「【有名レストランのスー・シェフが移民の少年達に料理指南をした訳。移民問題の厳しい現実を描きながらも、ラストの捻りの効いたフランス版”料理の鉄人”シーンには留飲が下がった社会派コメディ映画である。】。」ウィ、シェフ! NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【有名レストランのスー・シェフが移民の少年達に料理指南をした訳。移民問題の厳しい現実を描きながらも、ラストの捻りの効いたフランス版”料理の鉄人”シーンには留飲が下がった社会派コメディ映画である。】。
■料理人のカティ(オドレイ・ラミー)は、一流レストランのスー・シェフとして働いているが、料理の味付けでシェフと衝突し、自ら店を辞める。
そして、新たな”店”に行くと、そこは移民の少年達が暮らす支援施設だった。
施設長(フランソワ・クルゼ:足が未だ悪いようだが、驚異的な回復力である!ホント、スイマセン・・。)に”キッチンが汚い、お金が無い!”と言っても予算は限られていると言われてしまう。が、施設長から”彼らを使えば良いじゃないか”と言われ・・。
◆感想
・最初はバラバラだった施設職員、移民の少年達が厳しいカティの元で料理の修行をするうちに団結していく姿に魅入られる。
ー カティが”私の指示への答えは”ウィ、シェフ!ね!”と言って最初はブー垂れていた少年たちが段々嬉しそうに、”ウィ、シェフ!”というシーンは可笑しいが何だか沁みてしまうのである。-
■劇中で語られているように、カティ自身が親のいない施設育ちであった事。自らの名前も分からず後から付けた事が分かるシーンから、今作はググっと面白くなる。
■一方、仏蘭西では未成年の移民は18歳までに手に職を付けるか、学校に行かないと国外追放されてしまう厳しき現実も今作では、キッチリと描かれているのである。
言葉の壁、厳しい骨密度まで測る年齢制限、職業訓練校の狭き門・・。
<それに対して、自分の指示に一生懸命応えようとする少年たちの事を案じてカティが打った奥の手が正に拍手喝采である。
フランス版”料理の鉄人”に出場し決勝戦まで残り、迎えた夜。
カティが決めた店の扉が開かない。焦るアナウンサー。戸をこじ開けようと唸るドリル。
そして、漸く店に入ると壁いっぱいに張られた移民たち少年の写真や、料理専門の職業訓練校を作って!というコメント。
更に奥に行くと、満面の笑顔の移民たち少年の故郷の御馳走が沢山!
オジサンは、こういう展開に物凄く弱いんだぞ!涙が溢れたじゃないか!
今作は、ユーモアを交えたタッチで大きな社会問題になっている移民問題に一石を投じた社会派コメディなのである。>
先ほど観賞しました。カティがジブリルとお互いに向き合ってサッカー話で打ち解けるシーンに感極まりました。しっかり移民問題に向き合う内容も良かったです。