片思い世界のレビュー・感想・評価
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そういう片思いだったのか!
映画・ドラマでトップを走る若手女優3人(広瀬すず、杉咲花、清原果耶)と日本アカデミー賞最優秀主演男優賞の横浜流星が出ているとなると、それだけで十分見応えあるだろうと勝手に想像。
個人的には清原果耶推しなんだけどね。
で、誰に「片思い」するのかと思いきや開始からしばらくして、恋愛ものではなさそう、何か違うんじゃない(バス、コンサート会場、赤ちゃん)、この3人はこの世にいないんだと分かり、物語に没入していった。
最後は心地よい感情に包まれ、この世への未練じゃない深い愛が感じられた。
終盤の小学生の透明感のあるコーラスが胸に沁みた。
美咲、優花、さくらの3人だけのコーラスも良かった。
3人の子役がとても可愛いかった。
清原果耶のツインテールが可憐。
「青春18×2…」は素晴らしかったが、この映画も絶賛したい。
こういう真っ直ぐな演技が彼女の真骨頂のように思う。
西田尚美の彩芽(優花のお母さん)は鬼気迫るものがあり迫力満点。
車中で増崎を包丁で刺そうとしたことには驚いたが、優花が好きな三日月型のクッキーをハンカチに包んで持っていたことが分かり、愛されていたことに気付いた優花が号泣するところで、思わずもらい泣き。
横浜流星は「正体」でも感じたが、儚い表情が凄い。
演技がウマイなあ!
「音楽げき 王妃アグリッピナの片思い」の台本を見つけ朗読、映画の主題を回収するところ、胸を打った。
松田龍平どこに出ていたんだろう?
調べたらラジオの人だった。
意外だった。
声だけの出演はもったいない!
滅多にパンフレットは購入しないが、今回は購入。
分厚い!紙質がいい!解説がいい!
多くの人に是非観てほしい映画。
大人のファンタジー。
2519
こんな三人娘がこの辺りにいるかも
こんな素敵な三人娘がこの辺にいるかもと考えると、今生きている世界が美しく見える。
幽霊になっても人間らしく、それ以上に成長した娘たち。
自分もこの様に生きて行かなくてはと思いました。
追伸
横浜流星が再生するところは涙です。
「線は僕を描く」みたいでした。
合唱🙏
レビュータイトルは合掌と合唱を掛けてます。上映後舞台挨拶中継の回を鑑賞。まずキャストと大枠が決まってからの制作で、また中断したり完成が危ぶまれる時間もあったとのこと。このサイズの作品でも止まるのかと驚いた。まずは完成されたことおめでとうございます。
タイトルの意味はこちらの世界へ片思いしている世界と。物語については今回ノーコメントにしようかと思ったんだけどちょっとだけ。坂元裕二は時間空間の距離と関係性に特徴を持つ作家だと思うんだが、前作1st kissに続いて超自然的な設定を持ってきたなあと。マタゾウ的には現実社会を舞台にした方が好きかなと思った。
主役3人については、広瀬すず杉咲花の超小顔二人と並んで清原果耶がちょっと大きく見えちゃったな、なんて。
かつてない開放感。期待を超えた作品
共同生活は楽しそうで、インテリアも可愛くて、三人とも美少女で(年齢的には美女だが、もう少女というしかない!仲良し同士が楽しく暮らせば、こどもに還るはずだから)。それをただ見ているだけでも十分癒やされるのだが、しっかりとしたストーリーがある。
売れっ子なだけではなく、横浜流星(べらぼうの蔦重とは似ても似つかないおとなしい青年っぷりに感嘆!)を含めた実力を備えた若手4人の競演。
しかし、こんな設定は予想外だった。可愛くて、周囲にチヤホヤされてきたであろう旬の女優さん3人が、誰からも見えない存在になってしまうとは!
