片思い世界のレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
主人公たちがこの世を去ってることがわかった時点で、だから「片思い世界」なのか…!としっくりきた
こういうのって"実は死んでた"って山場の盛り上がりのギミックとして使われがちだけど、亡くなった人視点だと序盤で明かしてから物語が進んでくのが新鮮だと思った
これは遺された人への、旅立った人への、どちらともへのラブレターみたいだった…
自分には見えなくても違う世界でずっと元気に暮らしていて、自分達のことを考えてたりする
そうあってほしいなという世界だった
わからなくてもずっとある、消えてなくなってなんかない
どうしようもない喪失感をとてもやさしく丁寧にすくい上げてくれるような物語だった
後半もうずっと泣いてた
みかづきのクッキーがもうだめだった…
合唱の歌がとても相手を想ういい歌詞だし、間に挟まれる3人の過ごしてきた日常の描写が本当に美しくて涙がでた
良かった
3人が普通に生活してるように見えて、死後の世界なんですね、3人とも演技がうまいし、他のキャストもとても自然でした。最後もとに戻れるのかなあ、と思ったけど、そうならないのがこの映画の良かったところかも。
タイトルの意味
事前情報なしで鑑賞を推奨します。
そういう事かって感じですね。
悲しくも明るく生きてる感じが良かったです。
最後のコーラスはジーンときました。
こういう世界もあるかもしれませんね。
私的には泣きまではいきませんでした。
三女優が魅せる!私たちの世界にも、いろいろあるんです・・・
つい先日まで「クジャクのダンス、誰が見た?」で楽しませてもらいました。広瀬すずさんって、ホンっと魅力的な女優さんで大好きです。
この流れもあって、ついこの間、思いっ切り楽しませてもらった「ファーストキス」と同じ坂元裕二脚本の本作品、観に行っちゃいました。
やっぱり面白いですね〜。最高です!ホッコリして、ほのぼのして。それでいて、ドキドキしたりウルウル来たり。
様々な感情で楽しませてもらいました。
【ネタバレ】
最初から違和感はあったんです。まだ若いのに同居生活が長い。
冒頭から、人に関わろうとしない。そのくせ、時には相手に構わずズケズケと間合いに踏み込んでいく・・・
まさか、幽霊の話だったなんて、思いませんでした。ここで、先ずビックリ。
誰からも気付かれない3人だけの世界。徐々に明かされていく過去の中で、自分の存在が、現世の人の意識に感じられれば生き返る事が出来る?母親、友達、自分の想う人に関わっていく。
自分たちを殺害した犯人に接したところは衝撃的でした。
問い詰める母親に逆上する犯人。何も変わっていなかった?追い詰められていく母親に何もできない無力感。
僅かな希望で復活を望んでも、叶わなかった想い。灯台のシーンも印象的でした。その後の哀しい展開も、笑い飛ばせる三女優の名演に、ホンっと癒されました。
かなりハードで哀しい展開なのに、終始、ホンワカとした暖かい雰囲気に包まれた一本です。
結局、何も変わらない・・・
でも、いつまでも楽しく3人で進んでいく(死んでるけど)んだろうなって感じで、ホンっと最高の気分で楽しめました。
終わってみればタイトル通り
清原果耶ちゃん推しで鑑賞してきました。まず主演3人が朝ドラ主演女優かつアカデミー最優秀助演女優で、「正体」で最優秀主演男優賞を受賞したばかりの横浜流星も出演している豪華なキャストです。
ファンタジーものはあまり好きじゃないですが、意外に楽しめました。途中で透明人間系かと思ったけど、タイトルにもある通り別の世界を生きてる設定かな。
印象に残ったのは3人のファションが古着っぽくて可愛かったのと、3人が住んでいる家もおしゃれでした。ただ夏にしては厚着だとは思ったw
