「なるほどこういう話ですかと、大変面白く観ました。」片思い世界 komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
なるほどこういう話ですかと、大変面白く観ました。
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが溜まっていたので短く)
結論から言うと、今作の映画『片思い世界』を大変面白く観ました。
朝ドラ主演だった広瀬すずさん、杉咲花さん、清原果耶さんの確かな演技の3人が主演で揃い、現在の大河主役の横浜流星さんまで出演とあれば、観ない選択肢はないと思われました。
一つだけ懸念は、予告で感じた少女世界で年配の男性脚本演出だと厳しさはあるぞ、とは鑑賞前に思われていたのですが、なるほどこの設定であれば常に影が差し込むので、その懸念も払しょくされていたと思われます。
相楽美咲 役の広瀬すずさんと高杉典真 役の横浜流星さんの最後の場面の演技は出色でしたし、さばけた中に悲しみを握る阿澄さくら役の清原果耶さんもやはり素晴らしさがあったと思われます。
そして、新しい妹と母・木幡彩芽(西田尚美さん)の関係を、妹が危険な時も冷たく見つめる片石優花 役の杉咲花さんの眼差しは、この映画の質を決定づける深さがあったと思われました。
今作の映画『片思い世界』は、同じ坂元裕二さん脚本の『ファーストキス 1ST KISS』とも共通していて、《大きな所での運命は変わらない》根底の部分の認識と描き方は、通底していたと思われます。
しかしその中で今作の3人が、変わらない運命を、自分たちの心の持ちようで見方を変えて進んで行く描写は、逆に観客を静かに勇気づけていたと思われます。
今作は難しい設定の物語と思われながら、一方で、現在の運命に翻弄される人々にとって逆に必要な物語構成だとも思われ、大変深く面白く今作を最後まで観ました。