私は広瀬すず演じる美咲が会社の飲み会で隣の人に無視されるところまで気づかなかった。
坂元裕二さんの脚本に惹かれて、これまでずっと見てきた。ラブストーリーでも社会性を散りばめた辛口が嘘のない感じで快い。
今回は賛否両論分かれると聞いて、失望するおそれを試すように見たが、しなかった。やはり見てよかった。
現実の児童連続殺傷事件への怒りを隠しきれない構成。許すことは絶対にできないという強烈なメッセージに震えた。犯人の手記を出す出版社への疑問も。
そして、犯人に更生はできなかったことをこんなにリアルに描かれると、日常に怪物が潜む危うさに身の毛がよだつ。
一番幼かったさくらは、なぜ殺されたか、理不尽の解明に立ち向かおうとするが、犯人に向き合うと、尻もちをつく。怪物と「幽霊」の対峙。緊張した。さくらは何を悟ったのか。
「それでも、生きてゆく」でも描かれた殺人犯の闇。理解も解決も描かれない。偶然の?交通事故で重体になった犯人の結末は明かされない。
反動で際立つのが被害者たちの無念とその親や友人の深い鎮魂の思い。生命のレイヤーがあったら、残した思いがつながれる日が来るかどうか。壮大な実験。ラジオの男の発言の真偽はわからず、3人は新たな居場所を求める。
今まで考えてこなかった世界の扉をまた開けてもらったような開放感に包まれ、平和の象徴のような合唱シーンに、ただ心が洗われていった。
何があってもこっちにいたい。いい人間でいたい。たとえレイヤーが 変わっても同じ美しさを感じていたい。
『新感覚ゴースト』ストーリー 廃墟探し。
舞台挨拶付きを 鑑賞してきました。脚本家さんの 思いが よく伝わってきました。どのように して このストーリーが 生まれたのか? など。でも 映像にすると 1つ1つの 事柄が 大雑把すぎて。不思議だし 何故?って そんな 箇所が スゴく 多すぎて。。 当たり前に 思ってた 死後の世界観とは まるっきり かけ離れたもので 何でも 出来ないことでも 可能になる マンガの世界観では? でも 生きている時と 同じような 事をしないと ダメなものや ご飯食べて 年齢も 体も 成長していて 不思議でしたね。まさに『新感覚ゴースト』ですね。被害者 母と 加害者の 接見シーンは なんか もっと どうにか 出来なかったのか?って 思いました。もっと もっと ハラハラ ドキドキ感とか 重苦しいものが 観たかったかな。それだけ 大きな事件だったので。最後は 天罰を受ける事に。。でも 死では なく重傷で。。 こうなると ラストに もぉ 一波乱あるのか 想像してたんですけど。。 加害者が また 凶器を持ち 舞台に上がってきて。。とか。それは ありませんでしたね。彼女たちが 亡くなった直後から 小学生3人が 廃墟(マイホーム)探しから 生活に 必要な 知識を 自分達で 学びながら 成長していく 過程を 観て目頭が 熱くなりました。。ん~ 最後に お引っ越し。だけ? そして エンドロール。大きな荒波も 立たず。。ここまで来たなら 3人 この世に 戻って来て ほしかったかな。
監督のこだわりを感じた
前半は幽霊恋愛コメディかと思いきや、後半は感情揺さぶるシリアス展開に!
