「甘さを丁寧に取り除いた映画」片思い世界 定点カメラさんの映画レビュー(感想・評価)
甘さを丁寧に取り除いた映画
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系譜としてはゴーストとかシックスセンスと同じなのに、私たちが望むような生者と死者の交流は最後まで起こらない。死者が生き返るというような思わせも途中あるのに、やはり何事も起こらず、見てる側のあってほしい願望は徒労に終わる。生者はほとんど自力で立ち直り、死者はそれを眺めるだけである。だけど、生者は死者が残した企図のない伝言に救われたことを映画を観る人は知る。そして死者もまた企図せぬ伝言を受け取ってくれた生者に救われる。
この映画のエピソードはご都合主義のように思われるかもしれない。でも一番大事な部分からは甘さを取り除いた真摯な作品なのである。分かり合うなんて起こらない。大切な人のことを思うとき、私たちはいつだって片思いなのだ。
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