「主演3人の共演、空気感が最高!だが、そこに頼りすぎ。 起きたこと自体を掘り下げていない。 脚本が安易な方向に流されている。」片思い世界 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
主演3人の共演、空気感が最高!だが、そこに頼りすぎ。 起きたこと自体を掘り下げていない。 脚本が安易な方向に流されている。
まず、あんな大きなネタがあるとは思わなかった。
事前の予告から、宣伝でも一切出ていなかったのに驚き。
よく隠せていたなと。
最近の一般人のレビューでネタバレしだしていますが。
それを踏まえて、ネタバレありで書きます。
まず、一人で主役を張れる女優3人をトリプル主演に迎えて、さらに主役が張れる男優1人のこのキャストを揃えたら、ある程度のヒットは約束されたようなもの。
俳優たちの力で、面白くもなるはず。
まさに、主演3人の仲の良さと空気感が楽しく、本作で最も良かった点でした。
しかし、半面そこに頼りすぎ。
脚本としては、3人をもっと深く描いてほしかったし、深く傷ついて大きなものを背負った少年の心も、描ききれていないと感じた。
横浜流星も、あれだけの少ないシーンで、それを伝えるのは大変だったと思う。
女優3人もそう。
そして、原因となった事件の扱いが軽い。
事件とその犯人は、単に泣ける話にするために用意されただけで、それ以上に深く掘り下げられていない。
実在の事件を思い起こしてしまうと、その悲惨さを思うと、こういう扱いでいいのか疑問に思ってしまう。
残酷な事件、若い少女の命を描けば、容易に泣ける話ができる。
さらにファンタジーにすれば、細かい辻褄を描かずに済む。
脚本が安易な方向に流されている感じがして残念。
この4人なら、もっとリアルで楽しい話や、深い話も書けるはずなのに本当にもったいない。
日本映画は、泣ける話、感動できる話ばっかり安易に作りすぎ。
しばらく「泣ける話」「感動の話」は禁止にしてほしい。
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