印象に残ったのは、幽霊たちは結局最後まで何一つ現実へ干渉できなかったという点。こういうのって、普通はヒロインの想いや叫びが一瞬だけ届いてしまうということをやりがちだが、監督のこだわりなのか一切無かったね。そのせいでカタルシスはゼロ。思いが届いてしまったり、生き返ったりしてしまうようなカタルシス満たしバージョンも見たかったが、それをやると映画としての完成度や意外性が下がるはず。(面白さは上がりそうだけど。)好みによるってところですかね。
車内に閉じ込められた赤ちゃんを救ったり、殺人犯がタイミング良く車に轢かれたりと、偶然なのか思いが通じたのか、「真実は観客の想像に任せます」というやりかたもニクイ。
映画としての出来は良いが、肝心の面白さはそうでもなかったので★3.5止まりが結論。
片思い世界、このタイトルの意味がわかったときの衝撃と虚無感。
坂元裕二さんの言葉で紡がれるまさかの設定、
先日公開された「ファーストキス」のタイムリープにも通じる世界観、これを公開まで伏せてきた宣伝に感服です。
クッキーのシーンで涙が溢れました。
そしてストーリーの深みもあり映画として面白すぎる……
映画を観終わった後の周りのお客さんの啜り泣く声や、切ない表情、思い出しても涙が出ます。
三人がいるだけで画になる
予告で見て主題歌の良さに気になり、しかも杉咲花に広瀬すずに清原果耶、そして個人的に大好きな坂元裕二作品ってこれは豪華すぎだろ!って感じで早速見てみました。序盤は何というか探り探り見ていく感じでそんな中での清原さんの役の感じにはとてもイライラしたのですが(笑)その直後の展開で「あぁーそういうことか」となりました。
私が見てきた作品の中での話になりますが今まで映画でこういう設定ってたしかにありそうでなかったよなーと思いました。
たいてい死んだ人が見える人間がキーパーソンとして出てきて物語が進んでいくパターンの作品はありますが、誰にも見えない、そして見えないまま物語が進んでいく感じ良かったと思います。
その中でのあの三日月のクッキーのくだりはうるっとしちゃいましたね。
設定的にどうやって三人だけであの城を築いて大人になってきたんだ?って疑問がずっと残ったり所々謎設定な部分はありつつも
そこは見る側のきっとこうだろうという頭の中での補填が求められますが素晴らしい作品だったなとは思います。
とにかく主役の三人がとてつもなく可愛くて底抜けに明るくその世界観で進んでいくのでバカタレ男性諸君はきっと見ていてとにかくとてつもなく幸せな気持ちになれます!
もうそれだけでこの作品は完成していると言えます(笑)
あとは昨年の「正体」に続いて悲しみを背負った難しい役どころを横浜流星さんが演じていてこれもまた上手いな〜と思いましたし
あとは特に良かったのは小野花梨さん。彼女はぶりっ子役もできてサバサバした役もできるんで演技力が本当に高い女優さんですね。
それと最近映画やドラマに西田尚美さんめちゃくちゃ出てますよね、なんで急に売れ出したんだろ?って感じに。西田さんももちろん安定の演技力でした。
田口トモロヲさんは年明けに見たあの作品の田舎の麻薬栽培役以来に見たので出てきた途端に笑ってしまいました。
そして何よりラストの合唱、あの主題歌の曲がめちゃくちゃ素晴らしい!
ぜひおすすめです!
やはりファーストキスの方がオススメです。
坂元裕二脚本とのことでとで楽しみにしていた作品。
結果、題材は好きでしたがもう少し深い内容があったら良かったなと思いました。
わたしは幽霊は見えないですが、いるとは思っていて、この映画のように普通に生活していると思っています。
最初のバスのシーンで幽霊ではないかと予想し、その後のシーンでも周りと会話が成立していないところで確信。映画『シックスセンス』が大好きなので、好きなジャンルだなと、その後のストーリーも期待しなが鑑賞しました。
幽霊になった後に誰からも認識されない中の3人での生活は、切なくもあり温かくもあり…。生きていた世界に戻れるかもと希望を抱いたものの、結局は戻ることができず。
途中まではとても良かったのですが、後半は少し長く感じました。ただ最後の合唱の曲やシーンはとても素敵でした。
好きな題材の映画でしたが、同じ坂元裕二脚本の映画でしたらやはりファーストキスを観る方がオススメです。
ある意味オバケのQ太郎なのか…
そもそものとっかかりが主人公達3人が少年の手に掛かってしまい、ゴーストになる胸糞悪い話です
彼女達が(亡くなっていますが)明るく強く生きていくところ、美しい風景、合唱シーン等分断にヒーリング要素は盛り込まれていますが…
正直この作品過去最高レベルで評価難しいです
気になる方は劇場まで…