あと灯台で叫ぶシーンもきっと元の世界に戻れずにおかしくて笑い合うだろうなと思ったらその通りだった。
そして最後の合唱が曲も良いので泣けます。欲を言えば3人だけの合唱シーンをもう少し長く見たかったです。
エンドロールで松田龍平の名前を見た時、一瞬えっ?ってなったけどすぐラジオの声の人ってわかりましたw
まあツッコミ所はけっこうあるけど観に行く価値はあると思います。
泣いた後にモヤモヤが舞い戻る迷作
「カルテット」「ファーストキス」などの話題作を生み出した脚本家の坂元裕二と土井裕泰監督の「花束みたいな恋をした」以来となるタッグの作品。
自分の中で映画は二つに分かれる。
見終わった後の余韻で面白さや魅力が増す作品と、増さない映画。
本作は後者となった。
おそらく作品全体として描きたかったテーマはいままで想像したことのない切なさ中に溢れる優しい世界であり、魅力的だった。
映画館で見終わった後の満足感は高く、いい映画だったと感動していた。
合唱のシーンでは、これはやられた!って思うくらい歌詞が突き刺さり、泣かせに来てるなってわかりつつも泣きそうになった。
主演は今をときめく演技は女優の「広瀬すず」「杉咲花」「清原果耶」が同じスクリーンで見れるというだけで幸せでもあった。
あのシーン凄かったな、あの世界すごいな、タイトルはこういう意味だったのか!と余韻に浸っていると、少しずつ「あれってどうなったっけ?」「あれ、少しおかしくない?」など引っかかる部分やツッコミたくなってしまう部分が表れてきた。
そこから自分の中で「片思い世界」は良い映画から、ひっかかる映画、違和感にあふれた映画に変わってしまった。。。。
ここから先はネタバレを含めて感想を書きます。
冒頭いきなり、違和感に襲われた。
おそらく事件が起きたシーン、そこから3人の女性の日常は描かれるが、どうもおかしい。
日常に存在するものの、みんなをスルーしている?いや、むしろ透明人間のように気が付かれていない?
バスの中で男性のスマホをのぞき、「アホ毛のくせに」ってシーンで、「あ、これ死んでる?」と気づいた。
青春恋愛ものの片思いと思っていたら、亡くなった者から生きている人へ片思いだった。
頭を叩かれたかのよくな衝撃を受けるとともに、これからどうなるの?っという今後の展開へ期待感に溢れていた。
今まで描かれていた「幽霊」や「死後の世界」とは本作は大きくことなり、死んだ後の世界は生きているレイヤーと異なるだけで現実世界同様時間が過ぎるという設定は見事だった。
3人の亡くなっているとわかっているけど、ちゃんと生活するのいう姿勢にぬくもり感じたし、細かい日常例えば、身長が伸びる、お弁当を作る、勉強する、仕事するなどの日常を丁寧に描くことでより、「生」を感じさせる作りも良かった。
今振り返っても、それぞれが抱えていた「思い」におけるシーンも考え深いし、特に母と娘を描いた辛く切ないシーンには思い出すだけで悲しくなる。あの西田尚美さんの演技は素晴らしかった。
各シーンを切り取ると、全て良いシーンだったと思う。いい映画である。
ただ、全てをつなげた一作とした際に、無視はできない違和感だらけであることも否定はできない。
※揚げ足とりをしたいわけではないけど、どうしても気になる。
まずは、生活する中の違和感。
現実にはいるけど生きている人からは見えていない、そして触れられない、話せないという設定がある。お腹が空くの良いけど、どうやってスーパーで物を買っていたのか?
盗んでいたってことになるのだろうか。
そして、物に触れることはできるけど、現実の物は動かないという軸。
分かるようで分からない説明だった。
じゃあ、動かしたものを現実世界でまた動かしたら、それは3人の世界に影響しないのか?
