「決して交わることはなくとも、思いは通じる」片思い世界 アヤックスさんの映画レビュー(感想・評価)
決して交わることはなくとも、思いは通じる
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劇中で杉咲花が言っていたところの「レイヤー」という表現、非常に面白い表現だと思った。生者は死者を認識できないし、死者もまた生者に話しかけることはできないのだけれど、強い思いを抱いていれば、次元を超えて心は通じるし、それが空蝉というものなのかと思う(私見)。
また、見た目が大人で、ファッションにも気遣っていて、大学で素粒子物理学や量子力学を学んでいたりするんだけど、何かあったと気に見える子供っぽい仕草や考え方(三日月のクッキーを指差すシーンや、信号守ってたのに何で殺されなきゃ行けなかったの?など)が、9歳で人生が止まったままなんだなという…
幽霊ながら物質的にも精神的にも豊かで楽しい生活を満喫しているのだけれど、母親が再婚して新しい子供に愛情を注いでいるのを見て、貞子的な呪う側の幽霊に堕ちてしまいそうになったり、向こうには見えないはずなのに自分を殺した犯人を目の前にして動揺したり、現世に戻れるチャンスに淡い期待を抱きつつも大胆に行動したり、割と現実的な悩みを抱える等身大の幽霊をなるべく向こう側からの視点で描くというのも感情移入しやすいか
あとムーンライダーズが総出演していたのも良かった。
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