「声は風」にのって、。
公開初日の朝イチに観ました。坂元裕二史上最高傑作と言えるでしょう。これから観る人はテレビもネットも映画評も一切耳に入れないで観に行って欲しい。頭も心も素の状態で観ることが何より重要です。
(以下ネタバレ含みます)
土井裕泰監督は撮影期間中にスタッフとともに交通事故に遭いICUに入る程の重篤な状況になったとのこと。広瀬すず、杉咲花、清原果耶の主演3人の劇中と同じ「片思い世界」の立場を体で感じることができたのかも知れない。どのシーンが復帰後の撮影なのかはわからないが現実世界とは「別のレイヤーにいる」3人をより深く理解した絵が撮れたのではと思う。
12年も家族のように暮らしてきた3人。それぞれ会社に通い、大学で学び、水族館でバイトしてるがその姿は少し違和感がある。その理由は映画の始まりから僅か20分程のコンサートホールのシーンであきらかになる。ここで観ている我々はえっ!となり先行きを心配する(ここでついて行けないと思った人も多いのかもしれない)。しかしその後から紡がれる物語はユーモアも織り交ぜながらそれぞれの大切な人と、見えない関係性の中、感動的な展開が待ち受けていく。
12年前ツバメノートに台本を書いていた美咲の後ろにいた典真が居なくなった理由、ラジオから流れるちっと変わったメッセージ、3人を見つめてくれる亀、優花お気に入りの三日月型のクッキーなど要所に散りばめらたアイテムが絶妙に絡みながら話は進んでいき、遂に「片思いの世界」の中で美咲と典真はお互いを理解する。そして合唱のシーン。とにかく嬉しくて愛おしくて涙無くして観ることも聞くこともできません。まさに「声は風」なのです。
この合唱に辿り着く為に物語はあったのでした。
12年住んだ洋館から去った後も3人は楽しく暮らしていくと思います。
最後に、街なかで演奏をしていたムーンライダーズも3人にさりげなく手を振っていたので「同じレイヤーにいる」人たちのかもしれない、。
片思い世界に行ったあの人たちに会いたい
坂元裕二さんのファンです!
花束も怪物もファーストキスも公開日に観たので
もちろん片思い世界も公開日に!
全く前情報を入れず、予告もほぼ見ずに鑑賞。
冒頭の違和感からの、すぐに解明、
坂元裕二ワールド発動。
初っ端からしてやられました
まさかそっちか!と衝撃のスタート。
タイトルにも納得。。
タイトルの意味が分かると切ない。。
ストーリーで言えばファーストキスの方が俄然好き
でも、片思い世界は、
大切な人を亡くした人なら誰もが涙する気がする。
私の人生で大きく心に残ってる人が2人いる。
2年前に亡くなった祖父と、
私が社会人1年目の時に命を絶った会社の同期。
劇中の設定でもある12年前の事件。
会社の同期が亡くなったのも12年前。
ラストの合唱のシーンは、
祖父と同期を思い出して、涙が止まりませんでした。
片思い世界にいる彼らが、
そっと隣にいるような、そんな素敵な映画でした。
鑑賞後、誰もいなくなるまで席を立てなかった。
帰りのバスで"声は風"を聴きながらずっと半泣きでした。
誰かを亡くした経験がある人に特におすすめしたい。
杉咲花と広瀬すずの泣き演技が化け物でした
p.s
珍しく坂元裕二作品っぽくないキャストだと思ってたので
エンドロールで松田龍平の文字見てきゅんとした
どこで出てたん!?って思って
劇場出てすぐ調べましたとさ。笑
坂元裕二作品っぽさをキャストで感じれるところがまた
坂元裕二の良さなんだよなぁ。
【⚠️恋愛映画ではない!】ネタバレあり感想 *テーマについての深掘りあり
鑑賞した方ならわかると思うが、本映画は、
児童8人が出刃包丁で刺殺された事件である
『付属池田小事件』をモチーフにしている可能性が高い。
主人公の3人は、亡くなった児童3人なのである。
映画のタイトルである「片思い世界」からは、容易には想像のつかないストーリーとなっている。
この物語の軸としてあるのが、残された被害者遺族らが " どう生きていくのか " である。
娘を失った母、友人(好きな人)を失った同級生、そして殺人犯、の3人が主に主人公らと関わってくる。
そして、この映画の斬新なところは、亡くなった児童視点で描かれているということだ。
被害者遺族らの視点でこの物語を語ったら、とても暗い作品になってしまうだろう。
しかし、亡くなった児童視点で語られることで、
被害者(主人公)たちは、案外気楽に、楽しそうに、幽霊としての生活を謳歌している描写を描くことに成功している。
これらのストーリー展開は、藤井道人監督作品のNetflix映画「パレード」を彷彿とさせる。
被害者遺族らがあの世に逝ってしまった人々を思う気持ち、
