱った映画が多いですね。「トリとロキタ」もそうでしたし。本作も概ねそれにならいますが、タイトルからわかる通り、料理のウェイトのほうが多いです。
日本でもどこでも難民は基本的に返されることが多いですが、法務大臣(日本基準)の裁量に任されているところが多く、「そもそも明確に難民」(送り返すと危害が及ぶことが明らか)である場合はもちろん、「一定の専門的職業についていて自立が確実に認められる」場合には許可されることが多いようです(後者はヨーロッパだけ?)。
結局、料理ネタと難民ネタを足して2で割ったような内容で、難民問題といえば「トリとロキタ」を見て評価が高いなら高評価になると思います(その逆もしかり)。
料理(調理)パートでやや難しい専門用語が出ますが、一般的な知識から類推可能です。
なお、減点として大きなところはないのでフルスコアにしています。
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