「おもってた「片思い」と違った」片思い世界　aさんの映画レビュー（感想・評価）

最初に思い描いていた「片思い」とは全く違う世界だった。

物語が始まり早々に設定が理解できて、タイトルの「片思い」の意味がわかり少し怖くなってしまった。

「それぞれが抱える“片思い”があった」
それは、死んで幽霊となったために想いが届かない(片思い)ということ.......

でも、その思いは決して「片思い」なんかではないと思った。

死んでしまったら消えるのではなく、
素粒子のレートが変わるだけで存在し続ける――
あるいは、生きている人が覚えているからこそ、彼女たちはそこにいるのかもしれない。

その設定が切なくて、胸が締めつけられるようだったけれど、
不思議と悲しい物語だとは思わなかった。
むしろ映画の中でも彼女たちの話を「悲しい話」と言って片付けられる場面があったが、「悲しい話」にして欲しくはない。どこか違う気がする。

彼女たちは確かに生まれてきた意味があって、存在している。
誰かに想われ、想い続けている。