そして、
被害者ら(児童ら)が現世に置いてきてしまった人々を思う気持ちを
"片思い" という素敵な日本語で表現している点も、
また素晴らしい。
是非、皆さん鑑賞してください。
2度の「嫌な予感」が的中せずに、ホッとさせられる
主人公たちの姿や声に、周囲の人たちが反応しない様子から、その正体は、比較的早い時期に想像できてしまう。
もしも、それを最後まで隠し通して、「シックス・センス」的なサプライズを狙っているのなら、完全な失敗作だなと思っていると、序盤の段階でちゃんと「タネ明かし」がされたので、少しホッとしてしまった。
むしろ、死後の世界を、未発見の素粒子でできたマルチバースのようなものと設定しているところは、斬新で面白い。
たとえ、他の人間には気付いてもらえなくても、3人で支え合いながら楽しく「生きる」彼女たちの姿は、見ているだけで幸せな気分になる。特に、彼女たちが、ホラー映画を観ながら、「本当の幽霊は、こんなんじゃない」と文句を言うシーンには、ニヤリとしてしまった。
その一方で、幼なじみの青年や、母親に出会っても、思いを伝えられず、ただ見つめることしかできない彼女たちの姿には、どうしようもない寂しさが感じられて切なくなる。
ところが、中盤で、生きている人間と思いを通じ合わせることができれば、死者も生き返ることができるみたいな話になると、「荒唐無稽なファンタジーになってしまうのか?」と、またもや不安になる。
さらに、児童殺傷事件の被害者の母親が、単独で犯人と会って、彼を非難するという行為は、余りにも非現実的で無謀に思えるし、犯人のキャラクターは、ただのサイコパスで、何の深みも感じられないし、犯人が母親を殺そうとした挙げ句に車にはねられるという顛末も、何を言いたいのかが分からない。
結局、死者が蘇るというトンデモな展開にはならずに、またもやホッとしたのだが、それだったら、ラジオ放送やら、出所した犯人やらのエピソードは、そっくりそのまま無い方が良かったように思う。それよりも、杉咲花だけでなく、広瀬すずや清原果耶の「残された家族」のことが気になってしまった。
いずれにしても、大切な人を亡くしたら、誰もが、その人について、「死んだ後も、元気で、幸せに暮らし続けてほしい」と願うものだろう。失われたのが幼い命であるならば、なおさらである。
ラストの、合唱コンクールのシーンでは、美しい楽曲と歌声によって、そんな願いが叶ったような感覚にさせられて、思わず目頭が熱くなった。
感覚に訴えてくる映画
広瀬すず、杉咲花、清原果耶。こんな豪華なトリプル主演ってあるだろうか。あり得ない、と思ってたことがあり得ちゃった映画だ。
よく考えると、予告も含めて殆どどんな映画なのか分からない状況だったし、私自身どんな物語なのか全く知らない状態で観に行った。「片思い世界」っていうタイトルだし、みんながそれぞれ片思いしていて、それぞれの結果が描かれるのかなぁ?くらいの感じ。
映画の前半で明かされる、欠片も想像していない設定に、「意外とSF?」と思ったくらいだ。
だが、設定や物語はこの映画の主眼じゃない。この映画の最重要ミッションは「片思い」をどれだけ観る側の心に届けられるか?だ。
特に序盤は物語の設定を隠しながら、それでいて観る側を彼女たちの世界に引きずり込む難度の高いミッションが課せられていて、それを難なくやってのけられるのは主演三人の演技力によるところが大きいと思う。
そして中盤から後半は、二つの世界の隔絶を意識させながら、より強く「片思い」の心情が描かれていく。主演三人だけじゃなく、横浜流星と西田尚美、片思い相手の二人が秘めている心情も乗っかって、現実には何も起きていないんだけど、心の中に巻き起こる怒涛の嵐に放り込まれていく。
「泣いちゃうかもなぁ」なんて軽い気持ちでいたけれど、後半はメガネをかけ直す暇もないくらい泣いた。三日月で泣き、肉まんで泣き、合唱コンクールでとめどなく泣いた。
なんでだろう、合唱の最中涙が止まらなかった。
いなくなってしまった人だけど、大切な人だったからいつまでも心に残しておきたい。忘れてしまったら、本当にいなくなってしまう気がしたから。
でも、離れてしまった世界は元に戻らない。だから前に進まなきゃならない。
進まなきゃならないなら、前を向いて、背筋を伸ばして、そして楽しんでほしい。
最後の合唱は届かないはずの三人の気持ちが、確かに届いたような、そんな気持ちになったのかもしれない。
とにかく、広瀬すず、杉咲花、清原果耶の名演技を堪能し、涙する映画だった。感受性が試される映画でもあるし、すごく感覚的な映画とも思える。
感受性に自信がある人には是非観てもらいたい。ハンカチだけは忘れるな!
