「素晴らしい作品だということを否定する気は全くないけど。」片思い世界 sokenbiteaさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい作品だということを否定する気は全くないけど。
美しい、優しい感性に溢れた作品で。
話の運びも、エピソードのつなぎ方も、演技も美術も音楽も完璧で、映画としては本当に素晴らしいと思います。
普通に考えたら、★5つ付けないのは、難しい作品なのだけど。。
自分の個人的な感想としてはやはりこのくらいの★になってしまう。
なんだろう、死生観のようなものが、作り手と食い違ってんのかもしれない。
主人公の3人は、演者はもう豪華にも程があるだろってくらいだし、それぞれキャラクターも魅力的で、さすがの坂元裕二脚本でグッとくるところも随所にあり、あと特筆すべきは、合唱曲が素晴らしくて。
涙腺がほころびそうになったところはあくつもあったし、また素直に感動もしたのですが。。
どうしても、これは結局誰のための話なんだろう、というのが頭の片隅から離れなかった。
だって彼女たちは、本当はもういないのだから。
人は死んでも、その存在がなくなってしまうわけではないと思う。
誰かの心の中に思い出は残るし、何より過去の時間の中ににその人がいたということは、今この瞬間にも事実なのだし。
大切な人が死んでしまったとしても、その命、、ていうと語弊があるけど、その存在自体は消えることはないというのは、スピリチュアルな意味でもなんでもなく、ある種の真実だと思うのです。
ただ、亡くなった人を思うとき、なんていうか、その人が今はもういないというのが、何より大切な事実なんじゃないかと、、何言ってるかわかんないかもしれないですけど(笑)、自分の死に対する考え方はそういうものです。
だからこそ、その人の生も死も、本当に大切に思えるんじゃないかと。
だからこの映画は、美しい寓話ではあると思うけど、自分としては、本当に自分の好きな、それこそ生きる力を与えてくれるような、大事な作品というとこまでは行きませんでした。
話の構造として、そうなりようがないというか。
十分に楽しめたとは思いますけどね。
主演女優3人は魅力ありすぎだし、横浜流星君も、あーこの役君で良かったありがとうと思ったし(笑)。
あの合唱曲は、これから何度も聴くと思います。
あと一つ、、幽霊の彼女たちだって頑張って生きてんだから、生きてる自分はもっと毎日しっかり生きよう、なんてことを思いました。
これ上に書いたのと矛盾してるか。
生きる力もそこそこもらったということかもしれない(笑)。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。