「話はさておき、世界観が好き」片思い世界 にくじゃがさんの映画レビュー(感想・評価)
話はさておき、世界観が好き
今をときめく若手女優3人が姉妹のように暮らしているというシチュエーションだけで絵がもつし、雰囲気がよさそうだから観たいなと思いたち鑑賞。
タイトルが出る前の冒頭の少しの不穏さを置いてきたかのように、微笑ましく暖かな光景が続く。
3人娘がバスに乗り遅れてもドアを開けてくれないのに後からきた男の声かけに答えドアを開ける運転手、がらんどうのバスで男のすぐ後ろに座りまっすぐ見続けるミサキ、…ケータイを堂々と盗み見られても何も言わない男……穏やかな光景に違和感が少しずつ募っていく。そして、ピアノの演奏会で常人じゃない行動をとるサクラ。あ、この違和感気持ち悪くて見てられないかもと思っていたらすぐ明かされた真実にあっとなる。片思い世界ってそういうことか、、、と感心した。
3人娘の服装やBGM、光の暖かさとか、みていてとても心地よかった。
その反面、少年Aの話の通じなさ・無関心さ、彼に対する怒りが非常にリアルで気持ち悪い。彼が車にはねられるシーン等はかなりのトラウマものだ。ユウカの母親はあの後も人生は続くというのに、娘が殺されたということ・加害者になりかけたということ・被害者になったことを抱えて生きていかなければいけないと思うと、かなり生き地獄だろう。そんな報われない彼女はさしおいて進もうとするストーリーには違和感を覚えた。
しかし、やはり全体的な雰囲気というか絵面やBGMがとにかく暖かかく美しかったのと、片思い世界の設定が面白かったので嫌いじゃない。
パンフレットは分厚く紙の質感もよく、映画の世界観がとじ込まれてるのでオススメ。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。