【”深い悲しみの心を忘れない。そして夫々の再生。”或る出来事により12年間仲良く暮らす3人の女性を演じた広瀬すず、杉咲花、清原果耶と、この世界観を生み出した坂元裕二の脚本の全てが素晴しき逸品。】
■東京の何処かで暮らすミサキ(広瀬すず)、優花(杉咲花)、サクラ(清原果耶)は、夫々、会社、大学、水族館での仕事に出掛け、家では3人で食事をし、おしゃべりをする日々を送っていたが、3人には或る秘密があった。
◆感想
・レビュータイトルには書けなかったが、或る出来事が起きた時にコンビニに行っていた事で、深い悲しみの心を抱え、ピアノを弾かなくなったタカスギテンマを演じた横浜流星も素晴らしい。
・作品設定と世界観も最初は驚くが、坂元裕二の脚本が見事にまとめ上げていると思う。
・ミサキ、優花、サクラは、互いに毎朝身長を測り、夫々の居場所に出掛けて行く。ミサキとサクラはバスで暗い顔をしたタカスギテンマと一緒に。そして、ミサキがテンマを見る表情は何処か、心配げだ。
・徐々に明らかになる合唱団に入っていた幼きミサキ、優花、サクラを襲った凶事。故に彼女達は、夫々の"或る思い"を抱えながら”生きているが”優しい。車に閉じこめられた赤ちゃんを見つければ、必死にその事を道行く人々に伝えようとする姿。
自分達の様に成って欲しくないという思いだろうか・・。
・優花の母を演じた西田尚美も良い。再婚し、子供が生まれながらも、優花を忘れない心。優花はそんな花屋を営む母を見つけて、笑顔になるが、母が新しい子とクッキーを焼いている時の”自分の妹”を見るキツイ目。
だがその後の言葉”こういう気持ちが、お化けになっちゃうんだろうね・・。”が、優しいのである。
・少年法により、12年で出所した男に会いに行くサクラ。だが、その姿を見ると思わず後ずさりして地面にへたり込む。それはそうだろう・・。だが、優花の母は、決然とした表情で男に会いに行き車に乗せ、包丁を手に問い詰めるのである。”何で殺したの!”
だが、逆に男に包丁を取られ、母はミサキ、優花、サクラと共に逃げ出す。追って来た男は車に撥ねられる。”天罰だ!”と思うがその後、重傷と出る。坂元裕二の脚本は何処までも優しい。
■タカスギテンマが、合唱団の先生(田口トモロヲ)から、コンサートの際のピアノを弾いてくれないかという頼みを断るも、先生から教室の鍵を渡されるシーン。
彼は、導かれるように教室に行くのである。その後を追うミサキ。タカスギテンマは”家の事情”があったミサキのために、自分の分と二つ肉まんを買いに行っていた際に凶事が起きた事で、自責の念に駆られていたのである。
ミサキが心配していたのが、仄かな思いを持っているタカスギテンマの事であった事が分かるシーンである。だが、教室を後にしようとするテンマの前に風で飛ばされた紙とノート。そのノートには幼きミサキが、凶事の前に書いていた、仄かな恋心を抱いていたテンマと自分をアテガキしたような歌劇の言葉が綴られていたのである。それを読むテンマの表情。そして、彼はピアノに向かうのである。ミサキがテンマを抱きかかえる安堵の表情と涙・・。
<そして、合唱団の晴れの舞台に、ミサキ、優花、サクラも幼き合唱団の子供達と同じ衣装を着て、歌うのである。ピアノを弾くのは勿論、晴れやかな顔のタカスギテンマだ。(横浜流星さん自身が弾いていて、驚く。)
そして、晴れの舞台で合唱団の一員として歌うという想いを叶えたミサキ、優花、サクラは、新たな生活場所を求めて旅立つのである。
今作は、或る出来事により12年間仲良く暮らす3人の女性を演じた広瀬すず、杉咲花、清原果耶、そして、悲しみの心を忘れていなかった男を演じた横浜流星。この世界観を生み出した坂元裕二の脚本の全てが素晴しき逸品なのである。>
飛べ!