次に、人間関係。
3人のそれぞれの個性や事情を描いてはいたものの、広瀬すず演じる美咲は家庭の問題がかなり影響している人物であるが、説明セリフでしか説明されていない。なぜそうなってしまったのか、今のご両親はどうなっているのか?などのシーンとしての背景が欲しかった。
12年の時が経つが、今になって動き出すこと出来事があまりに多過ぎる。
ちょっとした説明セリフだけでは足りない内容があまりに多かった気がした。
そして、ラジオの声について。
パンフレットに書かれていた坂元裕二さんのコメントでただの日常を描くだけではダメだと、アニメ同様展開をつくらないとって書かれていたのが気になった。
正直、無理やり作りだしたストーリーだったからこそ、中途半端に広げて、回収しない作りになってしまったのではないか?って感じてしまった。
もしかして、あえて描いていないのかもしれない。全てを説明するのは野暮だからと。
そうであるなら、やはり風呂敷は広げ過ぎてほしくなかったかな。
まぁ、いっかとは言えないレベルの話を簡単をみんな軽く納得し過ぎている気がした。
ラジオから聞こえる声、素粒子の話、もしかしたら現実に戻れるかもしれないというSF的な展開はワクワクさせられた。
全員帰れるの?それとも、もしかしたら誰かは残ることになるの?ラジオの声の人は何者なの?って広がる展開に見入っていたけど、ふわふわと終わった。それこそ煙のように消えていった。
そして、家に飾っている写真。
あれは事件がおきた、最も辛い記憶だと思う3人を繋ぐきっかけという意図なのかもしれないけど、事件の日の写真を飾るのはどうなの?あの写真が映るたび辛くなるのは自分だけなのか?
パンフレットを読めば、自分が抱いた疑問が少しでも解消されるのかな?って思っていたけど、残念ながら解消されなかった。
作り手と読め手の違いなのか。
確かに素晴らしい映画だったことは間違いないけど、それと同じぐらい違和感が溢れていたのが残念だった。
もちろん違和感があるけど、それを意識させないくらい圧倒される映画もあるけど、個人的にはそこまではいかない作品だったかな。
作るのかめちゃくちゃ難しい作品だったと思うし、見たことはもちろん後悔していない。
新しい映画を見ることは幸せやし、坂元裕二さんの繊細で柔らかく、でも心に突き刺してくるようなセリフや掛け合いは大好きなので、これから先も新作を見たいと思っている。
タイトルなし(ネタバレ)
美咲、優花、さくらの三人の小学生は児童合唱団に通う仲間。
美咲はピアノを弾く典真(てんま)君のことが気になっている。
それから12年。
成長した三人はひとつ屋根の下で暮らしている。
美咲(広瀬すず)はデータ入力の会社で働いている。
優花(杉咲花)は素粒子物理学を勉強する大学生。
さくら(清原果耶)は水族館の飼育員をしている。
ある朝、通勤のバスで美咲はひとりの青年(横浜流星)を眼に止める。
間違いなければ、彼は成長した典真君だ・・・
といったところからはじまる物語。
「ネタバレ厳禁」ということが鑑賞前に耳に届いたので事前情報なしでの鑑賞となったが、序盤でネタバレのネタ部分は明らかになりました。
まぁ、この部分はそのうち大きく喧伝されることになるだろうと思うけれども。
若い女性三人のガールズムービーというルックでありながら、坂元裕二脚本作品としては前作『ファーストキス』と同じテーマのような気がしました。
すなわち、結果は同じであれ、その過程の一瞬一瞬が輝くことがいいんだよ。
活き活きというのは、生き生きということだ。
一瞬一瞬の輝き(それは「ときめき」という)は『花束みたいな恋をした』のテーマでもありました。
なお、ガールズムービーといえば、ソーラ・バーチ&スカーレット・ヨハンソンの『ゴーストワールド』が至高のガールズムービーと言えますが、本作も究極のガールズムービーということも出来ます。
主題歌ともいえる合唱曲「声は風」、素晴らしい。
この曲が映画のすべてを表していますね。
素晴らしい作品だということを否定する気は全くないけど。
美しい、優しい感性に溢れた作品で。
話の運びも、エピソードのつなぎ方も、演技も美術も音楽も完璧で、映画としては本当に素晴らしいと思います。
普通に考えたら、★5つ付けないのは、難しい作品なのだけど。。
自分の個人的な感想としてはやはりこのくらいの★になってしまう。
なんだろう、死生観のようなものが、作り手と食い違ってんのかもしれない。
主人公の3人は、演者はもう豪華にも程があるだろってくらいだし、それぞれキャラクターも魅力的で、さすがの坂元裕二脚本でグッとくるところも随所にあり、あと特筆すべきは、合唱曲が素晴らしくて。
涙腺がほころびそうになったところはあくつもあったし、また素直に感動もしたのですが。。
どうしても、これは結局誰のための話なんだろう、というのが頭の片隅から離れなかった。
だって彼女たちは、本当はもういないのだから。
人は死んでも、その存在がなくなってしまうわけではないと思う。
誰かの心の中に思い出は残るし、何より過去の時間の中ににその人がいたということは、今この瞬間にも事実なのだし。
大切な人が死んでしまったとしても、その命、、ていうと語弊があるけど、その存在自体は消えることはないというのは、スピリチュアルな意味でもなんでもなく、ある種の真実だと思うのです。
ただ、亡くなった人を思うとき、なんていうか、その人が今はもういないというのが、何より大切な事実なんじゃないかと、、何言ってるかわかんないかもしれないですけど(笑)、自分の死に対する考え方はそういうものです。
だからこそ、その人の生も死も、本当に大切に思えるんじゃないかと。
だからこの映画は、美しい寓話ではあると思うけど、自分としては、本当に自分の好きな、それこそ生きる力を与えてくれるような、大事な作品というとこまでは行きませんでした。
話の構造として、そうなりようがないというか。
十分に楽しめたとは思いますけどね。
主演女優3人は魅力ありすぎだし、横浜流星君も、あーこの役君で良かったありがとうと思ったし(笑)。
あの合唱曲は、これから何度も聴くと思います。
あと一つ、、幽霊の彼女たちだって頑張って生きてんだから、生きてる自分はもっと毎日しっかり生きよう、なんてことを思いました。
これ上に書いたのと矛盾してるか。
生きる力もそこそこもらったということかもしれない(笑)。
物語の軸が分からない
前情報なしに鑑賞したので、まさかの展開に驚きました。
この後、どんなラストに持ち込むのか気になり鑑賞しましたが、三者三様のストーリーを詰め込んだがために全部中途半端。
母親と犯人とのシリアスな展開になったり、また急に恋愛要素絡んだり、最後は3人のハートフルな映画になったり…
「元に戻れるかもしれない」展開も、あのラジオの人も何だったの?
物語の展開にこちらがついていけない。
何を伝えたかったのか分からない映画でした。
広瀬すずちゃん、とてもお綺麗なのですがどの映画も演技が似ているから、感動シーンもすこしさめて観てしまいました。
杉咲花ちゃんの演技は良くて、母親への愛を感じて少し涙しました。
すてきでやさしい考えかた
すてきでやさしい考え方だなと思う設定。
実世界でもこのような考えを持てると故人との付き合い方が前向きに変えられる気がした。
3人の主人公の暮らしは見ていて楽しい。でも実際にはかなりの痛みが伴っているはずである。それを感じさせないのは3人の明るさなのか、それとも別世界に生きているから浮世絵離れしているからなのか。
設定が設定なだけに、色々と深読みしてしまうし、それが楽しさでもあった。
この設定、この俳優陣、と考えると期待値は超えてはこなかった。映像や演出にチープな部分が多く、この世界に入り込むことは難しかった。
途中から、あ、そうだったのかとわかる
最初は不吉なことが起きそうなプロローグから始まって、わちゃわちゃ系の若い女性3人の友情話しかと思いきや、なんだかおかしいことに気づいていって、そういうことだったのかと途中でわかる構成。