想像してたストーリーとは違って驚きましたが
(片思い=恋愛系の話なのかなと勝手に思ってた花束ファンです)
それを含めて予想としてた話と違って、
そうきたかと
楽しめました
かやちゃん最初空気読めないヤバいやつ…って思ってました笑
最後なんかむちゃくちゃ泣ける…
キャスト豪華であること、坂元さん脚本なので
ハズレはないと思って初日見ましたが、
見てよかったです
大切な人を大切に
信号守ってたのに、
食べたかったお菓子我慢してたのに
明日を夢見た彼彼女たちが
明日を心配なく生きれる社会になって欲しいと心から思いました!
ここでネタバレしてる奴は本作と同じ目に合え!
それ位、劇中の設定が"肝"という作品である よくぞ公開前までこの肝を隠し通せたモノと、関係者に敬意を払う以外に言葉が見付からない
それに増しても、合唱の響の涙腺崩壊よ・・・涙
広瀬すず、杉咲花、清原果耶、奇跡のトリプル主演と脚本・坂元裕二と監督・土井裕泰
この座組で今一本作れることに感謝するしかない
暗さと明るさ・重さと軽さのバランスが絶妙なファンタジー作品
坂元裕二脚本で広瀬すず・杉咲花・清原果耶主演&横浜流星とあっては期待するしかない。
レビューはネタバレでないと書けない作品だと思うのでネタバレで。
冒頭のシーンから何となく”世界線”がわかってしまった。
その後、さくら(清原)が歩いて家に帰るシーンで違和感があるので
予想していた世界線が確信に近づく。
なんて残酷、なんて切ない設定&ストーリーなのかと。
一軒家で三人暮らしを軽やか&楽しんでいる三人が実に微笑ましい。
さくらの誕生日を祝ったり、ごはんを一緒に食べたり、ホラー映画を観たり、、、と
実に楽しそうなのだ。
であるがゆえに、マルチバースというか死後の世界に生きている三人は
もともと生きていた世界と接することができていそうで、できないところが実に悲しい。
もともと生きていた世界に戻れるという津永のラジオ(科学的根拠あり)から
三人がそのために、大事な人に思いを伝えにいくところから、ストーリーは展開しはじめ
美咲(広瀬)は典真(横浜)、優花(杉咲)は母(西田尚美)、
そしてさくら(清原)は、自分たちを殺した殺人犯へ、思いをぶつけにいく。
それぞれが胸にぶっささるエピソード。そりゃ多少は無理があるとは思うけれど、
映画だから全然いいし、そもそもファンタジーだから全然気にならない。
やはり美咲と典真が、美咲が殺された日に書き上げた劇の脚本を読み合うところが、
現実の世界とつながっていて、実にせつなく感動的だ。ここが最大の見せ場だろう。
「ずっとこうしたかった」と美咲が言って抱き合う二人。
でも住む世界が違うため抱き合えていないという、切なすぎるやろ!!というところで
涙腺崩壊。
結局生き返ることはできないのだが、それはそれで三人は今の家を出ざるを得ない状況と
なり、新たな生活へ向かうところで作品は終わる。
もう主演三人を観ているだけで眼福だし満足。
予告からは全く予想できなかった展開で実に面白かった。
パンフレットも豪華な仕様でオススメ!
私は「ファーストキス」より好き。
全149件中、121~140件目を表示
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