伝わらないもどかしさと死後も思いやる気持ちの強さ、そういったアンビバレンスなことが脚本の核になっている。生と死は常に意識し合う。死を意識するからこそ、生を意識する。映画のテーマでもあるのだが、その設定もさることながら、広瀬すず、杉咲花、清原果耶、3人の個性がぶつかりあってたのしい映画になっている。広瀬すずはあらためて顔のつくりが清楚で美人だなぁと思った次第。杉咲花は演技派で目力は半端ない。清原果耶はボーイッシュな感じの役柄をやらせたらハマり役のような気がする。
タイトルなし(ネタバレ)
クッキーを見つめる杉咲花が凄く印象に残った。色んな感情が入り混じってる気がした。殺した犯人がのうのうと生きてるのとか、殺したわけでは無い横浜流星がずっと事件に苦しんでるのとか、小野花梨の事件を簡単な言葉でまとめちゃう感じとか、慰霊碑を前にした親子の会話とか、3人がラジオの声の通りに行動してみるけど、結局元の世界には戻れないのとか、いろんな要素が切なくて胸がチクチクした。
とても理解しやすいエンターテイメント映画
そらまぁいい映画になるでしょう。主演の広瀬すずさん、杉咲花さん、清原果耶さん、こんな子らが三人暮らししてたらご近所さんは大騒ぎやぞ!(事実、実体としては存在していませんでしたが…笑)という、見ているだけで映画になってしまうルックス、もちろんそれに留まらない実力、表現力。ボケーっと見ているだけでも全然いい。なんならエチュードで二時間でもいけるでしょう笑 この時点で「見て損した」のない映画。
加えて、ストーリーテリングのプロフェッショナルオブプロフェッショナル・坂元裕二。キャッチーな分かりやすさと驚き・仕掛け、双方を用意してくれるエンターテイメント物語の第一人者。一定のクオリティは約束されており、実際私が見た渋谷の映画館は若者で超満員。(若者よ、予告編ならまだしも本編が始まってからみんな入ってきすぎだぞ!わしゃわしゃ音するしスマホも明かりついてるしな!…と、ジジイの戯言を書き記しておきます)当然ストーリーの終盤には、若者たちの啜り泣きの声。いいじゃないですか。理解しやすいストーリー、驚きの仕掛け。なんの文句もありませんよ。見やすかったし、見てよかったと思いましたよ。
ただ、仮定の話、このキャスティングと土井・坂元でもう一段何かの化学反応を起こしたかったとしたら、それは多分難しかった。それぞれの演技と作風は二時間ずっと水平関係で漂っており、それぞれがそれぞれの仕事をして、それで十分面白い。これがこの映画の到達点。
それでも全く問題ないくらい品質の高い映画であることは確かだったんだと思う。だからこそ、「もう一つ」を期待する自分の姿があった。なにか、「あれはなんだったんだろう?」を見た側が懸命に言語化したくなるような。語りたくて語りたくてたまらなくなるような。そしてそれは、結論自分の目から見ると叶えられていなかった。
内容に関しては、とても理解しやすいエンターテイメント映画だと感じました。
この三人が幽霊であるが故に起こってしまう構造的なすれ違い。モバイルデバイスの普及以来、ドラマ内での「すれ違い」それ自体を描くことが困難になった時代だと思います。だからこそ、少しマンガ的であり、使い古されているようにも思えた設定はなかなか生きていました。それぞれの過去の想い人を探しにいく中で、生きている人たちはそちらの世界(素粒子)で過去に一区切りをつけて、前に進もうとしている。一方、三人はあの頃から前に進めていない。というか、こちらの世界(素粒子)では、幼馴染の三人以外との世界は存在せず、前に進むことが構造的にできない。それを突きつけられて絶望する三人。そうした中で、起こってはならない事件が… 三人の心地よいやり取りを見ているうちに次の展開が始まって、という見せ方もとても巧みですし、綺麗なストーリーでした。
ただ、もうこれは私が歳をとって物の見方もひねくれたってことでもあるんでしょうが笑、見ていて「理解できないこと」、個人的には1個か2個あってほしい笑 あれはなんだったんだろう? なんてことないように見えるシーンなのに、なぜ私はあんな感情を思ったんだろう?そう言った「問い」に繋がるような。
だから、個人的には「そうだねぇ、わかるわかる。うんうん」から抜け出せていなかった。「怪物」はちょっと抜け出しましたからね。なんかこう言う感覚あるんだと思います。
一応わたし、子供の頃「世にも奇妙な物語」の感動させにくる話でバリバリ泣いてたクチでしたので笑、話自体は好きでした。20代なら隣の若者同様、啜り泣いてたなあ。私の感性も違う素粒子になってしまったのかもしれませんね…
脇道ですが、伊島空さんの演技良かったです。事件から何十年も経ち、刑期を終え出所。結婚まで決まり、新しい人生を歩き出している。法律的にみたら、やってはいけないことをしているのは、「この時点においては」母。でも、必ずしもこの人は「善」ではないよね。自分と家族の暮らしを守るものとしての役割意識は少しだけ垣間見えるものの、生まれ持っての感覚のおかしさ、共感性のなさが滲み出て。話なんか通じるわけないよな、そんな奴に。それを見事に表した、ディスコミュニケーションぶりでした。(まぁ包丁持って追いかけるシーンは設定がベタすぎでしたが…笑ご愛嬌ですね)あまり認識ない役者さんですが、これを機に気にしていきたいなと思います。
前情報ほとんどなしで観に行きました
泣くという意識なく目から水が溢れて流れるという不思議な体験をした
悲みを引き摺るというよりは観た後なんだか妙にすっきりしていてこれまた不思議
しかし内容もそんなに覚えていないな笑。そんなに残る映画ではなかったかなーなどとぼんやり思っていたが、
翌日の散歩中に、草茫々庭木は伸び放題自転車は朽ちている空き家をみて、この家にも別の世界線があるかな?と自然と映画の事を思い出していた。
最後のクレジットに土井志央梨と松田龍平の名前見つけたけど、
どこにでてたんだろ?
タイトルがいい
なんとなくで選んだ映画だったけど選んで正解でした。片思い世界っていうから恋愛系かな?って思ってみたけど片思いって言葉だけでは形容し難いような考えさせられる内容でした。もちろんフィクションで自分の身に起きるようなことじゃないけど、3人がそれぞれ想い人に感情をぶつけたいけどそれができないっていうもどかしさが3人の演技からすごく伝わってきました。もう一回見に行きたいです!
12年掛かった合唱
坂元裕二さん脚本に、3人の朝ドラヒロイン経験者が集う贅沢な作品。見逃すわけにはいけません。完全に評価が二分しているので、全く事前情報なしで観賞。
主演3人の醸し出す日常の景色がとても心地よく、入り込める序盤、いきなり厳しい3人の身に起きた現実が突き付けられる。ここが受け入れれれないと酷評になるのでしょうね。
50年映画を見続けてきた者とっして問題ない範囲のストーリーで全く気になりませんでした。
自分の声が全く届かないもどかしさ、無力さが心を締め付ける中盤、思いを伝えたい人たちの思いが聞けて安堵する終盤と良作に出会えた満足感を感じます。ラストの合唱シーンは感動の名場面として記憶に残したい思いです。
失われたものは戻らない、が。
歳を経て経験を通じて視点は変わっていくものだ。
子供が産まれてからの変化は特別大きなものだろう。
少なくとも自分にとってはそうだ。
ということで、子を持つ親の目線に偏った感想になる。
劇中では12年が経ち新たな家族を得ても親の心には大きな穴が空いたままだ。
愛する子を失うということはそれくらい辛い出来事なのだ。
しかし悲劇は誰にでも訪れ得る。
そんな辛い状況にある人にとっては、失われた家族がああして別のレイヤーで存続し続けているのというのは救いになるのではないだろうか。
ちなみに、ロケ場所の一つに自分が最もよく行く映画館と同敷地内の施設の名があって驚いた。どの場面だったのかはわからないのが残念だが。
パンフレットが充実していて嬉しかった。あれで1200円は割安感がある。
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